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「2016.12月の感傷人格が書いたもの」

「壊された心が此処にあっても。」

作者: ちなつ。

 パパに殴られて。

 ママに髪の毛切られて。

 怒鳴り声に巻き込まれて、机の下で泣いていて。


 やってないのに傘盗んだっていじめられて。

 給食配ってもらえなくて。

 体操服に落書きされて。

 体育倉庫に隠れて泣いていて。


 学校いけなくなって。

 教室のドアの前で逃げ出して。

 駅のホームで泣いていて。


 心はボロボロに壊れてしまいました。

 体も傷ついたけど生物だから治りました。


 でも、いつまで経っても心が治らないのです。


 家族に壊された心。

 学校で壊された心。


 私を優しく抱く左目開かないおっさんがどれだけマシに見えてしまったことか。


 馬鹿馬鹿しい。

 嫌になる。


 私がこんな有様で生きていることを心のせいにしたって。

 こんな有様なのが虐待といじめのせいだと言ったって。


 心なんて目には見えないし、重さを測ることもできないし、数値にして示すことができないから。


「甘えてるよ、キミ」


 そんな言葉で片付けられる。


 ふざけんな。


 悪態ついても、何も変えられない。


 パパに殴られて、ママにも殴られて、学校でも殴られて。

 泣いて、泣いて、泣きはらして。

 私の心の何か大切なものが死んでしまった。


 おどおどしてるってよく言われる。

 自信がないように見えるってよく言われる。

 シャイなの?ってよく聞かれる。


 そうだけど、でも、違う。

 人間不信とまではいかないけど、さ。


 自分が壊れてしまっているから、背を伸ばして生きていられないだけ。

 同い年の子たちみたいに元気一杯生きられていないだけ。


 それだけの話。


 心を壊されたって。

 私の心が取り返しのつかないことになったって。

 別に奴らが罰を受けるようなことはない。

 車で事故って障害負わせたら罪になるのに。


 私を壊した連中は今日も何食わぬ顔で生きているのだろう。

 私は破綻した心に苦しんで生きた心地がしないまま生きているのに。

 私を壊した連中は私よりも人間らしく笑って、私よりも楽しい毎日を過ごして、私にしたことを覚えてすらもいないで、そうやって無責任に生きているのだろう。


 不公平だ。


 でも、どうすることもできない。


 復讐だって叫びながらナイフを向けても、私の心が数値で示せない限り、私の復讐はただの犯罪で片付けられてしまう。


 いじめられたって、虐待されたって、誰も助けてくれなかったくせに。

 私の復讐は見逃してもらえないんだ。


 壊された心が此処にあっても。

 頭おかしい子で終わってしまう。


 不公平。

 ふざけんな。

 ばーか。


 わかってくれる人なんてこの世界のどこを探してもいないんだろうけど、さ。


 

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