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(後編)

後編です。

まずは最寄りの駅に行って…このホームから隣のホームに行って…そして、電車に乗って…


祭り会場の駅に到着‼︎


鏡を見て、

『浴衣よし‼︎髪形よし‼︎私、可愛い。何事も自信を持っていかないと。』


『昔は白い長い髪と小柄な身体だからよく人形みたいって言われてきたけどそれって人形みたいに可愛いってことでしょ。やっぱり私、可愛い‼︎』


『ずっと引きこもることが多かったけど、母の偉大さや勇気を知ることができた。勇気を出して一歩前に進まないと何も変わらない気がする。だから、今回の祭りで私は変わるんだ‼︎』


『はじめてのお祭りだから出会い‼︎‼を求めたいがはじめての祭りを楽しみたい。テレビでくじ引き、綿飴、リンゴ飴…お好み焼き…どれも画面でしかみたことがない景色…一歩踏み出して外に出てよかった…。この雰囲気を味わうことができた………幸せです。』


屋台の人(A)

「美味しいよ。美味しいよ。一本150円。美味しい串焼きはいかが‼︎。」


屋台の人(B)

「くじ引きいかが、ハズレなし。当たりしかないよー。早い者勝ち、一回いかがですかー。」


大雨こころ

『テレビだと周りの音とか聞けなかったけど、実際はこんなにも盛り上がっているんだ‼︎凄い‼︎来てよかった。』


『人混みとか苦手だけど、祭りならみんなで盛り上がった方が楽しい‼︎。苦手意識あったけど、何か楽しいかも…。』


キーン…キーン……キーン………キーン……


『ん⁇……モスキート音⁇…祭りの最中なのに何で⁇…

……

………

ん⁇…何か同じことを繰り返してる⁇…このパターンなんだっけ……えーと…えーと…、そうだ‼︎モールス信号だ。』


『調べながらですいません…。最初の符号が、

えーと、T……、ん⁇…あぁ…S……K……T……なんだ…T…た、ち、つ、て、と…

Sが、さ、し、す、せ、そ

Kが、か、き、く、け、こ

で最後にまたT…。なんだ…。』


『落ち着け、私。何でそもそもモールス信号…、ドラマを思い出せ…。何か、何かあったはず…。!‼︎‼︎そうだ。ありがちな展開としてSOSだ。だからこれは

「た、す、け、て。」

になるんだ‼︎

でも、どこに行けば…どこで助けを求めているの…


『川もいない…屋台の裏にも…木の影にもいない…どこ…、助けたい…せっかく気づいたから助けたい。祭りなんてどうでもいい。助けたい。どこにいるの…。』


ふゅーるるるる…バーン‼︎

大きな大きな花火が上がった


花火の光によって橋が光り輝いた。


橋の下に女の子が…


いた‼︎。助けを求めてそうな子がいた…。


大雨こころ

『踞ってしゃがんでる…。しかも泣いてる⁇…花火が上がらなかったら見つけられないところにいる…。迷子かな…。』


『助けを求めていたのはこの子⁇…こんな小さな子がモールス信号を?…。』


「大丈夫⁇。」

この子か分からないけど、迷子であることは間違いないと思ったので声をかけてみた。


小さな女の子

「届いた…。助けて……暗くて動けないの。花火大会だからモスキートーン音だったら通じるかなって思ったんだけど、思いが届いた…。」


大雨こころ

『この子の思いに応えられてよかった。出会いに焦っていたけど、こういう縁も嬉しい。この子を家まで連れていかないと…。』


「ねぇ、お嬢ちゃん。家まで一緒に行くよ。私、目慣れをしているからどんなに暗くても迷わず行けるよ。」


小さな女の子

「お願いします…。」


その声は小さく、弱々しい声で、身体を震わせながらいました…


すぐに小さな女の子に私のフリースを着させてあげました。


でも所詮、私も暖かい洋服を着てこなったので私のフリースで女の子を温めることはできない…どうすれば…やっぱりこれが1番早いか…

そう思って私はその場で小さな女の子に抱きついて冷えきった身体を少しでも温めようとした。


小さな女の子は泣いたまま丸まっていたが少しずつ身体が温まっていくことを感じられた。


その場で小さな女の子を安心させるために20分くらいずっと声をかけることに集中した。


大雨こころ

『すぐに救急車を…いや、救急車を呼んでもこのお祭りの人数を考えれば早く来れない…だったら家に一緒に行ったほうが…。』

など、常に次の行動を考えなければならないほど、慌てしまった。


小さな女の子

「だ、大丈夫だよ…。私は…。」


大雨こころ

喋るたびに声が小さくなってる…助けたい…

でも、これ以上できることなんて…お母さんの過去でヒント…ヒントとなるもの…何か、何か…。


バー…。

バー…お酒…連想しろ…連想…‼︎飲み物‼︎


すぐさま私は女の子を抱えながら自販機の前に立って暖かい飲み物をお金のある分だけ買った。でも…


『直接身体に当てると火傷する可能性があるから…、布…。今は深夜2時…この子の為に全てを尽くしたい…。』

誰かに見つかったら通報されるなど、リスクを考える時間がもったいないと考えた私は、来ていた洋服を脱ぎ、暖かい飲み物を包んで小さな女の子を全体的に温めた。


『頑張れ…頑張れ…。』

と思い続け、さらに声に出してこの子を救おうと必死にになった。

すると、小さな女の子の意識もはっきりとしてきた…ひとまずよかった…。身体が私と同じくらいになってきた。目も開いて元気になってきた。


…と、流石にそろそろ服を着ないと私が倒れちゃう…。洋服返してね。


大雨こころ

『洋服あったかい…。』

「暖かい飲み物あるけど、どれがいい⁇。選び放題だよ。」


小さな女の子

「助けてくれてありがとう…。ひぐ…ひぐ…

これがいい…。」


大雨こころ

「どうぞ。」


小さな女の子

「んく…んく…んく…ぷは。おいしい…。」


「身体がぽかぽかして幸せ…。」


大雨こころ

「どうして、橋の下にずっといたの?」

私は1番の疑問に思っていたことを聞かずにはいられなかった。


小さな女の子

「今日、お兄ちゃんの誕生日で、プレゼントを選びに街に向かう予定だっだんだけど途中で迷っちゃって、寒いし…今まであそこにいたの…。」


「何かあったらこの音楽流せばいいって教えて貰っていて…。これは若い人にしか聞こえないからすぐに警察を呼ぶことに繋がるとかなんとか…。」


大雨こころ

「だから、知っていたんだ…。警察じゃなくて私が来ちゃったけど助けられてよかった。」


「私は平均体温が高いから大丈夫だけど、寒くない⁇。」


小さな女の子

「大丈夫。お姉ちゃん優しい。」


大雨こころ

「ひとまず、病院に行った方がいいから両親に連絡したいんだけど番号知らない⁇」


小さな女の子

「私の家に帰りたい…。病院は怖いから嫌だ…。私を家まで連れて欲しい。」


大雨こころ

「分かる道があったら教えてね。」


そう言って、祭りを始めに楽しめたが今は、街灯しかない祭りの後の暗闇の中を歩き始めた。


『この子の知ってる道があればいいんだけど…。』


まずは大通り…そして、信号とか看板とか目立ってわかりやすい物のところを通って…。


大雨こころ

「どう⁇、何か覚えてる道がある⁇」


小さな女の子

「ここの道を入って…真っ直ぐ進んで……

………。」


大雨こころ

『細かい道を進んでいくんだ…流石にこれは迷うな…。』


小さな女の子

「ここ‼︎ここが私の家‼︎。ありがとう。お姉ちゃん。」


大雨こころ

『良かった…無事に家に帰せた…。」


ピンポーン

小さな女の子

「ただいま。」


小さな女の子のお母さん

「ありがとうございます。娘がいなくなっちゃって、警察の方にお願いしていたんですけど見つからなくて…本当にどうしようかと…。兄と父にもすぐに連絡しますね。」


………

………


小さな女の子のお父さん

「本当に…本当に…ありがとう。ありがとう…娘が無事で本当に…。ありがとう…。」


小さな女の子のお兄さん

「妹を助けてくれて本当に…ありがとう。」


大雨こころ

『お兄さんもお父さんも涙して…愛情深い家族で助けられて良かった。』


「いえいえ、私にできることをしただけです。私の洋服で暖かい格好をしてますが、道中でまた体温が下がってしまったかもしれないので、お風呂に入った方がいいかもしれないです…。」


小さな女の子のお父さん

「それだったら、君も一緒に入って温まりなさい。命の恩人の方に風邪をひいてほしくない。」


………

………


その提案に「急には……。」や、「申し訳ないです…。」といろいろ言ったが結局小さな女の子と入った。


……

……

小さな女の子のお父さん

「改めて本当に、つららを助けてくれてありがとうございます。」

………

家族みんなで私に向かって深々とお辞儀をしてきた。


大雨こころ

「頭を上げて下さい。私は私にできることをしたまでです。無事だったのは、娘さん自らが諦めず生き続けたいと願ったから今があるんです。」


「さらに、モスキートーンを使って若い人に助けを求めていたり、隠れていたり、娘さんの努力を誉めてあげて下さい。私は娘さんの生きたいっていう想いに応えただけですから。」


………

………


小さな女の子のお父さん

「住まいはどこかな⁇ご両親にもお礼を言いたいのだけれど…。」


大雨こころ

「実は………。」

私は両親の出会い方や尊敬する母親みたいになりたくて……。…。」

など、私について全てのことを話した。


「だから、訳ありの人で…すいません…。」


つららのお父さん

「だったら、俺達の家に住まないか。妹の命を助けてくれたお礼をしたいんだ。命を助けてくれたお礼がホストファミリーのような展開で申し訳ないが、どうだろうか。」


大雨こころ

「嬉しい…嬉しいですけど、いいんですか。家を見る限り、大きな庭があって桜の木もある…相当な人じゃないと立ち入れない場所では…。」


こんな大きな家に住める‼︎やったー‼︎

と、いう感情よりも豪邸のような真っ白な大きな家…本家としても大きすぎる家、喜ぶ感情よりも驚く感情しか出てこない…


つららのお父さん

「そんな大した家じゃないよ。ここって田舎だから安いだけだよ。あ、でも天気のいい日の夜は星が息を忘れるくらい綺麗に見れるよ。」


大雨こころ

「そ、そんな家に私も入っていいんですか…。」


つららのお父さん

「そんな言い方はしないでくれよ。俺も長男も母もあの時一生懸命探したけど、見つけられなかった…娘を見つけてくれて助けてくれた。」


「自分達の償い…じゃないけど、何かをさせてくれないか。お願いだ…何もできなかったからこそ…罪滅ぼしをしたいんだ。」


大雨こころ

「私を受け入れてくれて凄く嬉しいです。

つららちゃんの為に一生懸命探しに行っていたならつららちゃんも分かってくれると思いますよ。そんなに自分達を責めないで下さい。やれることを精一杯やったからこそ、思いが届いてつららちゃんが助かったと思いますし…。」


つららのお父さん

「そう言ってくれて本当にありがとう。今日からこころも家族だ。」


当初の目的であった駆け落ちとは違うかもしれない…でも、家を出て素敵な家族に巡り会えて私なりの駆け落ちをすることができて幸せです。

[母のようになりたい。]

目標は変わらないけど、私らしく私が決めた人生を歩んでいきたいと思います。


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