過ちの物語
ずっと昔。
もうどのくらい前のことかは分からないくらい、昔の話です。
私はルルーシェという名前を与えられて、この世に生を受けました。
私の両親は大きなお屋敷で働いていて、私は小さい頃からそのお屋敷で過ごすことも多かったんです。
お屋敷には私と同じ年のセイラお嬢様がいらっしゃって、私とお嬢様はまるで姉妹のように育ちました。
成長した私はお嬢様のお世話係になり、お嬢様も私のことを一番に信用してくださっていました。
でも、私は―――大きな過ちを犯してしまった。
ある日、お嬢様の運命の方がお屋敷にいらっしゃいました。
私はその方に、恋をしてしまったのです。
どうしても、この気持ちを止めることができなかった。
いつしか私たちは互いを想うようになり、深く愛し合っていました。
これが許されない恋だとは知っていました。
運命に逆らっている私たちは、きっと天罰を受ける。
それでも、一緒にいたかったのです。
私たちの関係を知ったお嬢様は、大変お怒りになりました。
当然ですよね。
自分が信用していた人と自分が愛した人、その両方に裏切られたのですから。
私は家族と共に町を追われ、遠く離れた地で暮らすことを余儀なくされました。
仕方ないと思った。
本当は結ばれるはずもない縁なのだから、これが当然の報いなんだって。
でも、彼は私が住む場所を探し当てて手紙をくれました。
私は返事を書くことができないのに、何度も何度も。
彼の言葉には、迷いがなかった。
必ず、いつか迎えに行く。
手紙の最後には、必ずそう綴られていました。
私は彼を受け入れることも拒絶することもできなくて、ただ時間ばかりが過ぎました。
その時間の中で、お嬢様が心を病んでしまっていたとは知らないまま。
手紙を受け取り始めてから何年もが経ったある時、突然お嬢様が私を訪ねてきました。
彼を殺してきたと。
お嬢様はそう告げて、私の運命石に呪いをかけた。
お前はこれから、永遠に一人きり。
お前の運命の相手も、お前が少しでも愛した相手も、みんなみんな死んでしまえ。
お前に寄り添おうとする奴らはみんな、お前を残して死んでいくんだ。
お嬢様はひたすらに呪いの言葉を吐き続けて、私の運命石を壊してしまいました。
そして私を殺して、ご自分もその場で……
それからというもの、呪いの余波なのか、私とお嬢様は必ず近しい間柄として輪廻転生を繰り返しました。
過ちを犯した時の記憶を、引き継いだまま……
お嬢様は私の運命の相手を見つける度に、私の前でその人を手にかけた。
何度も。
何度も。
気が遠くなるほど―――




