続・ノリで視聴者参加型クイズ番組に応募したらテレビ出演することになった話〜収録編〜
さて、一般人がいきなり来週はテレビ収録となったときにどうすればいいのか。
30分のクイズ番組の収録です。
とりあえず、実際に出場した人のブログを探すことから始めました。
だって、流れが分からないんだもの。
あ、本来は1ヶ月前とかに出演決まるんだ…へぇー。
クイズ研究会で早押しの練習…いや、あのピコーン!とかいうボタン持ってないわ。
ノート1冊分とかひたすら予習とクイズを解く…勉強量ハンパないな。
とりあえず時事問題や、放送日付近の日にちにまつわることが出題されることは電話で教えてくれていたのでそこはやってみるかと。
何年前のこの日…みたいな問題を想定して日にち+歴史などで検索してみる。
いや、多いわ。前後まで含めたらけっこうあるな。
間もなく公開の映画の情報なんかも探してみたり、今月デビュー10周年とか節目になるアーティストの情報とかも。
この番組のクイズの出題範囲が膨大なので、とりあえずこのあたりだけに一点集中しようと。
音楽問題はピアノのドの位置も怪しいレベルだし、まるで分からないだろうから…出ても1問だろうし諦めた。
あとは持ち前の知識で出たとこ勝負でいこうと…。
学生の頃から試験勉強は本当に一夜漬けで…寝落ちたり、なぜか読みたくなる漫画の誘惑に負けたりして科目によってはぶっつけ本番でしてね。
まぁ、慣れてはいるんです。こういう状況。
電話から数日後。番組より出場のお知らせの封筒がついに届く。
当日座る予定の席の色が書いており、同色は避けることや映像のチラつき防止に細かいストライプ柄は避けることなど服装の注意点なんかも。
交通費は収録後に出演者の分は出るとのこと。
読んでたらマジでテレビ出るんだ…と思うも、現実感があまりなく。
「出るときは空手着でいって!」などと空手スクールの面々から言われていたけど、放送日の季節にあった服装でってなっているから却下した。
席は緑だったから、爽やかそうな色味のカジュアルジャケットにデニムのジーンズにした。
いや…ほぼ上半身しか映んないし、新幹線で弾丸日帰りの予定だから慣れた服のがいいかなって。
ちなみに服装は「ワンピースの方が…」という母と少し揉めそうだったが、両方を着比べてみたら「ごめん」って言われた。何でさ。
そうこうしていたら、実質ほぼ何もしていないままいざ大阪へ。
何か妙にテレビに映りたがる(しかし全く映らないしインタビューなんかもされない)父が着いてきた。
午後からの収録。入館の手続きが済み他の出場者の方とともにテレビ局の中へ。
わたしたちには説明や準備があり、同行者の父は中へ入れないので「また後でね」って放流しておきます。
会議室のような一室にしばし4人で取り残されたので、沈黙が苦手なわたしはとりあえず話しかけてみる。
大学生の男の子が2人と、社会人のお姉さんでした。
この中では最年長だった。
「楽しみだねー」「ドキドキするねー」などとしばし談笑。
そして番組のスタッフさんの説明が始まります。
結果をSNSなどで言うと放送できなくなるので、そのような行為の禁止などからパネルの取り方のレクチャー。
オセロは苦手だからなー…とりあえず角を取れば何とかなるかなと思って、角を3つ取ったのに兄に負けるレベル。
あんまり悩む感じの場面にあたらないといいなぁとそっと願いました。
そして自己紹介トークの練習。
予選会のときに書いた例の紙がベースになった質問をされ、それに答えていく感じですね。
そんな感じで説明が終わるとメイクルームへ移動。
小さいテレビがあって今まさに収録中という映像が流れていた。
「あぁ、予習してきた問題がこっちで出てる」と少し残念でした。
メイクは自分でしてきているので、少しの追加と髪型はおまかせしていたら巻かれていました。
25歳あたりからストレートヘアから天然パーマに謎の進化をしたので、自宅でストレートにした髪がなぜかほぼ元の状態に戻りました。
ちなみに男性でもファンデーションなのかな?少しメイクされますよ。
肌を整えるくらいの感じですね。
こうして準備は終わりましたが前の回の収録時間が少し長くなったようで、予定より遅れての収録となりました。
初めて見るテレビの裏側に大はしゃぎの最年長。
地方だから観覧とかないんですよね。
そしてボタンのチェックも兼ねているのか早押しの練習。
初めて!このボタン触る!と思って楽しかったです。
無駄に瞬発力があるのか躊躇いがないせいか…一斉の早押しでは若者に勝利しました。
練習問題もいくつかあり、この時点では絶好調。
県名と市町村は間違えて答えないようにとの注意もありました。
そして司会者の俳優さんと、問題を読むアナウンサーさんがやってきました。
こんなに近くで芸能人を見るのも、高校に講演にきたお笑い芸人さん以来です。
あぁ…そういえば母校の先輩でもあるあの芸人さんたちがブレイクしたのも、この番組のモノマネだったなぁと感慨深いものがありました。
そして司会者さんとも自己紹介トークの練習。
見たことはあっても芸能人と会話するのって初めて!
地元ネタをふってくれたので、とても話しやすかったです。
「ラーメンはやっぱり替え玉とかしますか?」と聞かれて「いや、ちょっと多いので半替え玉にしてます」と答えたところ「そんなのあるんだ…」と。
え?半替え玉はメジャーじゃないのか…半分の量でちょうどいいのに。
トークの練習が終わると記念撮影をしてからいざ本番です。
そして本番が始まると…みんなめっちゃ押すの早いな?!
5問目くらいでやっと無事に答えられました。
端の方が取れるタイミングだったのでどこのパネルを取れば?と悩まずにすんでホッとしたのも束の間、クイズより緊張する自己紹介。
なぜ…練習のときはラーメンだったのに、空手の方の話題を振られたのか。
皆さっきと同じような話の流れにちょっと追加が入ったくらいだったから油断してたよ?!
そして流れでなぜか正拳突きとともに空手の気合を披露することになった。
1度目は恥じらいがあったせいか司会者さんよりリテイクを所望された。まだできるはずと…。
後日、振り切ってやった方が放送された。
その後もさっきのあれはフリだったのか思うくらいにはうっかり県名と市町村を言い間違って、やってみたかった2問ただ立っとくこともしました。
番組名物じゃないですか、あの1人立っている姿。
その間に苦手な音楽問題が出てボーッと立っているだけよかったのでセーフなどと思っていました。
なぜか視聴者感覚が抜けなくて、わりと緊張しなかったんですよね。
そのわりにしれっと1番最初に角をゲットできた。
角が取れたので、その後もパネルの場所が選びやすくて助かった。
着々と進んで某チャンスの前に、一旦休憩です。
スタッフさんとそれぞれチャンス問題に答えたら、どこを取ってどのパネルを消すのか打ち合わせます。
この時点で全員に優勝の可能性があったので、けっこう大事でした。
ちなみにパネルは1枚あたり5千円もらえます。
とりあえず、0枚で終了にならないように頑張ろうとだけ思っていました。
休憩終了後。某チャンスが始まる…!
慎重になってか、中々誰もボタンを押さずに問題の制限時間がきて流れます。
わたしは純粋に分からないから押せない。
結局、隣の赤の席の学生さんが答えました。
後に放送を見ると、自分だけ呑気に笑いながら拍手していました。
悔しそうな様子をするとアップで抜かれた模様…。
リアクションを完全に間違っている。お茶の間視点がとまらない。
幸いチャンスをものにした彼が別色のパネルを消してくれたので、わたしの0枚回避は確定となりました。
四つ巴から三つ巴、そして二人の一騎討ちに戦況は変化していきます。
わたしも一応ラスト2問目くらいまではなぜか優勝もあり得る位置にいたのでわりと混戦。
そして最後の問題。
赤が正解すると赤の優勝、赤以外が正解すると白の優勝という展開。
2問連続で誰も答えないという状況となり「そろそろ誰か答えて終われよ」という空気に現場が包まれます。
「3択問題です」とわざわざ最初に言うから、この問題はたぶん誰かが答えないといけないやつ。
「次の維新三傑の中で〜」
あ、すごい好きなタイプの問題だわ。
プロフィールには特に書いていなかったけど、歴史では幕末あたりが好きなんですよね。
司馬遼太郎先生の「竜馬がゆく」とか何回か読み返していますし。
あと好きな歴史上の人物は中岡慎太郎氏です。
一応、3択なので3人目の名字まで聞いたところでボタンを押してみた。
なぜかフツーに点灯して回答権を得た。なぜ。
正直、点くとは思ってなかったよ…。自分でやっといてびっくりした。
しかし回答権がある以上、答えなければ。
「西郷隆盛」と答えてちゃんと正解した。
最後のパネルの番号を言わなきゃいけないのは正直ちょっと忘れていたけど。
こうして熱戦が終了となったわけです。
最終結果は白9枚、赤7枚、緑6枚、青3枚でした。
しばし休憩して優勝者の豪華旅行をかけた最後の問題が始まります。
うん、わたしの緑と接戦だった赤のパネルで非常に画面が見にくいね。
回答者の白のパネル部分だけが消えて最後の問題のある都市に関する映像が流れていますがとても邪魔だわ、特に最後に斜めライン作った緑。
残念ながら不正解となり、番組収録は終了した。
アナウンサーさんは一度もつかえたり、噛むこともなくスラスラと問題を読み上げていてプロの技に感動した。
この後はしばらくセットの中で自由に撮影をしていいとのことで見学していた父も呼んで写真を撮った。
名前が書いてある紙は記念にもらえた。
終了すると皆ホッとするもので、緊張で硬い表情だった青のお姉さんも笑顔が出てかわいかった。
わたしは最後の問題をうっかり答えてどうしたものか気にしていたら、番組のスタッフさんから「わりとあることだから気にしなくて大丈夫」と慰められた。
プレッシャーがない人のほうがあっさり答えるのはままあることらしい。
とりあえず司馬遼太郎先生に感謝の念を送ることにする。
控室に戻って、それぞれ賞品と賞金を受け取る。
全員0枚で終わることもなく、それぞれに出番があった感じで本当によかったと思う。
参加賞だけでもけっこうもらえるんですよね、この番組。
個人的にパネルは6枚ゲットできて懐も潤ったし、わりと健闘したんじゃないかなと思う。
そして最後に関西から来た出場者の2人とスタッフさんに大事なことを聞かないといけない。
「新幹線まで少し時間があるので!大阪駅で買えるオススメのお土産教えてください!」
オススメの豚まんとみたらし団子も買ってホクホクと帰宅の途についた。
みたらし団子は大阪土産で意外だったけど、おいしかった。
やはりお土産は現地の人に聞いたら間違いないなと思いました。
さて、放送当日。
本当に放送されてうわぁーとなりつつ、このへんはカットされて編集されてるんだなどといつもと違った視点で見れて楽しかった。
自分の声が、自身に聞こえている感じとは違って「え?わたしこんなふわふわした喋り方?」とわりとショックを受けた。
SNSを見ると一応あるんじゃないかなと予想はしていた容姿を非難するタイプのコメントがあった。
常々、自分は美人ではないからせめてニコニコと穏やかにしてわたしに悪口を言うやつのほうが「あいつ性格悪いな…」などと思われるよう仕向けようと努力している。
その人の呟きは基本、芸能人含む他人の容姿を見下す感じで時々は誰それかわいいといった感じ。
あぁ、こういう人なんだな…と画面はそっと閉じた。
一般人でもこういうコメントされるくらいだから、芸能人だと…想像できないくらいのストレスだし公開コメントでする行為ではないだろう。
それがストレス発散の方法ならせめて非公開コメントでしてくれ、公開して他人を巻き込むのは迷惑だし予想はしていたとはいえ少なからず傷付くというのが実感。
これ以外ではまぁ、身内や友人間では「知っている人が出るといつも以上に面白いし、最後までドキドキした!」と好評でした。
ただ、兄が結婚の挨拶に行くよりも前にわたしの顔と声が先方のご両親に伝わっていた。
後にあった両家の顔合わせの際も、「クイズの見たよ!」とあまり初めまして感がなかった。好意的に受け止めてくれていたようで何よりである。
アクセサリー作りが趣味のかわいい義妹を目指していて、空手初段は黙っていたのにうっかりバレた。
とんでも面白義妹だが、兄と同じく義姉も優しくかわいがってくれるのでお姉さんと呼んで慕っている。
その後、楽しかったしまた出場権がもらえたら再チャレンジしよう(一度出場したらしばらく出れない期間がある)と張り切っていたら番組の地上波での放送が終了した。
悲しいが、カメラが止まっているタイミングで司会者さんと些細な会話があったという喜びを胸に強く生きていこうと思う。
スポンサー某社がBSでの放送やアプリ視聴で番組自体は復活したものの、クイズガチ勢が前より増えていそうだし次はもう無理かな。
あと人間いざとなったらわりと平常心なんだと感心していたら、「お前が珍しいタイプ」と両親ともに即座に否定された。
ご先祖の誰かに似てるんだろうなと思いつつ、今も日々のんびり過ごしています。
一応、実話だよって証明になるのかは分からないけど写真つけときます。
実際とても邪魔な飴矢の緑ライン。パネルはスタジオにもドーンと設置してある。
この年、飴矢は人生最大の厄年でした。
大厄w例のアナフィラキシーショックから半年後の出来事です。
大厄とは…なんだろうね。