異 世 界 野 球 部 ~府立イドボリツァ高等魔法学校の、「最高の朝練」~
朝5時。
彼らは、長屋を飛び出す――――
「「「『キ゛エ゛ェ゛ェ゛ェ゛ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛~゛~゛ッ゛!!! 』」」」
運動場に駆け込む青年たちが、甲高い声を張り上げている。
猿叫と呼ばれる、異世界独自の発声法によるものだ。
それぞれ打棒を手に取り、持ち場につくと、目の前の木人を激しく打ちすえる。
「官立の貴族どもが何じゃ! 私立の中産階級どもが何じゃ !? 」
「せやせや! 金も身分も、腹の足しにはならん !! 」
「何がエリートだ、誰のお陰で飯が美味えかも分かんねえか ?? 」
「地元最高! 公立最強 !! くたばれボンクラぁ !!! 」
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……………
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騒がしい運動場のバックネット裏に、「野球部の行動指針」が、ひっそりと掲げられている。
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目標:闘技場
目的:人格形成
府立イドボリツァ高等魔法学校野球部
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大丈夫か? この部活……
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