夜空に咲く大輪の花
「炎よ我が元に··············· 『ファイアーボール』」
タァァン·····
パァンッ!!
「おおー!やってるやってるー!!」
私たちは花火大会に参加するため、街の外にある花火打ち上げ場までやってきた。
もう既に始まっているので、魔法使いの人達が100人以上集まって空へ向かって魔法を放っていた。
「じゃあ私たちは奥の方でやろっ!」
『『おおーー!』』
というわけで私たちは、既にやっている人の邪魔にならないよう会場の端っこに移動した。
◇
「まずは私ね、むむむむ·····『ファイアーボール』!」
ぽひゅっ·····
ぱーん!
『『おーーっ!』』
グラちゃんが放ったファイアーボールは上空に75mくらい飛んで爆発した。
うーん、花火みたいな優雅さが無い、ただの爆発といった感じか·····
「30点」
「·····辛口評価ね、まぁ確かに華やかさはないけれど」
「じゃあつぎわたしやるー!光ってはじけて!『ライトボール』っ!」
しゅっ!
ピカッ!!
おおー!
ウナちゃんは火魔法ではなく光魔法を空に打ち上げ、内部から爆裂させて光のシャワーを作った。
これには周囲からも驚嘆の声が上がった。
「綺麗·····だけど音が無いから50点」
「つぎはワシじゃ!『黒炎』!」
バァアン!!
ッダァァアアアン!!
「·····音だけ?」
「ちゃうわいっ!ううう····· やっぱりワシの魔法は光が出ないからダメだったのじゃぁ·····」
「じゃあ次はアルムちゃんかフィーロ君だけど、どっちがやる?」
「ワタシは光る魔法使えないからパスでー」
「僕はソフィちゃんの後でやるよ」
「ワシの採点は!?音は良かったぞ!?」
「10点」
「ふぬぐぐぐぐぐぅ····· ならばソフィ!お主がやるのじゃ!ワシより凄いんじゃろうな!!しょぼかったらその浴衣をひん剥くのじゃ!!」
「おうおうおうおう!やってやろうじゃないのっ!」
エビちゃんに煽られ、スイッチが入った私は本気モードに入った。
◇
花火が一色になるのは『炎色反応』が発生する金属を混ぜてないからだ。
まぁ、単なる火属性魔法の爆裂じゃあ赤色くらいにしかならないだろう。
だが私の魔法はひと味違う!
高密度にした爆裂する火属性魔法に、大量のカラフルな光魔法の粒を混ぜる事で炸裂時に色を付け、ついでに色を徐々に変えるようにしてあるのではじけて飛んだらさらに綺麗になるという仕掛け付きだ。
ついでに内部に様々な金属粉末を混ぜてるから、本物の色つきの炎も出るはず。
他にも、軌跡を残して飛んだり、散った後に爆裂して光を出す物や、キラキラ輝きながら飛ぶ物、飛ぶ速度が違うものなど、色々な光魔法の『星』を作ってあるのだ。
ええと、構造は花火玉と同じだけど、その全てを魔法で作り替えてある感じだ。
「まずは試作1番!『4号玉:牡丹』だよっ!」
ダァアン·····
ピカッ
パァアアンッ!!
「よしっ!成功っ!!」
私が放った複合花火魔法は上空へひゅるるっと飛翔すると、高度140m付近で炸裂!
空に赤と緑色にキラキラと輝く美しい大輪の花を咲かせた。
『『うおおおおお!?!?』』
私の花火を見た周囲の人達がざわめき出した。
「んっふっふー♪まだまだいくよっ!」
花火っていうのは1発もいいけどね·····
「連続発射!花火よ乱れ咲けっ!!」
ダダダダダタァァアアンッ!!!
ヒュルルルルッ
パァン!ダァン!ババババババァン!ババンっ!ダァン!パンっ!ババババッ!パァンッ!!
『『わぁぁああああ!!!』』
『何だ!?何が起きてるんだ!?』
『虹色の花火よ!何あれ凄いわ!』
『火魔法·····いや、光·····いや!複合魔法だ!複合魔法の大乱舞だっ!』
『誰がやってる!?探せ!』
『音が!音がヤバいっ!というかどうなってんだこの連射ァァァア!!』
『·····綺麗』
『おい!俺達も負けてらんねぇぞ!どんどん撃て!光魔法が使える奴は光魔法も混ぜろ!』
『何言ってんだ!!爆音で聞こえねぇぞ!』
『あそこだ!あそこにいるやつが撃ってるぞ!』
『おい!あれガキンチョじゃねえか!魔法学校の学生だぞアレ!!』
ゾクゾクゾクッ
うへへ·····
私、注目されてるぅ·····
この程度ならいくらでも打てるからもっと行くよ!
消費魔力1発1万!この程度1秒に1000発撃っても平気よ!!
「みんなー!さらに輝くよー!!」
「ちょっ、ソフィちゃ」
「たぁぁぁああまやぁあぁぁああぁぁぁああっ!!」
ドォン!ドドドォン!パァンッ!!ドォン!パァァアン!ダァァアン!ダダダダダダダダダダ!パァアン!ダァン!パァンッ!!ダパパパパパパパァンッ!
私はどんどん色や花火の形を変えて、前世で聞いた花火っぽい曲のリズムに合わせて物凄い勢いで魔法を空へと打ち上げていく。
まさに1人花火大会だ。
私が放った花火は次々と炸裂し、色とりどりの花が夜空に咲き乱れ、盆地中に終わることの無い爆音を響かせ、街を照らして人々の心をときめかせる。
さぁ、そろそろどデカいのを1発打ち上げてフィニッシュにするよっ!
頑張れ私の『ソフィの石』っ!
うぉァァァァァァァっ!!!
「消費魔力180万をオーバー!もう後戻りはできないよっ!」
「やめてソフィちゃん!校長先生たちに怒られちゃうよっ!」
私が怒られたっていい!街が大騒ぎになったっていいっ!
だけどコレだけは·····
せめて『3尺玉』だけはっ!
絶対打ち上げるっ!!
ギュァァァアッッッ!!!
ビュオアッ
ダァン·····
ッッダァァアアアアアァァァアアァァァアアァァァァアァァァアアアアアアンッッ!!
ヒュゴォォオオオオオオッッッッッ!!!
ビリビリビリビリ·····
夜空に直径550mの巨大な花火が炸裂し、私を、皆を、街を、空を爆音が揺らして照らした。
「何かと思って····· いえ、ソフィちゃんのせいだと思ってきて見たら、案の定ね」
「げぇっ!?校長ゥ!?」
が、この街の中からなら何処からでも見れるその花火は、よりによって1番アカン人を呼び寄せてしまった。
校
長、襲来
·····詰んだわ。
あーあ説教部屋送りだわこれ。
「ハイハイわかりましたよ、説教·····」
「やりなさい、ソフィちゃん」
「部屋····· はい?今なんて?」
「後始末は後でやればいいわ、今は貴女がやりたいようにやって構わないわ」
「この世界は誰かの為にある物じゃないわ、貴女は自身の願いを叶えるためにここに居るのでしょう?好きにしなさい」
と思ったら、なんか許された。
ならやるっきゃないよね!!
「よしっ!!はぁぁぁあ·····ッ!!」
消費魔力260万ッ!
花火玉の直径120cm!!
炸裂開花時の直径800mっ!!
世界最大の花火『4尺玉』を!打ち上げるっ!!
「うぅぅうううおおおおっ!!『四尺玉:大星雲』!いけええええええええええ!!!!」
ッッッ
ドッゴォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオンッッッッッッッッ!!
びゅごぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉ·····
ッッッッッッッッッッ!!!
キィィィィイイイイン·····
やばっ、音がやばすぎて耳
ダァァァァアアァァァァァアアアアァァァアァァァァァッズガァァアアアアアアアアアアアアアアア!!
「ぴみ゜ョっ!?」
その瞬間、夜空にとてつもない大きさの一輪の花が咲いた。
その花は遥か彼方にある私の故郷『フシ町』でも見えたという。
·····そして私の実力に関しては、それよりもっと遠くまで広まっていたのを私は知る由もなかった。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
ひと言コメント
「ふっ····· 綺麗な花火だ····· かぎやっ!?」
校長「ソフィちゃんやりすぎよ·····」
「ゲンコツなんて酷い!やれって言ったじゃん!だからもう1発!」
ダァアアンッ!!
\ゲンコツッ!!/
校長「ソフィ・シュテインちゃん、あなたはもう·····なにもしないで·····」
名前:アルム
年齢:7才
ひと言コメント
「ソフィちゃんの花火、綺麗だったなぁ·····」
名前:フィーロ
年齢:7才
ひと言コメント
「綺麗····· あっ、花火がだよ?いや、ソフィちゃんも····· あぁぁぁあ·····どっちも綺麗だよっ!」
名前:グラちゃん
年齢:6才
ひと言コメント
「耳が痛いわ····· どうなってんのよあの花火·····」
名前:ウナちゃん
年齢:7才
ひと言コメント
「うなぁ····· あたまがくらくらするぅ·····」
名前:エビちゃん
年齢:7才
「やっぱり爆発は芸術なのじゃ!!」




