月城イブキは夢を見る。
そう遠くない未来、人類は自らが生み出した人工知能を持つコンピュータ『エデン』の支配下にあった。
『エデン』が全人類の理性をコントロールし世界から犯罪の文字が消え、平和な世の中になったと思われた。だが、一部の人類はそれを良しとしておらず『エデン』に反抗するためのレジスタンスを結成する。
レジスタンスは順調に各システムを破壊、人類の勝利は目前……だったのだが。レジスタンスの本部に突如として現れた謎の生物。この世の生物とはかけ離れている蟷螂と蜘蛛を混合したような姿の怪物に戦意を喪失した数名のレジスタンスたちは戦線を離脱するも後方に構えていたもう一匹によって進路を断たれてしまう。
誰もが絶望を感じたときレジスタンスのリーダー、月城は歩を進めた。そして影のように黒い剣を召喚すると敵を目掛けて飛びかかる。
剣は抜刀と同時に黒い靄を吐き出し、狂気を窺わせた。
ひんやりと空気が凍り付く、その空気は全てが刃物のように周囲へと殺気をぶつける。
怪物はそれに過敏に反応したようで約一歩後退した。月城はその隙を見逃さなかった。
怪物の後ろ脚が下がるのと同時に地面を蹴る。その勢いに圧されてか怪物はもう一歩後ろへと下がる。それが生死を分けた一瞬であった。その隙を見逃さずに月城は喉を目掛けて刃を流す。黒のオーラを引きながら、刃が首を確実に捉え怪物の頭部を切り離した。
その様子を見た他のメンバーもそれぞれ武器を召喚、次々に現れる怪物を殲滅。
そして遂に敵の総本山、最終目的である『エデン』の下へと向かい最終決戦が始まる。
……月城イブキはそういう夢を見た。