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EP.62-2 新技②

妄想主題歌(右クリック→移動 または、コピペでお願いします)

https://youtu.be/OahpETEBXxc


「回復術師から潰すのが鉄則だ!」


 ガリオンは上空から急降下突撃し、シリーに斬りかかった。


 ハーディーは止めにかかったが、間に合わなかった。


 ガリオンの『鳳翼双剣』が、電光をほとばしらせた。


 バチバチバチッ‼ ガッ! ガギィイィンッ‼ ドッゴオォーンッ‼


 シリーは超反応を見せてガリオンの斬撃を剣で防いだが、ガリオンは斬撃に雷撃を重ねて乗せる攻撃を繰り出し、シリーは激しい勢いで弾き飛ばされ、彼女の『聖騎士の胸当てと肩当て』は、完全に砕け散ってしまった。


「シリーさんっ‼」


 ハーディーが叫び、倒れた彼女の下に走った。




 ガリオンの『鳳翼双剣』が「バチバチバチッ」と電光を迸らせている。


 ガリオンはここに来て、上級電撃魔法=雷撃魔法『ブリクセム』を剣に纏わせるという新たな技を編み出していた。本来、『ブリクセム』は雷撃を超高速で撃ち出す魔法のため、火属性や氷属性の魔法と違って剣に纏わせ難いものだ。しかしガリオンは、戦いの中で集中して魔力を練り上げ、雷撃魔法を剣に帯電させ続ける事に成功したのだった。


「ククククク……ゲオルクがヒントをくれた……これは良い技だ……名付けて、『雷撃ブリクセム・ブレイド』と言ったところか……」


 戦いの中で調子を取り戻し、ガリオンは徐々に『レベル・ブースト』の反動ダメージから回復しつつあった。ガリオンは無意識的に歯を剥き出しにしてほくそ笑んだ。




 ハーディーがシリーの様子を見ると、生きてはいるが、全く意識がない状態だ。


 半魔法使い・半剣士の、魔法剣士・シリーは、器用だが能力的に半端で、白兵戦では自身よりレベルが低いハーディー、グライフ、ジゼルにも劣り、耐久力も低い。


 基本的に聖騎士には得意とする魔法属性があり、ハーディーなら風属性、グライフなら光属性が得意だが、そういった一種類を究める程度であれば、剣士として申し分がない強さに成長し易いが、シリーは器用貧乏にも様々な魔法を使い熟せる反面、白兵戦が特別強いわけではなく、魔霊気の性質もそこそこでしかなかった。


 逆に、ハーディーの回復魔法は大した性能ではないし、ジゼルにいたっては低級回復魔法ですら怪しい。シリーのような存在は貴重である。


 現状、十分な性能の回復魔法を使えるのは、ゲオルクが倒れた場所にいるリツァルとキーラだが、彼らの実力では戦闘に参加しても足を引っ張るだけだった。




 回復魔法を使ってくれていたシリーが倒れた事で、ジゼルの回復も止まり、出血が続いていた。ジゼルの目は霞み、「はぁ……はぁ……」と息を荒くして膝をついた。


 ジゼルがベルトに装着していたポーチを弄ると、戦闘の影響で幾つか壊れていたが、圧縮された回復薬ポーションが3つ残っていた。それを元のサイズに戻し、一気に飲み干した。気休め程度だが、ほんのり薄緑色の光に包まれ、若干回復した。


 回復薬ポーションは、回復魔法より傷の治癒力は低いが、失われた血を取り戻す効果は高く、乾いた喉も潤う。残り2つあったが、ハーディーとシリーのために残した。




「さて……次は……」


 ブゥンッ


 ガリオンはハーディーに狙いを定め、『有翼のアンクレット』を起動させて地上をホバーするような低空飛行で高速突撃した。


「ブースト1ッ‼」


 ハーディーが再び『レベル・ブースト』を発動した。


 ガリオンの『鳳翼双剣』が「バチバチッ‼」と、電光を迸らせた。そして、腕を交差させるように構え、『雷撃ブリクセム・ブレイド』状態で、必殺の『クロス・スラッシュ』を繰り出した。即ち、『ブリクセム・ブレイド・クロス・スラッシュ』だ。


 ハーディーも自身の最強技で迎え撃つ。ハーディーは剣を並行に構えて振りかぶった。


至高シュプリーム・鉤爪アルティリオ‼」




 ドッッ‼ ゴオォーーーーンッ‼




「グハァッ‼」


 ハーディーは、より魔霊気を鋭く研ぎ澄まして繰り出す自身の最強技=『至高シュプリーム・鉤爪アルティリオ』で迎え撃ったが、ガリオンの『ブリクセム・ブレイド・クロス・スラッシュ』の威力が圧倒的に上回った。


 ハーディーは大きく弾き飛ばされ、「ドシャアァッ」と、地面に倒れた。


「うぐっ……」


 ブシュウゥッ‼ ボタッ……ボタボタボタ……


 ハーディーの胸部から腹部にかけて大きなX字の傷がつき、大量出血している。


 さらに『レベル・ブースト』の反動ダメージで「ヒリヒリ」と身体が焼けつく。


「ハーディーッ⁉」


 ジゼルが『悪鬼の戦斧』を地面に突いて、フラフラッと立ち上がった。彼女の傷も、まだ回復し切ってはいなかった。


 ハーディーも何とか上体を起こしたが、目は霞み、意識が朦朧として、即座に回復魔法を発動できない状況だ。口からも出血している。


 一方、ガリオンには二重の爪痕のような傷がついたが、ハーディーの攻撃をかなり相殺したため、傷は浅く、既に自動回復魔法『アトマ・ピセラ』で回復し始めていた。


 トドメを刺そうと、ガリオンがハーディーに迫る。


「ハーディーッ‼」


 ジゼルはまだ回復したわけではなかったが、力を振り絞って立ち上がり、突撃した。


 バチバチバチッ……と、ジゼルの足下から電撃が迸る。


「エレクトロ……反動ッ‼」


 バチバチッ! ヴォンッ‼ ヒュンッ!


 ジゼルは電磁魔法『エレクトロ』を発動し、地面と自らの足にプラスの磁力を発生させ、強力な反発力を発生させて弾けるように跳び上がった。そして、拡縮魔法『マススハール』を発動して『悪鬼の戦斧』の圧縮を一気に解除し、渾身の力で振るった。


 ボッ‼


 再びガリオンの『鳳翼双剣』が「バチバチッ‼」と、電光を迸らせた。


 ズッッガァアァーーンッ‼


 ジゼルの『悪鬼の戦斧』は圧倒的に超高重量かつ超高速で振り抜かれたが、ガリオンの一撃の威力が上回り、『悪鬼の戦斧』は弾き飛ばされた。


 ジゼルは「ドシャアッ‼」と倒れ、ガリオンが丸腰のジゼルに牙を剥く。


「うぐっ……‼ ク、クソォッ! エレクトロ‼」


 バチィッ‼


 ジゼルは電磁魔法『エレクトロ』をガリオンの『鳳翼双剣』に放ったが、同じ雷属性を纏わせている『雷撃ブリクセム・ブレイド』には効かなかった。


「同じ手は通用せん……」


 それどころか、『悪鬼の戦斧』にかけていた電磁魔法の磁力も無効化され、自身の手の中に引き寄せる事もできなくなった。


 ジゼルは防御面に難がある。彼女は死を覚悟して、目を見開いた。


「ジ、ジゼルッ……‼ うぐっ!」


 ハーディーは即座に突撃しようとしたが、自身が受けたダメージがあまりにも大きく、「ガクッ」と、膝をついた。ハーディーは絶望的な表情を見せた。


「ジゼル――」

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次回:2025年05月10日 18時20分

EP.63 激戦

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