幕間~悪夢~
目を開ければ、血まみれの世界が広がっている。
違う。
私がいるところはここじゃない。
こんな光景、私は知らない。
必死に自分に言い聞かせて、そこから逃げた。
「逃げるの? ルルーシェ。私から。自分の罪から。」
背後から、ねっとりと絡みつくような声が追いかけてくる。
「違うの! 私は違う……ルルーシェなんかじゃない!!」
嫌だ。
囚われたくない。
ルルーシェの過ちはルルーシェのものであって、フィオリアには関係ないって。
愛しいあの人は、そう言ってくれた。
大事にしたいの。
あの人がくれた、砂糖菓子のようなこの言葉を。
私はもう、あの頃には戻りたくない。
私は私なんだって、胸を張ってそう言いたいの。
「嘘よ。あなたはルルーシェだわ。本当は、分かっているくせに。」
「違う!」
「また逃げていくの? 私の大切なものを奪ったくせに。」
「私は私だもの。もう、ルルーシェとしての運命なんか辿らない。私は、私の道を歩くの!!」
「―――そんなの、許さない。」
「!?」
途端に、体が動かなくなる。
突然目の前に現れた女の人が私を抱いて、私の腕を痛いくらいに握り締める。
「逃がさない。私は、あなたを許さない。」
怨嗟がこもった彼女の頬を、どろどろと赤い雫が伝う。
「裏切り者。」
その言葉は、永遠に消えることはなくて―――




