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もしもあの時  作者: みかん
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ぼくという人物

※レオの友人みかんが書いたものです。※


もしも、あの時ぼくが屋上に行こうとしなかったら今は何をしていたんだろうか。

そう思うと「運命」とかいう言葉はあながち身近なものなんだろうと今、身にしみて思う。


「あれ・・・?」

何故かぼくはすんだ美しい泉のほとりにいた。

(うそ!?ぼくの住んでる国って日本だよね?なんでこんなところにいるの?)

「いったいここはどこ・・・?」

ぼくが辺りをみまわしていると泉がきらきらと輝きだした。

まぶしい中目を細めながら泉を見ると、中から人のような影が現れた。影はしだいに女性の姿になった。すきとおるような白い肌。流れる絹のような金髪。涼しげな目元。

(う、うわぁ・・・。きれいな人だ。)

ぼくの心臓が急に鳴り始めた。まぁ、それは思春期なので・・・ハイ。

ぼくの視線にきづいた女性はこちらを向いてうっとりするほど美しい笑みを浮かべた。

ぼくの心臓はよりいっそうはやく鳴る。

「私は女神。あなたの願いは・・・夢はなんですか?」

「え・・・?」

「私がかなえてあげましょう。」

まるで童話のようなシチュエーションにぼくは昔あきらめた願い・・・夢をいうことにした。

「ぼくは・・・」

女神はじっとぼくをみつめてる。

「ぼくは『ピーをしたピーになるピピーっ』です・・・っえ?」

(今なんか良くない擬音が混ざったような・・・)

「いや・・・あのね、べつにぼくは『ピー』をしたいわけじゃ・・・」

「分かりました。」

(良かった・・・。分かってくれたんだ。)


「『チョメチョメをするちょめちょめ』・・・ですね?」

「いえ、全然違います!!」

(伝わってない・・・。ようし!こうなったら大きな声で・・・)

「ぼくの夢は・・・!!!」


「起きろ!この馬鹿兄貴!!」

(え・・・?)

どこか聞き覚えのある声とともに頭に鈍い痛みが伝わった。


「いってぇ・・・!」

痛みの衝撃で目を開けるとそこは光り輝く泉のほとりではなく、ゲームや雑誌が散らばるぼくの部屋で、

目の前にいるのはあの美しい女神ではなく、ぼくの妹。小林 秋奈だった。

「もう!早くしないと学校に遅れるよ?」

台詞だけ聞くとかわいいどこにでもいるような妹キャラだが、持っているものがテニスラッケトという残念な状況。

「お前なぁ・・・。いくらなんでもラッケトはひどいだろ!たっく、ひとがせっかく・・・」

良い夢見てたのに、と続けようとしたがふと夢のことを思い出し口をつむんだ。

(秋奈ならなんていうんだろう・・・。)

「なあ・・・おまえの夢って何?」

「な・・・なによ、急に」

「いいから」

妹はいきなりの質問に戸惑いながらも答えた。

「小さい子に好かれる保育士さん」

子供好きの秋奈らしい夢だ。なら・・・。

「じゃあさ、もしもその願いかなえてあげるって神様がいったらどうする」

「ねぇ・・・。本当にどうしたの?」

「いいから」

妹は少し考えたように首をひねってから、落ち着いた声で言った。

「断る」

「はい・・・?」

迷うことなく女神に言ったぼくとは違う意見だった。

(それでも面倒くさがりのぼくの妹か?)

「何で?」

理由を聞くと秋奈は、

「だって、自分の力でかなえないと意味無いじゃん」

と、まっすぐ答える。

ぼくはだんだん自分が情けなくなり、大きくため息をついた。

(妹のほうがスゲェや・・・)

ぼくはベットから降りて学校へ行く準備を始めた。




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