有知は罪
【9月8日(土)午前7:00】
「もういい加減にしてよ!私もみんなと遊びたいのにっ!ふんっ!もうしらないっ!」
私はみんなから無視されて、ついに大人気なくキレてしまった。
だって今はもうすぐ7歳のガキンチョだもの。
「本当にごめん!明日なら遊べるんだけど、今日はちょっと先生の手伝いがあるんだ·····」
「私は限定スイーツを買いに行くから·····ごめん!」
「ソフィ、気を悪くしないでほしいわ·····本当にたまたま私たちの予定が被っちゃったのよ」
「うんうん·····わたしもソフィちゃんとあそべなくてかなしい·····」
「エビちゃんは?」
「わかんない、さっき街の外に行ったよ?」
「むうぅ·····」
みんなどうしちゃったんだろ·····
なんか、よそよそしい態度だし、妙に避けられてる気がする·····
私の絡み方がウザくなっちゃって嫌われたのかな·····
「·····わかったよ、私は部屋でダラダラしてるね」
『『うん、じゃあ行ってきます!』』
「いってらっしゃーい·····」
私は秘密基地のソファーに腰掛けながらみんなを見送った。
◇
「よし、行動開始っと」
私はみんながディメンションルームから完全に出たのを確認して、私も急いで着替えてディメンションルームから出た。
私も我慢の限界だ、さすがにみんなの行動は怪しすぎるから今日こそは何をしてるのか突き止めてやる。
「よっと、そいっ、はっ!」
私は寮の部屋の小さいベランダに出ると、私の身体能力(※魔法サポートあり)を駆使して上の部屋のベランダにジャンプして飛び移る。
ちなみに私の部屋の上はウナちゃんの部屋なので問題ない。
そして勢いにまかせて私はウナちゃんの部屋の上に飛び乗った。
この寮は3階建て、つまりウナちゃんの部屋の上は屋上なのだ。
「さて、みんなは·····いた」
普通なら見えないだろうが、私の目にはしっかりとみんなが見えている。
さすがに複眼みたいに複数の景色を見るのは無理なので、フィーロ君の居場所のみを見て·····
「ちっ····· ちょこまかと動いて·····」
私の超遠視魔法『千里眼』は一見万能にみえるが、何個か欠点がある。
そのうちの一つが、俊敏に動けないという物だ。
というのも、この魔法は光を屈折・増幅させて私の所まで届けるという仕組みなので、どうしても光の取り込み口を動かすのに時間が掛かってしまう。
というか、俊敏に動かすと酔うし、視界が安定しなくなるのでゆっくりとしか動かせないのだ。
あと、千里眼の取り込み口は動きはそこそこ早いんだけど、それは直線移動の場合であって曲線移動とかになるとかなり遅くなるという欠点がある。
だからフィーロ君みたいに物陰に隠れてちょこまかと動くと·····
「あー!!もう!見えないっ!!」
千里眼でも見えなくなるのだ。
更に、私の魔力レーダーだとフィーロ君程度の魔力だと人混みに紛れてしまって混線して分からなくなってしまう。
めちゃくちゃ頑張ればみえるんだけど、遮蔽物の多い街中だとまず無理だ。
·····となると、方法は1つしかない。
「はぁ·····『ステルス』」
私は光をねじ曲げて姿を消す光学魔法『ハイディング』と自作空間・精神魔法の『認識阻害』と、空気の振動を風魔法で抑える『サイレント』を組み合わせた複合魔法『ステルス』を発動し、周囲から完全に姿を消した。
「さてと、行きますか」
私は前に森で使った飛翔魔法の応用技『行動アシスト』を使って、寮の屋根から弾丸の如き勢いで飛び出し、コソコソ動くフィーロ君のところまでピョンピョンと屋根と屋根を飛び跳ねるように移動しながら向かって行った。
◇
「居た·····」
屋根を伝って走ると、なんか忍者とか暗殺者になった気分になるよね!
それはいいとして、私はフィーロ君の動きを屋根の上から監視している。
「さささっ····· ちらっ·····」
相変わらずフィーロ君の動きは何かから、たぶん私の追跡から逃れるための動きをしている。
·····が、屋根の上から見ている私には丸見えだ。
「よし····· いまだっ」
何のタイミングかは知らないが、フィーロ君は物陰からコソコソと移動して·····
「ん?なんだろあのお店」
フィーロ君はお店の中に入っていった。
さすがにお店の中に入られると『ステルス』でもバレる危険性があるので、私は次の手段を使った。
「·····といっても『千里眼』だけどね」
私は千里眼の力で室内に侵入すると、何個か個室があるお店ということが分かった。
ふむふむ?
なんか、前世のカラオケボックスみたいだな·····
とか考えていたら、誰かの声が聞こえてきた。
そうそう、この『千里眼』にも細かい修正や改良は常に加えていて、前に使ってた『盗聴』という魔法も組み込んであるのだ。
なので、どの部屋にフィーロ君が居るのか耳を澄まして聞いていると·····
『·····の部··········で合っ·····』
『う·····、·····が·····フィ·····んの·····ィー会·····だ·····』
『飾·····けの·····画は·····って·····わよね』
『·····ん!みん·····頼ん·····物は··········来た·····!』
『わた·····も!ウェ·····と一緒·····買って来·····よ!』
ん?
フィーロ君の声の他に、アルムちゃん、グラちゃん、ウナ&ウェアちゃんの声が聞こえる?
「あった、この部屋だ」
私はみんなの声がする部屋のドアの隙間から侵入すると·····
『ウナちゃんはそっち持ってて!ウェアちゃんはその反対をお願い!』
『『りょーかいっ!』』
『アルム、お菓子をつまみ食いしたわね?』
『ししししてないよ!!』
『アルムちゃん!マジックバッグからアレ取り出して真ん中に飾り付けて!』
『おっけ!まっててねー!』
部屋の中ではみんながワチャワチャと慌ただしく動いていて、何やら作業をしていた。
そしてアルムちゃんが、私がフィーロ君にあげたマジックバッグから何か文字が書かれた布を取り出して、ウナ&ウェアちゃんが抑えてる飾りの真ん中に広げて·····
「·····私のアホ」
千里眼を解除した。
私って、ほんとバカだ·····
「みんな、酷いこと言ってごめんね」
私は屋根の上でみんなに謝ると、ディメンションルームへのゲートを展開してその場で帰ってしまった。
◇
「よし、こんなもんかな」
部屋に帰ってきた私は、私宛にメモを書いていた。
はぁ、私ってほんとバカ·····
「この魔法使うのちょっと怖いなぁ····· でもこれは私への罰····· ふぅ·····『アムネシア』」
そして、私は自分に対して、指定した期間の記憶を完全に失わせる危険な魔法を
◇
「もういい加減にしてよ!私もみんなと遊びたいのにっ!ふんっ!もうしらないっ!」
私は怒っていた。
最近みんなの私に対する態度が冷たいし、避けている気がしたからだ。
とうとう我慢の限界になった私は、秘密基地に集まってたみんなに対して怒って·····
「あれ?みんなは?なんで私は自分の部屋に?」
誰かに気絶させられた?
となると、ウナちゃんズの仕業·····?
くそー·····
こうなったら街に出てみんなを探し出して問い詰めてやる!
そうとなれば着替えて、街へ·····
「あれ?机の上にメモ?」
みんなを探しに行こうとしていた私は、机の上に1枚の紙切れが乗っていることに気がついた。
なになに·····
◇
私へ
これを読んでいるとき、私は記憶を失って今朝の段階まで記憶が戻っていて、みんなに対して怒ろうとしているはずだ
そして、みんなが居ないことに気がついて、見つけてやろうと考えているだろう
『今日はもう何もしないで』
私は自分の手で記憶を消した
もし行動しても、きっと記憶を消すだろう
聡い私なら、諦めてくれると信じてこのメモを遺します
私より
◇
「あー····· そういう事ね、全部理解しちゃったわ、前の私は仕事が甘いよ····· これじゃあ何があったかわかっちゃうじゃん·····」
仕方ない、次の私に託すとしよう
「これだったら記憶を改竄しなきゃ私は気がついちゃうよ·····『メイドアップストーリー』」
私は記憶を捏造する魔法を自分に·····
◇
「んんー!よく寝たっ!!ってお昼じゃん!!今日はパンジャンドラムを空に飛ばす実験をする日なのに!あーもう私の馬鹿バカばかっ!!」
寝坊した私は急いでパジャマから着替え、ディメンションルームの海水実験施設こと『ビーチ』へと伝説の珍兵器を魔改造する実験をしに行った。
ちなみに、パンジャンは空を数秒間制御不能状態で飛んだが、見に来てたショゴっちを巻き込んで爆発、怒ったショゴっちに【自主規制】された。
純潔だけは助かったとだけここに記す。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
ひと言コメント
「失敗?いやいや、紅茶が足りなかっただけだよ?次は失敗しないよっ☆」
名前:『なかよし組』
平均年齢:7歳
ひと言コメント
全員『ノーコメントで』
「あっ、100話に行く前にちょっと時間いい?」
「読者のみなさんにはこの話の内容を忘れてもらうね、あっ!高評価とブックマークは忘れないでね?」
「もちろん問答無用!じゃあいくよ〜☆」
「読者の記憶よ喪失せよ『アムネシア』」




