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仕事を終えて、一人暮らしのアパートへと歩いて帰る。
(疲れた…あの業務を今日中とか鬼だろ…ーーー)
家に着くと、夜の10時。
(眠い…ーーー寝るか)
俺はそのままシャワーも浴びずに、疲れてベッドへ倒れ込むとそのまま夢の中に引き込まれていった。
▽▼▽▼▽▼▽▼▽▼▽
「大輔!」
(歩美?―――なんで…)
名前を呼ばれて振り返ると、セーラー服姿の歩美が仁王立ちで立っていた。
「昨日またサボったでしょ?委員会!」
「あぁ、ごめんごめん。」
「謝れば済むと思って!もぉ!」
ぷくっと頬を膨らませて怒るのが、可愛かった。
「来週こそは一緒に行ってよね?」
「はいはい…」
必死な歩美が可愛くてクスクス笑ってしまう。
(あー、あったな…こんな気持ち…ーーーー。)
…パリンッ…
(え…?――――歩美?)
高校時代の歩美の姿が、まるで鏡の中にいた存在のように、
割れた。
△▲△▲△▲△
――――目を覚まし、時計を見る。まだ朝の5時だった。
「あ…ゅみ?」
涙を流していた。あのときのように。
俺は顔を覆う。
歩美は、もういない。
分かっているのに、思い知らされた気分だ。
(久しぶりに、見たな…ーーーー歩美の夢…)