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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第二章 TS賢者は魔法学校へ行くっ!
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2人のウナちゃん



 それは学校が終わり、寮から繋がった私の空間魔法『ディメンションルーム』にみんなが集まっていたときの事件だった。


「はーお腹いっぱい!やっぱり寮のご飯も美味しいねぇ····· 私が作るご飯は良い食材使ってるから美味しくて当然だけど、寮のご飯は沢山作って限られた食材だけでも美味しく作ってあるから凄いなぁ·····」


「うんうん、B寮って1年生から9年生まで居るから·····何人だろ?」


「ええと、1クラス50人だから·····400人!?」


「いや、寮以外で暮らす生徒も多いそうよ?だとしたら250人くらいじゃないかしら?」


「何にせよ、それだけの料理を作る食堂のおばちゃん達が凄すぎるのじゃ·····」


 だよねぇ·····

 毎日とんでもない量を作ってるって聞いた事はあるし、千里眼で覗き見した事もあったけど凄かった。


 でも、割と外食する学生も多いし、腹ぺこ学生のためにかなり多めに作ってるから毎日そこそこな量の料理が余ってしまうらしい。


 余った料理は料理人たちの夜ご飯だったり、翌日まで保存しておいてお弁当として販売してたりするそうだ。

 これがまた健康的で美味しいし懐かしい味だと言うことで町民からも人気が高く、毎日完売しているそうだ。


「·····あれ?ウナちゃんは?」


「そう言えば居ないわね」


「む?それならさっき外におったぞ?」


 エビちゃんが指さした方は秘密基地から繋がっている世界樹が生えたバーベキュー場こと『外』だ。

 ·····特に呼び方を決めてなかったので、いつの間にか『外』で定着してた。


 と考えていたら、エビちゃんの言う通りオシャレな

テントの出入口風な入口からウナちゃんが通ったのがしっかりと見えた。



「あっ、ほんとだウナちゃんが通った、おーい!ウナちゃん何してるのー!?」


「ん?わたしはずっとフィーロ君の隣に居たよ?」


「うわぁっ!?えっ!?居たの!?」

「·····えっ、でもいまウナちゃん通ったよね?」

「え、ええ、私もハッキリと見たわ·····」

「う、うむ····· ワシも見ておったぞ·····」


 ウナちゃんは気配が薄いとはいえ、移動してて気が付かないなんてことはない。

 それに、イタズラだとしてもウナちゃんはあの距離を一瞬で移動出来ないはずなのだ。


「という事は、アレは、お化け····· いやああぁぁぁあああっ!!お化け怖いっ!!」


「ちょっ!?グラちゃん!?」



 なんと1番お化けを怖がらなさそうなグラちゃんが1番怖がって、私に飛びつきてきた。


 ·····へー?

 これは使えるな·····


 ってシャレにならん!!

 マジで幽霊かドッペルゲンガー説·····



「「「あっ」」」



「えええっ!?」

「な、なんで·····?」

「なんなのじゃアレは!?」


「っっっ〜〜!!!(ぷるぷるぷるぷる)」

「ん?どうしたの?」


「そそそそそふぃちゃ、うし、うし、うしろ」



 うしろ·····?


 私はみんなが指さした方を見ると·····



「きゃーーーーっ!!ってあれ?ウナちゃん?」

「ぎゃぁぁぁぁあああっ!!ウナ!?ウナナンデ!?ごぼぼぼー!!」



 ウナちゃんが居た。


 あとグラちゃんは物凄い勢いで私から離れ、ソファから転げ落ちた拍子に床に頭をぶつけて気絶してしまった。


「なんだぁ、ウナちゃんじゃん、驚かさないで」



「「えへへっ、驚かせちゃった?」」



 ·····ん?


 なんかおかしい。


「ウナちゃん?」


「「はーい?なにー?」」


 ·····おかしい、私は目の前にいるウナちゃんと喋ってるはずだ。

 でも、私の頭がおかしくなったので無ければ、確実に後ろからも()()()()()が聞こえてる。


 ·····


 ギギギギギ·····


 私は壊れた人形のようにぎこちなく頭を前に向けると·····


 ウナちゃんが居た。


 そして後ろのウナちゃんが私に抱きついた。


 そして更に誰かに後ろから抱きつかれた。



「「ソフィちゃん、さっきから変だよ?」」



 私の両耳に、ウナちゃんの声がハモって聞こえてきた。


 わたしのみぎに、ウナちゃん


 わたしのひだりに、ウナちゃん


 わたしのりょうがわに、ウナちゃん



 ·····



「きゃぁぁぁあああぁぁぁっっっ!!!!」


「「うひゃあああっ!?」」





「·····で、どういうワケ?」


「だから、わたしはわたしなんだって」

「そうだよ!わたしはわたしだよってわたしがいってるじゃん!!」


「だから!ぁぁあもう!!わけわかんない!!」



 私は頭をかきむしって絶叫した。


 私たちはウナちゃん()以外のメンバーでギッチリと固まって、テーブルを挟んで向こう側にいるウナちゃん()に質問しているのだが·····


 ·····そう、ウナちゃん()なのだ。



「どっちが本当のウナちゃん?」


「こっち」

「こっち」


 ウナちゃん達はお互いに指をさしあった。


「·····どっちも本物ってこと?」


「わたしも」

「わたしも」

「「ウナちゃんだよ?」」


「·····訳分かんない」



 みんなが質問して余計わけが分からなくなっているなか、私は1人冷静に考察していた。


 ウナちゃんの正体は、前に女神から聞いた『2つの魂が融合した特殊な魂が入った個体』で間違いない。

 それが何らかの原因で分裂して、2人のウナちゃんとなって現れているのだと私は推測した。


 じゃあなぜ?


 ·····アレしかないよなぁ。


 ウナちゃんズの首元には、私がダンジョンで手に入れた、両面が同じ柄の硬貨で作られたネックレスがキラリと輝いていた。


 確か名前が『両表のネックレス』だったはずだ。



「ウナちゃん、そのネックレスに何かした?」


「うん!なんか魔力流せそうだったからね!」

「だから魔力をこんな感じでギュッて流してみたら」



 ウナちゃん達はネックレスのコイン部分を両手で包み、魔力を流すと·····



「あれ?ウナちゃんが1人になった·····」


「ほんとだ!わたし1人になっちゃった!」


「やっぱり原因はそのネックレスのせいだね、ウナちゃん、身体とか記憶に異常は無い?」


「ないよ!」

「うんうん!わたしもわたしもわたしだから!」



 うわー·····

 頭が混乱する·····


 予想だと、ウナちゃんは2人に分裂しても片方は偽物とかではなく『2人とも本物』、記憶も共有できているから混乱とかも無いのではないだろうか?



「ええと、右のウナちゃんは後ろ向いてもらっていい?左のウナちゃんはそのままでお願い」


「「はーい!」」


 右のウナちゃんが後ろを向いたのを確認すると、私は左のウナちゃんに話しかける。


「じゃあ左のウナちゃんじゃんけんしよ!じゃーんけーんぽんっ!」


「ぽんっ!」


 左ウナちゃんはグー、私はパーを出した。


「ふっ····· 私の勝ちだね」


「むぅぅ·····」


「じゃあ左のウナちゃんは後ろ向いて、右のウナちゃんは私の方を向いて」


「「はーい!」」


「右のウナちゃん、今からじゃんけんをするけど、私は左のウナちゃんと全く同じ手を出すよ」


「うん!」


「じゃんけんぽん!」


 私は宣言通りパーを出し、ウナちゃんはチョキを出した。


「やった!今度は勝った!本当に前回と同じなんだね!」


「·····やっぱり、ウナちゃん見えてたよね?」


「うん!」



 これで確定でいいだろう。


 ウナちゃんの正体は『デュアルコア』状態の特殊個体で、普段はどっちか片方の魂が表に出てるけど、全く同じ魂だから気が付かなかったんだろう。

 そして行方が分からなくなるのは、2つの魂がどちらも裏に行ってる時か、切り替えのタイミングで止まって曖昧な状態になってたからじゃないだろうか。


 そして『両表のネックレス』によって普段は表に出ていない方の魂も出てきてしまったのがこの現象の真相だろう。


 普通なら精神が壊れそうだが、ウナちゃんはデュアルコアと例えたように『2つで1つ』だからこそできる芸当だろう。


 多分私たちじゃ分裂もできないし、できてしまったら精神が壊れて死ぬかもしれない。


 ·····使い方次第ではユニークスキルに匹敵する能力になるかもしれない。





 その後、ウナちゃん達に協力してもらって色々と検証した結果、面白い事が分かってきた。


・片方のウナちゃんが怪我をするor死亡しても、もう片方のウナちゃんが無傷の場合は解除すれば元通りになる

 (ちょっと抓って確認した)


・思考や記憶は共有されており、2人で1人の『ウナ・ウェア・ラ・サークレット』という人物として生きている


・思考は共有されているが肉体情報は共有されていないので片方が怪我をしてももう片方には影響は無いが、痛いという感情などは伝わってくる


・分裂状態でウナちゃんの杖を出すと『デスペア』と『ディサペア』という2つの杖に分裂する、性能は全く同じ


・分裂した身体はかなり離れてても問題なく動く事が可能、思考共有にラグなども無い


 まだまだ未知の部分はあるが、概ねこんな感じとの事だ。



 ·····となると、この問題をなんとかしなければ。


 私はウナちゃんがウナちゃんとペタペタと触りあってひとり(ふたり)遊びをしているのを遮るように話しかけた。



「そういえばさ、どっちがどっちってあるの?」


「ん?どっちもわたしだよ?」

「わたしはわたしだからね!」


「あー·····違う、そうじゃない、例えば私がさ」


「ウナちゃん!」


「「なにー?」」


「って呼ぶと2人ともウナちゃんだから判別できないでしょ?」


「でもわたしたちはどっちがどっちってわかるよね」

「ねー!」


「むむむむむむ·····」



 この2人のウナちゃん状態、本当に厄介なんだ·····

 だって、2人とも見た目が完全に同じだし、中身も繋がって同じだから一切の差がない。

 試しに片方をツインテールにしてみたが、分裂を解除してもう一度分裂したら戻ってた。


 だから髪型と性格では区別が無理なのだ。



「じゃあさ、どっちか片方の名前をウナちゃんから別のに変えるのは?」


「えー?やだーウナちゃんがいいー」

「わたしたちはウナちゃんがいいー」


「そうじゃなくてさ····· ウナちゃんって呼んで2人とも反応したら困るでしょ?だから分裂してるときはウナちゃん達で相談して、どっちか片方の名前を変えて欲しいの、じゃないと私たちが混乱するから·····」


「「うーーーん·····」」

「どうする?どっちがどっちとかないよね」

「そうだ!片方は『ウェア』ってことにしない?」

「いいね!でも毎日『ウェア』だと嫌だなぁ·····」

「だよねー·····わたしもウナがいいからなぁ」

「あっ!じゃあ日替わりで変えようよ!今日はわたしが『ウェア』ね!明日はわたしが『ウェア』でわたしが『ウナ』!」

「いいね!じゃあわたしは今日は『ウナ』ね!あしたはわたしが『ウェア』でわたしは『ウナ』!そうしよう!」

「「けってー!!」」


「というわけで、わたしが『ウナ』ね!」

「というわけで、わたしが『ウェア』ね!」


「「2人合わせて『ウナ・ウェア』だよっ!」」


「「·····あれ?みんなどうしたの?」」



 ウナちゃんがウナちゃんでウナちゃんはウナちゃんでウナちゃんはウェアちゃんでウェアちゃんもウナちゃんでウナちゃんはウェアちゃんで2人合わせてウナ・ウェアで戻ってもウナ・ウェアで分裂してもウナちゃんはウナ・ウェアでウェアちゃんもウナ・ウェアで·····



「ぷしゅ〜·····」



 ひさしぶりに、わたしののうみそが、げんかい·····



 ウナちゃん同士のひとり(ふたり)会議を理解しようとした『なかよし組』の面々は、理解が追いつかずに全員思考がオーバーヒートしてしまい、思考停止状態になり酷い状態になってしまった。



 残されたウナちゃんとウェアちゃんは手分けして廃人化した皆を運び、丁寧に布団に埋葬してひとり(ふたり)遊びを再開した。



 ちなみに、気絶してたグラちゃんは途中で目覚めたが、分裂したウナちゃんとウェアちゃんを見て再び気絶した。




名前:ソフィ・シュテイン

年齢:6才

ひと言コメント

「わけがわからないよ·····」


名前:アルム

年齢:7才

ひと言コメント

「2人とも同じってことはさ、2人で別々の味のクレープを食べても両方の味を楽しめるって事でしょ!?いいなー!!」


名前:フィーロ

年齢:7才

ひと言コメント

「僕が2人に分裂したらどうなるかな····· うぅ、だめだ、頭がおかしくなりそう·····」


名前:グラちゃん

年齢:6才

ひと言コメント

「おっ、おばけなんてこわくないわよ!!」

「じゃあ·····「「『わたしたちは』怖くないよね?」」

「ぴみゃぁぁあああああっ!!?」

 \バッターン!!/

「「あっ、気絶した」」


名前:エビちゃん

年齢:7才

「·····こやつ、もしや2人同時に撃破せぬと倒せぬクソボスじゃよな?なんか勇者パーティー思い出したのじゃ、魔法使い2人が蘇生級の回復魔法が使えたんじゃが、どっちも殺らんと生き返って厄介だったのじゃ·····」



名前:ウナちゃん

年齢:7才

ひと言コメント

「どうやってわたしがわたしとわたしを見分けてるのかって?えっとね、なんとなくわかるの!·····ラーちゃん募集中だよ!」


名前:ウェアちゃん

年齢:7才

ひと言コメント

「わたしとわたしは仲がいいからね!ケンカとかしないよ!同じ身体のときはふたり一緒だよ!·····サークレットちゃんも募集中!」


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