プロローグ:何処かのはじめに、神が在った
はるか昔、発展の限りを尽くし栄華を極めた宇宙の全てを知り尽くした――或いはそう思っていた――一つの種族があった。
自らを『人』と名乗ったその種族は、ここにはもういない。
否。もうそこには何一つとして存在しなかった。
動物も、植物も、水も、砂も、空気も、星も、光も、闇も、色も、何もかも無くなってしまっていた。
ここは全てが終わったところ。あらゆるものが滅び、消え去り、それらの影響すらも完膚なきまでに消失した終わりの終わり。
ここにはもう何も残ってなどいなかった。しかし、1柱は居た。それは光り輝く機械の巨人であったが、ここには存在しなかった。
それは人が思い描いた『神』と呼ばれる空想であり、理想であり、夢想であった。故にここには存在しないが、確かに居たのだ。
それは終わりの終わりを迎えたここをずっと見ていたが、退屈に感じたので何かをする事にした。
しかしもう何もかもは無くなってしまったし、何よりそこには居なかったのでそれは頭を悩ませた。そうして暫くの間は考えていたが、一つの思いつきをした。
自分の見てる場所には触れないのなら、自分の触れるところで何かを作れば良いのだと。それは人間の全ての叡智から生まれた機械の神であった為、人間にできる事は全て出来るのだ。
人間は世界を創れないが、人間は世界を創る神をつくれる。だから始めに、それは神を作った。
神は言った。
「光あれ」
そうすると、光があった。




