劣等生で何が悪い
初めまして、あさるるっていいます。今回から初めて作品を投稿させていただくんですけども、全く方向性が定まっていないのでどうか暖かい目で頂けると幸いです。
それでは本編へ、どうぞ。
「また酷い点を取ってくれたね。」
「すいやせん。」
職員室は嫌いだ。普段の授業は別に普通なのにこの中だけ謎に重苦しい雰囲気を醸し出してる。そんなことしてもお互い疲れるだけだろうに。
「授業態度は悪くないのになあ...ノートも綺麗にとってるし挙手だって普通にしてる。ちゃんとおうちで復習してる?」
「してないっす。」
「してないんかい!!」
うるさいなあ....。周りの先生の視線もこっちに集まってきてしまっている。本当に恥ずかしいからやめて欲しい。
「姫野姫野先生うるさいっすよ。周りにも先生いるんですからもっと落ち着いてください。」
「う、うるさいって...でもまあ氷室くんの言う通りね。気をつけます。」
そう言ってなにやらしょんぼりとした顔を浮かべている目の前の女性は俺の担任である姫野綾華先生。俺と同じ歳に新任教師として着任したらしい。若いためまだ慣れていない所が目立つが、持ち前の元気さと可愛らしい顔で俺たち生徒からは人気だ。
「と、に、か、く!1年生の今の時期だったらまだ全然大丈夫だから!今のうちに勉強しましょ!」
「大丈夫ならまだしなくて良くないっすか。それに俺が自由でいられるなら劣等生に喜んでなりたいんすけど。」
「も〜!!!屁理屈ばっか言わない!とにかく勉強しなさい!」
「勉強つったって...俺に塾にでも通えと?金かかるから嫌っすよ。」
「何言ってるの。うちのクラスに適任がいるでしょ?」
よもや当然のことを言っているようにキョトンとした顔をしてそんなことを言いだしている。まさかとは思うが...
「江州のこと...ですか?」
「正解!いつも、って言ってもまだ2回しか定期テストはなかったけどね、学年一位を2回もとってる人がクラスにいるのよ!こんなのもう教えてもらわない手はないわよ!」
「いやいや、俺江州と話したこともないんですけど。いきなり勉強教えてくれなんて言えないっすよ。」
「大丈夫!もう先生がお願いしといたから!というわけで入ってー!!!」
「は?」
「いえーい!」
「は?」
まるでドッキリが大成功でもしたかのように元気よく扉を開けてきやがった江州侑唯。というか何勝手に教え役を頼んでんだ。ありがた迷惑にも程がある。ふるさと納税で大量の魚でも送られてきた気分だ。
「ドアは静かに開けなさい。」
「あ、ごめんなさい!次から気をつけます!ん゛ん゛!という訳で、今日から氷室瑛介くんの教師に就任しました!江州侑唯です!よろしくね!」
「どういう訳だよ。あとなんで受け入れてんだ。断れよ。」
「だって面白そうだし?氷室くんとは話したこと無かったから丁度いい機会かなって。まあそんなこと置いといてさ!よろしくね!」
「もっと論理的に行動しろよ...」
「よろしくね〜江州さん」
「任せてください!私が指導したら直ぐに学年2位になれますよ!」
どうやら今の学年2位のやつには興味もないようだ。実際2つの試験を通してこいつと2位の奴の点差は20〜30ほどの差がある。余程のことがなければ負ける未来も見えないんだろう。
「それはあの子が許してくれるかは分からないけど...とにかく夏休みの間は頼むから、少なくとも基礎の定着をよろしくね!」
「は〜い!じゃあ早速今から家に行って教えるから!一緒に帰ろ!」
「は?」
「それじゃあ先生!さようなら!」
「は〜い気をつけてね〜。いい夏休みにしなさいよ〜。」
「はあ?」
これが、俺と江州侑唯基俺が見た中で最も可哀想な人間との出会いだった。
読んで頂きありがとうございます。名前とかも書きながら決めてたのでもし同じ名前のキャラがいるよ!とかありましたら教えてください。さすがにまずいのですぐに変えます。
今回程度の文字数ならすぐかけるので頑張って作品の更新をやっていこうと思ってますので、応援していただけたら幸いです。
それではまた次回お会いしましょう!あさるるでした〜