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苦くない珈琲が飲みたい  作者: 夢呂
【第五章】多治大輔目線
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「おーっす、大輔!!」


突然部屋に押し掛けて来たのは、隣に住む同じアパートの住人の早瀬要(はやせかなめ)さん。

俺より2つ年上で、それだからなのか図々しさ半端ない。


「なんすか、早瀬さん」


「いや、今日はイイオンナがつかまらんくてな。仕方なくお前と飲んでやろうかと」


片手に持っていたお酒を見せるように挙げ、早瀬さんが笑う。すでになんだか酒臭い。


俺は、このパターンを知っている。


「あの…またフラレたんですか?」


「は?フラレてねーよ、こっちからフってやったんだ!」


(やっぱりか…―ー―)

この隣人は、なぜか彼女(オンナ)と別れる度に俺の部屋にやって来る。


「早瀬さん、声が大きいですよ」

夜9時過ぎは、色々と音に気を遣う。ここのアパートの壁が薄いからだ。


「んだよぉ、大輔!お前だって失恋ぐらいしたことあんだろ?」


酔っぱらいの早瀬さんが絡んでくる。


(失恋…)


「そりゃ…ありますよ」


「まぁ、呑めよ」

早瀬さんは勝手にキッチンからグラスを持ってきて、お酒をつぎだした。


「いや、俺は…―――」

(つうか、失恋話をしに来たんですよね?)


「おい、先輩の注いだ酒が飲めねぇのか」


「先輩…って」


「先輩だろ、人生の」


結局俺は、酔っぱらいの早瀬さんの注いだ酒を断りきれず、飲むことになったのだった。

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