おまえは『繭(まゆ)』なのか?
思い立ったが末日。だっけか? ともかくまゆが精神的に疲れているなら早めに楽にさせたほうがいい。
多少荒療治になるのはわかっていたけど次の日の放課後。俺はいつもどおりの場所。屋上にまゆを呼び出すことにした。
考えてみれば、あいつがまゆになれるのはここぐらいのもんか。
教室や廊下、登下校中はおろか自分の家の中でさえこころを演じ続けないといけない。
想像しただけでも嫌気が差した。あんな大人しそうなのの真似なんて死んでもごめんだ。
でも、あいつはそんなことを続けてるわけか……。
「とーもや。お待たせ。話があるって言ってたけど、なんだったの?」
屋上に姿を見せたまゆは、若干浮かれ気分なように見えた。いや、実際浮かれ気分なんだと思う。なに一つ自分を偽らなくてもいい、本当の意味で気を許せる相手。うぬぼれかもしれないけど、まゆはたぶん、俺をそんな風に思ってくれている。
それ自体は嬉しいし、最高の気分なんだけど……。
「まゆ、おまえさ。前に俺と一緒に田舎に行ったとき、じじいやばばあがやせ我慢してるのに気づいてただろ」
「気づいてた……けど、それがどうかしたの?」
「あの後、こっちに帰ってきてからもずっと考えてたんだよ。あの老いぼれどもをこのまま二人暮しさせててもいいのかって。でもようやく決心がついた。やっぱさ、じいさんたちのところに帰るわ」
「えっ……」
まゆは、言葉を失っているみたいだった。目を見開き、呼吸すら忘れているような。
「か、帰るってずっとってこと? 里帰りとかじゃなくて、向こうで暮らすってこと? もう会えないってこと?」
「ちょ、ちょっと待て。落ち着けよまゆ。らしくねえぞ。おまえはもっとふんぞり返って偉そうな――」
「なんで!」
両腕を強く握り締め、まゆは渾身の力を込めた大声を屋上に響かせる。誰かに聞かれたら、人に見られたら。そんなことを気にする余裕は全くないようで、
「なんで! どうしてそんなこと言うの! どうしてそんなことが言えるの! どうして私を……一人ぼっちに出来るの……」
ただただ、悲痛な叫びを周囲に響かせ続けていた。
胸が痛かった。心臓も、皮膚も、耳も。
まゆの叫びが刃のように身体中に突き刺さってきて、それが……痛い。
「…………」
わかってはいた。こんなことを言えばまゆがショックを受けるのは当たり前だって。
俺だって、本当は嫌に決まってる。でも、たとえ無理やりだろうと言い聞かせるしかなかった。
「まゆ、わかれよ。じじいたちにとっても俺にとっても、他でもないおまえ自身にとっても、これが一番いい方法なんだから、な」
「何が! 何で! どこが一番いい方法なの! わかんないよ、智也が言ってること全然わかんない! ひょっとして、嫌いだから? 私が悪口や憎まれ口ばかり言ってたから、だから私のことが嫌いになって、それで」
「……っ。違げぇよ馬鹿!」
ああもうっ、もうどうにでもなれだ。
「嘘! 嫌いだからなんでしょ! 私の事が嫌いで、どうでもいいって思って……!」
まゆの腕を引っ張って、背中に手を当てて、思いきり自分のほうに抱き寄せる。
口を押さえられた上に身動きがとれないせいか、「んーんーんーんー」騒ぎ立てていたけど、そのうちに観念したのかまゆは抵抗するのをやめてくれた。
それでも、俺はまゆを離さないままでいた。強く強く抱き寄せて、押さえつけて、息苦しくなってもずっと。ずっと。
こんなことをしても別れが辛くなるだけ。頭ではそれがわかっていても、身体はぜんぜん言うことを聞いてくれなかった。離したくない。ずっと一緒にいたい。
欲望ばかりがとめどなくあふれてきて、自分自身でも歯止めが利かなくなっていた。
まゆの口をふさいで、たっぷり数十秒の時間が流れて、ゆっくりと唇を離す。
心臓が異常なほど波打っているのがわかった。胸がむちゃくちゃにざわついていて、呼吸さえまともにすることが出来ない。
「こ、これでわかったかよ。俺がてめえをどう思ってるかが。いいか、今度どうでもいいとか嫌いだからとか言ってみろ。次は、本気で呼吸出来なくしてやるからな」
顔がめちゃくちゃに熱い。たぶん、自分で見たら笑っちまうぐらい真っ赤になってると思う。
まゆは、こくん。と頷きながら自分の唇に指先を当てて、何度もまばたきを繰り返していた。突然の出来事のせいで、頭の中が混乱してるのかもしれない。
「あっ……」
もう一度まゆの手を掴んで、あらためて俺のほうに抱き寄せる。
柔らかなシャンプーの香りが鼻をくすぐって、それがたまらなく気持ちよかった。
「と、智也。あの、」
「うるせえ、喋るな。てめえの涙交じりの声なんて聞きたかねえ」
「……うん」
まゆの声は震えていた。
こころがいなくなったことを俺に伝えたときも、田舎で、こころとの結合を実感したときも一滴の涙すら流さなかったくせに、まゆは瞳から溢れ出てくるものを抑えようとも、我慢しようともしていなかった。
「とにかく黙って聞け。いいかまゆ、おまえが俺を頼ってくれるのは嬉しいよ。秘密を共有したり、俺にだけ心を開いてくれたり、笑いかけてくれたり。全部が全部本当に嬉しくて、たまんなくて……でも、そんなのは本当のおまえじゃないだろ。こころがいなくなった寂しさや辛さ、苦しさを俺を使って誤魔化したいだけ。俺だけがおまえを、まゆのことを知ってるから。違うか?」
特別な相手。秘密を打ち明けられる相手。そういう相手がいてもいいとは思う。隠しごとをするななんて偉そうなことを言うつもりはないし、言う資格もない。
ただ、まゆの場合は少し度が過ぎているように思う。秘密を抱えているから苦しんでいるのに、責任感や義務感を言い訳に使ってまで他人との関わりを絶とうとして、そうして、今の自分を正当化し続けている。
「頼れるものが他にないから依存する。嫌われたくなくて、だからそいつに自分の全てを使って尽くそうとする。まゆ、おまえさ。死人に縛られて、今度は俺にまで縛られて、いつまで同じことを繰り返すつもりだよ」
「私は縛られているなんて思ってるわけじゃ……それに、もしかしたらこころが帰ってくる可能性も――」
「……っ」
かっとなって、思わず抱き寄せていた身体を引き離す。
「いい加減にしろよてめえ。こころはもういねえんだよ。会いたくても二度と会えないし、都合のいい奇跡が起きるわけでもない。現実から目を逸らしてんじゃねえよ。死んだ、消えたってのを受け入れて、自分が誰かをしっかり考えろ!」
肩をぎゅっと掴んで、夜闇のような瞳をじっと覗き込む。返答に困ったのかこの場から逃げ出したいのか、まゆは何度も視線をそらそうとする。
でも、逃がしてやるつもりはない。
けじめをつけなきゃいけないから。自覚させないといけないから。
それにまゆと一緒にいられる時間はあとわずかなんだから一分一秒、一瞬でも長くこいつに触れていたかった。
「答えろよ。おまえは『繭』なのか? こころが、自分が羽化するためだけに作り出した外見なのか? 他の誰よりも大好きで、尊敬していて、わずかでも名誉を傷つけたくない。おまえがそこまで思うほどの相手が、こころが、そんなひどいことをするためにおまえを産み落としたなんて、本気でそう思ってんのかよ!」
「……っ」
違うって、まゆは大声を上げてそう否定したかったのかもしれない。でも、そうやって噛み付いてはこなかった。代わりに肩にかかっていた俺の手を払い、瞳から溢れ出ていた涙を手の甲で拭う。そうして、大きな深呼吸。
「……智也は、私に何をさせたいの」
俺を睨みつけたまま、まゆは荒い呼吸を繰り返していた。放っておいたら感情が爆発してさっきみたいに取り乱しかねないから、怒りで頭を満たして気持ちを誤魔化している。ひょっとしたら、そんな状態なのかもしれない。
「頼れるものが他にないから依存する。死人に縛られたまま、いつまでも同じ事を繰り返す。そう言って私のやってること、やってきたこと全てを否定して、智也は私に何をさせたいの? どうして欲しいって言うの?」
どうして欲しいって、そんなものは決まってる。でも、正直言えばその言葉を言いたくはなかった。まゆを独占したい。まゆの秘密を自分だけが知っていたい。
そんな欲望が、頭の中をぐるぐると渦巻いていたからだ。でも、
「おまえがこころじゃないってことを、まゆだっていうのを家族やクラスの奴らに話せ」
言った。本当は絶対に嫌だったけど、まゆのためにはこれが最善だと思ったから。
「なっ。そ、そんなの出来るわけないでしょ。第一、そんなことを言っても信じてもらえるわけないし、こころを珍しい生き物や腫れ物扱いされるのは――」
「こころを、じゃないだろ。自分が嫌だって思うことの言い訳にまでこころを使うな」
「つ、使うってそんなつもりで言ったんじゃ……そ、それにね」
「てめえをからかうような馬鹿は俺がぶっ飛ばす。ごちゃごちゃ言うようなら殴りつけて黙らせる」
「えっ?」
「なんだよ、なに硬直してやがる。なにかおかしなこと言ったか?」
「う、ううん。そうじゃなくて……あ、あ! そうだ。智也、近いうちに田舎に戻るって言っていたでしょ。そのつもりなら、今の話は無理があるんじゃないかなって」
「あーたしかにそうだな。そうなるとおまえのことを頼めそうな奴。ああ、親友女。ほら、なんて名前だっけ。ま、ま、」
「真奈美?」
「そうそう。そいつだ、真奈美! あいつなら良い奴だし、事情を説明すれば絶対わかってくれるだろ。よし、決まりだな。まずはあいつにおまえのことを話して、おまえを守ってくれるように頼んでおこう」
「……智也、相変わらず強引。でも、守るとかそういう意味なら男の子に打ち明けた方がいいんじゃない?」
「あ? 馬鹿か。良いわけねえだろ」
「なんで?」
「まゆが俺以外の男と親しくしてるところなんざ見たくねえ」
「ふふ、そうなんだ」
「当たり前だろ馬鹿。……なんでそんなに嬉しそうなんだよ」
「べつに、なんでもないよ。それより一つ聞いていい? 智也が田舎に帰る理由。おじいさんたちのためって言うのは身体の事を心配して。私のためって言うのは私が智也に依存しかけているから。それはわかったけど、智也自身のためって言うのは?」
「あ? そんなのおまえに話す必要ねえだろ」
きょとんとした表情を見せた後、まゆが小さな笑みを浮かべる。
その仕草を懐かしく思う反面、なんとなく嫌な予感がした。まゆのこの笑い方は、俺を追い詰めるときの笑い方だ。
「それはフェアでないんじゃない? 私に対しては偉そうに説教したりコンプレックスをいたずらに刺激したりしてきたのに、自分は関係ないなんて言葉で言い逃れしようとするなんて」
「……っ。うるせ――」
大声を上げようとして、思わず足がふらついた。
視界が急にぼやついて、立つことすらままならなくなる。
貧血? 嘘だろ。なんでこんな、訳のわかんねえタイミングで。薬、飲み忘れたか?
「ちょ、智也。大丈夫!?」
「なんでもね。ちょっと目眩がしただけ……」
「薬! 智也の鞄の中よね! 待ってて、すぐに持ってきてあげるから」
「いいよ、余計なことすんな。前にくらべりゃ全然楽だから、ちょっと座って身体を休めればすぐに……いねえよ、あの馬鹿」
昇降口に目を向けると、階段を全速力で駆け下りていく音が響き渡っていた。
とても優等生様のやることとは思えねえな。
妙な肌寒さに肩を震わせながら、屋上にごろんと寝転がる。すさまじく気分が悪いけど、頼れる相手がいるってのは悪くない。
でも……だからこそなんだよな。まゆはいい奴だから。その上、どうしようもなく好きな奴だから、そのせいで甘えたくなっちまう。まゆじゃないけど、依存したくなっちまう。
「智也! まだ生きてるわよね! ほら、薬! 水! 飲んで。そうしたらすぐに楽になると思うから。と、そうだ。こんな場所で寝てたら身体に悪いし、とりあえず保健室に移動しよう。ほら智也、立てる? 肩を貸そうか? あんまり力がないから、役に立てるかわかんないけど」
ちょっとふらついただけなのにまゆはこれ以上ないくらい一生懸命で、それがあまりにも似合わなさすぎて、思わずぷっと噴き出してしまう。
「いや、もう大丈夫。だいぶ楽になったよ。さんきゅうな。それよりまゆ。おまえさ、いくらなんでも態度が変わりすぎだろ。前に俺を介抱したときは、瀕死の俺を踏みつけて優越感に浸るのが楽しいとか言ってたくせに」
「な、何をしようと私の勝手でしょ。それに、心配しちゃいけないって言うの?」
「そうゆうわけじゃねえけど、でもやっぱおまえらしくないって言うかさ」
「だから私らしくを智也が勝手に決めないで。でもそうか。前みたいのが智也の好みなんだ。いいよ。私も、べたべた引っ付くよりああいうのの方が好きだからさ」
そう言って、まゆは初めて知り合ったころのような固いものに表情を変化させる。唯一違うのは、口元だけがにこやかに微笑んでる点だ。
「あ? てめえなに企んで――ぐっ」
声を発し終わるより先、靴を脱いでまゆが腹を踏みつけてきやがった。
「うるさいわよこのM。ようはこうされるのが嬉しいんでしょ」
「痛っ、嬉しいわけねえだろ。この馬鹿! とっとと足を退けろ」
「なんで? 尽くしたり依存されたりするのは嫌なんでしょ? だったら何の問題もないじゃない」
踏みつけてくる足に更に体重がかかる。あんまり重たくはないけど、踏まれてる場所が腹なだけに苦しくてしょうがない。
「も、元に戻れとは言ったけど、いくらなんでも豹変しすぎだろてめえ」
「キャラが違うだの豹変しすぎだの、つべこべつべこべ。そんなことより田舎に帰る理由、智也自身のためって言うのはどういう意味なの? 大人しく話してくれたら、もう少し力を入れて踏んであげてもいいけど」
「交換条件にすらなってねえよ」
むぎゅ。
「踏むな! 話すから」
まゆの足を無理やりどかすと、まだ少しだけくらくらする頭を押さえながら身体を起こす。
「で、何でなの?」
「うるせ、ぐたぐだ言って急かすな。あー……ようするに、けじめとか決別をつけたいってこと。あの母親との関係に」
「……? 智也、悪いけど日本語で喋ってくれる?」
「日本語だ、全部! えーっとな。あのアパートは元々母親が暮らしてた場所なんだよ。何年ぐらいかは知らねえけど、結構長い間使ってたんだと思う。で、生活臭って言うのか? そういうのが染み付いてるような気がして、認めたくねえけど落ち着くんだよな。あの家にいると。それにあそこで暮らしてればいつかあの女が帰ってくるかもしれない。もちろん実際に帰ってきたらぶち切れるだろうけど、それでも帰ってきて欲しいって願望があって、」
『まさか智君まで私と同じ病気を患っていたなんて、でも大丈夫。これからはお母さんがずーっと一緒にいてあげるから』
思い出したのは東京に越してきてすぐの記憶。
母親の、あの女の甘い言葉を信じてまんまと騙されちまった馬鹿の記憶。今でももしかしたらって淡い期待を抱き、母親の香りが残るアパートに居座り続けているガキの記憶。
「自分の意思で断ち切る事が出来ないから荒療治をするってこと? こんなものを未練ったらしく持ち続けているあたり、だいぶ根の深い問題の気がするけど」
そう言って、まゆはいつか手渡した折りたたみの傘を軽く上下に振るう。って、
「待てよ。なんでてめえ、その傘があの女から貰ったものだってことを――」
「ああ、やっぱりそうなんだ」
「……てめっ、カマかけやがったな」
「まあね。でも当てずっぽうってわけじゃないよ。物持ちの悪い智也が折り畳み傘なんかを肌身離さず持ち歩いていた理由。確証はなかったけど、なんとなくそんなものだろうって予想はついてたから」
「……っ。もう返せよそれ。いい加減未練たらしくてうっとうしいし、ごみにでも出して燃やしてやる」
「だーめ。折り畳み傘は粗大ごみだし、智也にとっては苦い記憶のものかもしれないけど、私にとっては違うもの。いらないって言うなら私が貰います。文句はないわよね?」
「あ? そりゃ捨てるつもりだったものだし別に……」
別にどうしようと構わない。そう言おうと思ったのに、妙に、頭の中に引っかかるものがあった。釈然としない。すっきりとしない、取っ掛かり。
「どうしたの?」
「うっせ。やっぱ返せ。元々俺のものだし、預けとく理由がねえ。ほら、おまえの『タカラモノ』と交換してやっから」
ポケットから例の折り畳み式のナイフを取り出し、まゆに手渡す。渡しても大丈夫か? という不安が残っていないわけじゃないが、以前に比べたらだいぶ安定してるように見えるから、たぶん問題ないだろう。
「絶対に捨てたり燃やしたりしない。粗末に扱わないって約束出来る?」
「あ? しつけえな。わかったよ、約束してやっから」
「うん。なら返してあげる。いずれにせよ、智也には捨てるなんて無理だと思うけど」
「どういう意味だよ。ま、いいや。それよかまゆ、いいんだよな。真奈美って奴に。いや、みんなにおまえのことを打ち明けるって話」
「嫌だってぐずったら止めさせてくれる? 智也も、田舎に帰るのを考え直したりしてくれる?」
「ん、それは」
すぐに返事を返すことが出来なかったのは、迷いがあったからだ。頭の中ではどうすればいいかわかってるくせに、心のどこかが、それを認めようとしないでいる。嫌だ。と、小さな声を上げ続けている。
「ごめん、今の質問はちょっと卑怯だったね。智也は私を思って言ってくれているのに、また、好意に甘えようとしてた」
両方の目を閉じて、ぐぐぐっと拳に力を込めて、まゆは「うんっ」と大きく頷いて見せる。
「もう大丈夫。決めたよ、覚悟。これから真奈美に本当のことを話しに行くね」
「これから? おまっ、いくらなんでもそれは早すぎだろ。時間が全くないってわけじゃないんだから、そこまで急がなくても」
「いいの、もう決めたんだから。下手に時間をかけたりしても、気持ちが揺らぐだけだもの。ほら、ことわざにもあるでしょ。思い立ったが吉日って」
「きち? あ、あーあーあーそうだそうだ吉日だ吉日」
「……? そうだけど、何をあーあー騒いでいるの?」