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天川学園オカルト研究会、発足いたしますっ!  作者: 長崎ぶんた
第一不思議、河童の沼
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 一方その頃……。 カエデとアヤメ

下手なところがあるかと思います。

修正点や感想があればお書きください。

 二人の新入部員を獲得した後、ボクは鼻歌交じりにスキップで職員室へと向かいました。

 用件はというと、ボクのクラスの担任教師であるナデシコ先生に新しく部を発足させるために必要な部活動申請書を持って行くのです。

 ナデシコ先生はストライプのスーツと眼鏡の似合う美人な女性で、モデルだと言われても納得してしまうほどの美貌を持っています。正直ドキドキします。


「失礼します、一年C組の土代カエデです。ナデシコ先生に用があって来ました」


 近くの先生から入室許可をもらい、ナデシコ先生の机を探します。ナデシコ先生の机は分かりやすいです。なぜなら、やたらとサボテンが多いですから。


「ナデシコ先生、部活動申請書持って来ました」

「はい、確かに受け取りました。……って、これ顧問の先生の名前がないじゃない」

「え! 本当ですか!」


 迂闊でした。部員を集めることに集中した結果顧問という初歩的な問題を忘れていたとは。

 ボクが青ざめていると、ナデシコ先生が優しく息を吐きながら肩を叩いてくれました。


「しょうがないから、先生が顧問を引き受けましょう」


 先生の後光が眩しかったです。思わず目を覆ってしまいました。仕事ができて綺麗で優しいとか完璧過ぎます。


「ところで、この部活ってどういうことをするのかしら。オカルト研究会だから、やっぱりオカルトについて研究するとか?」


 先生は黒いストッキングを履いた足を組み替えます。


「そうですね。一般的には部員間での情報交換が主でしょうが、ボクが考えているのはほかの生徒とも情報交換……といいますか情報公開をする事です」

「つまり、校内新聞のようなものを作るということかしら?」

「その通りです! でも、もっと具体的にいうと新聞というよりかは雑誌に近いかもしれないですね」


 ボクはそう言い、いつも携帯している愛読書のオカルト専門誌ヌーを提示します。ナデシコ先生はペラペラと数ページめくり、視線を上から下へと流しました。


「なるほどね、話題になっている噂話や怪現象の正体を暴いて他の生徒たちに紹介すると。そういうこと?」

「はい、概ね合っています」

「そう。じゃあ、やることが決まっているなら次は部室の確保ね。明日部員を集めて先生のところに来なさい、いくつか使っていない教室とかがあったと思うから皆でどこがいいか決めましょう」

「はい、わかりました!」


 ペコリと頭を下げたボクは職員室のドアへと向かいます。


「失礼しました」


 明日から楽しい日々が始まりそうです。 


 …………。


 私は彼のことを目で追っていた。でも、別にまだ好き……だとかそういうのじゃなくて、あくまで……そう! 久しぶりに姿を見たから元気かなぁとかそう思っていただけであって、他意はないんだから!


 そんなことを自分自身に言い聞かせていると遠くの方で彼の声が聞こえた。どうやら部活動の勧誘のようだった。勧誘しているのは小学生ぐらいの背丈をした男子。制服を着てなかったら小等部の生徒と見分けがつかない。


 その後もジッと監視……、健康状態の確認をしていると彼がペンを手にしてショウガクセイモドキの持つ紙に何かを書き始めた。恐らくはそこの部活動に入部することを決めたのだろう。


 彼が書き終わるとショウガクセイモドキはスキップしながらこちらへと向かってくる。私は壁に背をつき、死角になるよう隠れた。その甲斐あってか見つからずに済んだものの、ヤツを見失ってしまった。


 いやいやいや! 見つけてどうするのよ! 同じ部活に入部するつもり?


 頭を左右に振りながら自問するが、自答できなかった。

  

 …………。


 職員室からの帰り。下駄箱近くに不気味な人がおりました。それは頭を抱えて左右に振り回し、何か呟いているのです。きっと妖怪です、妖怪アタマフリマワシです。

 そんなことを考えていると気配を察知したのかアタマフリマワシはこちらに視線を向けました。

 よく見てみると妖怪の正体は新入生代表で挨拶をした日高アヤメさんでした。

 これはあの謎を解くチャンスです。

 ボクは考えるよりも早く、白紙の入部届をカバンから取り出しました。


「日高さん。オカルト研究会に入部しませんか?」


 日高さんはしばらくボケッとした表情をした後、沸騰したように顔を赤くしました。


「そ、それっ! イッイブ、イブキが入部した……」

「え? イブキさんですか? 確かに先ほど鉄火場さんと一緒に入部されましたよ」

「サクラも……。なら私、入部します!」


 日高さんは綺麗な字で名前を書くと、整えるように息を吐き入部届を渡してくれました。


「確かに受け取りました。早速なんですが明日って時間ありますかね?」

「大丈夫よ」

「では明日、放課後に教室まで伺いますので」


 ボクはペコリと頭を下げて、職員室へととんぼ返りするのでした。


 それにしてもすぐに入部を決めるなんて、日高さんは鉄火場さんのことが好きなようです。

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