56/257
くすぶる苛立ち
『もうちょっと、素直におなり。』
ランディアの言葉がぐさりと胸に刺さって、どうしようもない不快感を作り上げていく。
出張先の集会所に向かいながら、シュルクは険しい表情で地面を睨んでいた。
変わっていくことは、悪いことじゃない。
それには同感だ。
自分の近くに変わることを躊躇っている誰かがいたとしたら、自分もランディアと同じような言葉をかけたに違いない。
それに、自分はフィオリアに対して今までの自分なんて捨てろと言った。
それはすなわち、彼女に今までから変われと言ったようなものだ。
理屈としては、ちゃんと理解している。
しかし、自分を変えていこうと思うことと、変わっていく自分を受け入れられるかということは、また別問題なのだと思い知る今日この頃。
―――こんなつもりじゃなかった。
昔から嫌いだったこの言葉を吐き出す奴の気持ちが分かったような気がして、気分はますますささくれ立ってしまう。
イライラして仕方ない。
フィオリアに。
そして―――他でもない自分に。




