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「生きてて良かったです!明日はカフェオレ買いに来てくれますか?」
返信が来て嬉しくて、私は少しだけ勇気を出す。
毎朝来てくれていたコーヒーショップに、多治さんは連絡先を交換した翌日から来てくれなくなっていたのだ。
しばらくして、また返信が来た。
「気が向いたら」
「気が向いてくださいよ。友達が待ってるんだから」
「友達?だれ?」
「私ですよ!私!」
「なんだ、君か。」
「明日のカフェオレには30%増量サービスしますよ?」
「え、何を?」
「私の愛情」
「いや、結構です(笑)」
「ひどぉい」
「おやすみ」
まるで会話しているような速さで、ここまで途切れずに会話ができた。だから突然話を打ち切られた気がして、私は寂しくなった。
「え、寝ちゃうんですか?まだ九時ですよ?」
「寝ちゃうんです。おやすみ」
(本当かなぁ…)
携帯電話の画面を…―――多治さんからの返信を、顔をしかめながら見つめる。
「おやすみなさい。また明日」
繋がったlineの会話がドキドキして楽しくて、私は終わりたくなかったけれど。しぶしぶそう返信した。
(多治さん、明日来るかなぁ。来ると良いなぁ…)
ベッドに潜り込んで、私は多治さんに会えることを祈りながら目を閉じた。