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もしもあの時  作者: みかん
8/10

ホームルームと懐かしい夢

「金子の財布喪失事件」から1週間

クラスは比較的おだやかな空気がただよっていた。

ぼくはホームルームが苦手だ。別に意見を言うほど議題に興味がひかれないし、眠くなってくるし。

今日のホームルームの議題は・・・

『2週間後にせまる杉野際について』

ぼく達の学校で毎年11月の中ごろに行われる「杉野祭」

いわば学園祭だ。中学生の時の学園祭はあまり派手ではなっかたので一般人もよんで盛大に行う

「杉野祭」はどんなものだろうと期待してたりする。


「では、このクラスの出し物は何にしますか?」

委員長が言うと複数の人が手を挙げる。

『お化け屋敷』 『カフェ』 『小物屋』 『写真館』

次々と案が出て、それを副委員長が黒板に書いていく。

(カフェ・・・かぁ)

ぼくはボーっとして黒板の文字を見つめていた。いつものように眠気が襲ってきたからだ。

(ちょっとくらいなら・・・)

ぼくは机につっぷした。


「おじさん何つくってるの?」

「ん?いやぁ、喫茶店の新メニューを考えているんだ・・・」

「ぼくも早く大きくなってさっき店で働きたいなぁ・・・」

「喫茶店の経営は難しいぞ?おじさんの喫茶店もなぁ、ちょっとやばくてなぁ・・・」

「だって、このさっき店ボロイんだもん。どうして改装しないの?」

「これはおじさんのお父さんに貸してもらってる店だからなぁ・・・。改装すると思い出

 が壊れそうでイヤなんだよ」


「ふーん。じゃあぼくが大きくなってもボロイまま?」

「本気でハルトがこの店をもらうなら改装してもいいぞ?」

「うん、安心して!ぼくがもらうから。

 このさっき店!!」

「がんばれよ!あと、きっさ店だからな?」


「・・・・・・・あっ」


(これは・・・昔のぼくとおじさん?)

「・・・・ルト君」

(だれかが呼んでる・・・いったい)

「・・・ハルト君!」

(いったいだれなんだろう・・・。)

「ハルト君!おきてぇ~」

「・・・・・・!?」


ぼくが目を開けるとそこにはクラスメイトの女子・・・ではなく、


「何?たける・・・。」

「ハルト君おきたぁ~?」

たけるは変に猫なで声で言った。うん・・・、気持ちが悪い。

「そんな露骨にいやな顔すんなよ・・・。

 ・・・ほら、黒板見てみろよ!」

たけるに言われるがままに黒板を見ると、『カフェ』の文字の上に赤いチョークで丸がしてあった。


「・・・カフェにきまったんだ。」

「おう!それでクラスは『内装係』『メニュー係』『衣装係』の3つにわかれてだなぁ・・・。

 とりあえず俺とハルトは『内装係』だ。他のみんなはそれぞれの場所に移動してるぜ。

 俺たちは図工室に・・・」


「説明ご苦労さん」

ぼくは椅子から立ち上がると、たけるを置いて教室を出た。


「まって!まってくれ~!」

後ろからたけるの声と足跡が聞こえたが構わずに図工室に向かった。


(・・・たけるっていい奴なんだけど・・・いい奴なんだけど・・・)


「まってくれよ~ハ・ル・ト・く・ん!

 聞こえてないのぉ~」


「・・・・うざいんだよな。」

ぼくのつぶやきはたけるに届いていたのだろうか。ぼくにはわからない。

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