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苦くない珈琲が飲みたい  作者: 夢呂
【第四章】優木梨花目線
14/20

――――「運命」だって思った。根拠はない。理由だって無い。ただ、単純に…頭にそう浮かんだんだ。



多治さんに出逢ったのは三ヶ月ほど前だった。

それまで私は夕方からコーヒーショップでバイトをしていたんだけど、大学生のバイトの人が辞めてしまったとかで、その代わりとして朝の時間もシフトを入れるようになっていた。


朝はサラリーマンやOL、仕事に行く人の接客が主だった。

同じ仕事(バイト)内容のはずなのに、時間に追われている社会人の接客は、なんだかピリピリしていた。


「カフェオレ、ひとつ」

そんな時、彼からの注文を受けた。

のんびりした雰囲気の、癒し系な人。


(イイ人そうだなぁ…)

彼の第一印象は、そんな感じだったのを覚えている。


彼が毎朝うちのコーヒーショップに寄っていることに気が付いたのは、それから数日後のことだった。


(今日は疲れてるなぁ…)


(今日はなんか張り切ってるなぁ…)



毎朝毎朝顔に出ているから、それを見るのが楽しくて。

私は勝手に多治さんを観察しては癒されていた。



頼むのは、いつも「カフェオレ、ひとつ。」で。

目の前で、毎朝会話をしているのに、“私”のことは見えていなくて。


日に日に彼を思い出す頻度が増えていった時。


出逢ってしまったんだ…駅前の書店で。偶然。



だから私はやっぱり「運命」だと思った。

そして願ってしまった。

彼の瞳に“店員”ではなく“優木梨花”として映りたいと…――――。





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