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【プロットタイプ】透き通る様な声

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

歌が上手い人の褒め言葉として、『透き通る様な声が好き』ってあるじゃないですか。

私もよく使うんですけども。

其れを聞く度に『低音はどうだった?』と聞きたくなります。


今より少し昔、遠くへ行ってしまった人の歌を不意に聞きたくなった。その人はジャンルを問わない様々なものを歌っていた。だから私が好きだった曲を探して、聞くことにした。

聞きながらコメント欄を眺める。皆が皆、遠くへ行ってしまった事を惜しむ言葉が述べられていた。

――まだ居るんじゃないかなって。

――忘れない限り、ずっと居ると思ってる。

うん。私もそう思うよ。そういう考えが一番正しいと思っているよ。

生者が死者になるというものは私の中で非常に曖昧な事。死を看取っても、葬儀に参列しても、線香をあげても、墓参りをしても、『死んだ』という感触はやはり薄い。

そう感傷に浸っていると、別のコメントを見掛けた。


声の出し方を教えるのは難しい。『明るい声を出して』と言われれば明るい声を出すし、『冷たい声を出して』と言われれば冷たい声を出す。

其れをどう出しているかと聞かれても、意識したことが無いから、そうなるようにしか出せないと答えざるを得ない。強いて言うならば、喉を張るのが高音で、喉を開くのが低音だ。

けれども『透き通る様な声』というのは、やはり高音に適した言葉だと思う。高ければ高くなるほど、硝子の様な透明感と繊細さが際立つ。

逆に低音が透き通る様な声として出そうとするのは、私には無理だった。低音まで透明感のある歌声にしてしまったら、厚みがなくなってしまう。折角の良さが潰れてしまう。

それは男女問わず。厚みを出させる為に、あえて透明感を無くす。色を圧縮させるのだ。


瑠衣から頼まれた曲を熱唱する為にカラオケに訪れた。一曲歌い終えた後、曲の感想を述べる。何処が苦労したか。喉の張り方はどうか。どんな心情になったか。

それに一通り答えた後、こんな言葉が出た。

「『透明感のある声』って、歌が上手い人によく使う言葉だし私も使うんだけど、低音域にはあんまり使いたくない。あれは高音域の表現。歌い方一つとっても、透明感をあえて出さない手法をする事もある」

「其れはお前が演技をした上での結果か?」

その声に私は黙って頷づいた。今歌った高音と低音が入り交じる曲で『透明感のある声』と言われると、『低音はどう感じた?』と聞きたくなる。低音まで色を薄くしたつもりは無いからこそ、その答えが聞きたい。

「魅力は高音だけじゃないよ」

――鏡花の透き通る様な声が好き。

それは周りから受けた評価だった。嫌味や皮肉のない真っ当な褒め言葉だった。でもだからこそ、聞きたくて仕方ない。『低音はどうだったか』。

鏡花の声はソプラノかソプラノ寄りのアルト。

だから普通に話しているだけでもかなり響く。

噂話の意味が無い。全部丸聞こえ。


鏡花は歌が上手いですが、歌うときは、キーの高いものか、低音に振れるのが少ないものを選ぶと思います。

※趣味以外で。本当はデスボ出したい。練習now。

でも低音が出てきても低い声で対応すると思います。


その時、『透き通る様な声が好き』と言われると、『頑張った低音はどう感じた!? ねぇ!!』と聞きたがるだろうなと。

私的な推測だと『透き通る様な声で低音は出せないから、それ高音の褒め言葉だよね? 低音はどう表現するよ』と聞きたいのかと。


作家根性の悪いところ。

『この言葉ハマってないな。一部に視線が集中してるな。ならばきっと別の相応しい言葉があるはず』

という事。


瑠衣の言う『言葉の解析度上げろ』という意味と似てるかも知れません。

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