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新入部員は不良っぽい!? 1

宮本「前書きに出番が来たと思ったら本編に出番がないだと!

   どういうことだ!?」

駒人「前回のあらすじしてくださいよ!」

 5月も中頃に差し掛かり、だいぶ学校生活に余裕と居場所が出来た今日この頃。

 今年は梅雨が遅いのか、まだポカポカ陽気が続いている。そう感じるのは俺だけだろうか。

 

 とはいってもウチの部室は校庭の隅のほうにあるわけで、木陰になっているから少し涼しい。

 これが冬だと寒そうだろうな、という考えに至ってしまい背筋がブルっと震えた。暖房器具も調達せねばなるまい。

 

 閑話休題。

 

 ピクニック以来目立った活動をしていないので、部室の扉のプレートは【部!!】のままである。

 では何をしているかというと、カスミは校内を走り回って好奇心を刺激する出来事を探し回っているらしいし、俺は桂木に宿題を教えるかボードゲームをするだけ。とにかく遊んでいるに等しかった。



 

 もちろん今日も同様である。


「あぁーっ! 宿題多すぎだろぉ! もう駒人やっちゃってくれ!」

「自分でやれ。俺だって自分ので手一杯だっての」

「嘘付け! 堂々とマンガ読んでるだろ!」

 

 毎日こんなやりとりが続くと少々、というか結構マンネリである。

 もっとイベントに事欠かないような部活だと思っていたのだが。

 そもそも部長がほとんど部室にいないってどうよ。


「後一人くらい部員が増えれば賑やかだろうがなぁ……」

 ポツリ、と呟いてみる。

 



「そうと決まればさっそく部員捜しに行くわよ!」

「ぬぉっ!?」


 ロフトから飛び降り叫んだのは、カスミだった。ずっといたのかよ……。


「部員が増えればもっと出来ることも増えるしね! 先生入れて5人だから、バスケもできるしあれもこれも――――」

「ちょい待て。もう部活勧誘期間は終わったぞ? どうやって部員を集めるつもりだ」

「もちろん引っこ抜きよ。ヘッドハンティング、頭狩りよ」

 

 物騒な言葉を並べながらカスミは嬉しそうに未来設計している。

 

「引っこ抜き、ということは幽霊部員を中心に集めるのか?」

「そういうことになるわね」

「幽霊部員でもいいのか?」

「だーかーらー、いわくつきの幽霊部員を捜せばいいのよ。

 入りたい部活は無かったけど、仕方なく校則に従って入部した、みたいな?」

 

 そんなの無理っぽくない? みたいな? 


「あてはあるのか?」

「ないけど、それが面白いのよ。ヒントは少ない方が達成したときの喜びは大きいの!」


 急に活き活きとしだしたカスミはそう言い残すと、颯爽と部室を飛び出していった。


「あ。アンタ達もやるのよ!」

 

 ご丁寧に忠告まで残して。




 【新入部員はワルっぽい?  1】

 


 

「んで、どうする?」

「俺は宿題あるんだって。ホラ、駒人も行って来たら?」

「チッ」


 桂木に部室を追い出され、俺はあてもなく校舎内をふらついていた。

 冗談半分で呟いたのだが、本気で探す羽目になるとは思わなかった。今度からロフトに気をつけねば。

 そもそもロフトで仮眠をとっていると誰が考えようか。いや、俺もときどき使うけれども。

 


 しかし、どうしようか……。

 そうそう簡単に基準をクリアした生徒と出合えるとは思えない。そもそもこの時期で幽霊部員なのに校舎に残ってる、という生徒って不良とかじゃないのか? と、ちょっと怖い考えに至る。

 

 仕方ないが、その辺りのギリギリにも勧誘を仕掛けてみるか、と俺はそういう輩が集まりそうな場所へと足を運ぶことにした。


 ◇◇◇


 体育館裏である。やはり不良は体育館裏、というイメージが強いからだ。

 そして予想通りそういう輩はいた。


 両手使ってちょうど数えられるくらいには。


「おいテメェ……なんか用か? アァ?」

 

 さっそく囲まれてしまった。一瞬だった。ちょっと顔を出した瞬間にこうだ。

 だが大丈夫。不良っていうのはなかなかどうして良いヤツが多いから丁寧に説明すれば見逃して貰えるはずだ。

 

「実は――――――――でして……」

「舐めてんのか!? オォ!?」

 

 チッ、最近の不良はどうしてこうも悪くなっちまったんだ! お父さん悲しいぞ!

 作戦は失敗だ。こうなったら素直に逃げよう。無益な争いはしたくない。


「いや、駄目ならいいですよ。失礼しました」

 

 ニコニコ笑顔を絶やさず退散を謀る。言っておくが、俺は喧嘩は強くない。


「オイチョット待てや。俺らの時間ムダにして、ただで帰れると思うなよ?」

 

 なんやこいつら! 悪徳業者もビックリやで! ホンマかなんわ!

 取り巻きも手をこねくり回しながらどんどんと迫ってくる。

 すわタコ殴りか!? と体を強ばらせた時、だった。


「待ちな! アンタら無茶苦茶やってんじゃないよ!」

 

 その女神のような声は飛んできた。

 女性の声だった。

 凛々しくたくましい声だった。

 

 びっくりして俺や不良達は声のするほうを振り向く。

 そこにいたのは女子生徒だった。


 きりっとした目、すらっとした肢体、前髪のほうだけ薄い金に染まったポニーテール。

 そして一番の特徴は、ロングスカートだ。映画とか漫画にでてきそうなスケバンがはいているくらいの制服のスカート。まさにスケバンだった。

 身長は俺と同じくらいだが、その威圧的なみためが身長をさらに補正しているようなそんな出で立ちだった。

 

「チッ、来やがったかっ! お前ら逃げるぞ!」

『ラジャー!』


 突如現れたスケバン女子生徒を見るなり、不良どもは我先に体育館裏から去っていった。

 な、なんだなんだ? 


「ナニガオコッテルッテイウンダー!」

「せっかく助けてあげたのに……なんなのアナタ」

「すんません調子こきました」

 

 やれやれ、といった風にそのスケバン女子生徒肩を竦めると、

「もうあーゆうのとは関わるな、いいな」

 と言い残し去っていった。

 

 呼び止める暇も、名前を聞く暇すらも無かった。

 

 結局俺はなんだかスッキリしない終わり方とモヤモヤに苛まされつつ、校舎をまた歩き出した。

 察しがいい人はもう気づいているでしょうが、新キャラが出ます。

 

 10日更新は章が変わるとやっぱり達成できませんね……。話をまとめて書くのが遅くなってしまいます。すいません。

 

 では次回も、心の片隅でご期待ください。

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