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幕間~聞こえない叫び~
ああ、神様。
わたくしは、どうすればいいのでしょうか。
彼は、わたくしを救ってくれました。
わたくしは、彼を愛しています。
ですがそれは、わたくしだけの一方的な想いなのです。
彼は……―――わたくしを、愛してなどいません。
彼がわたくしをあの地獄から救ってくれたのは、わたくしが彼の運命の相手だったから。
そして彼の立場上、わたくしの存在を無視することはできなかったから。
ただ、それだけなのです。
彼に救われ、綺麗な服で飾られて豪華なお屋敷で暮らすようになったとしても、所詮わたくしが卑しい身分であることは変わらないのです。
神様。
わたくしは、どうすればいいのでしょうか。
どうすれば、この恩を彼に返すことができるでしょうか。
もう、わたくしに残された道は―――




