魔法使いの旅
「第4話天動説と地動説」
「ねぇ、サチ。どうして地球は回ってるんだろうね、僕からしたら地動説より天動説の方が理にかなっているように思えるんだ。でも何故だろう本能は地動説が正しいと声をあげて騒ぐんだ、不思議だね」
僕はサラリと髪の毛を手でほぐしながら言った。
「師匠、海が最果てまで続いてて最後には滝のように落ちてるとします。そしたらどうなりますか?」
「んー、僕には分からないや」
「人間は希望がなければ生きていけない。つまり宇宙があった方が資源が多いと思いませんか?」
サチは得意げに言って笑っていた。
「そういう話じゃないんだけどなー」
僕とサチは桜並木でお花見をしつつ春の良い香りを吸いつつお弁当を食べていた。
「だったら師匠はどんな世界だったら、いえどんな結末が良いですか?」
「そうだねー、結界みたいになってて結界を超えると星と星が行き来できて食べ物が豊富で緑豊かな、そして人々それも種族隔てなくすごせるハッピーな世界がいいなー」
「素敵ですね」
サチはクスクスと笑っていた。
僕たちの希望とは争いのない世界を作ることを考えるのが一番だと思う。
そんなことを考えている僕の頬を春一番の風がないでいくのだった。