お誕生日パーティー!
アルムちゃんを私たちが隠れている真っ暗な部屋の中に招き入れ、スポットライトで照らしながら真ん中あたりまで来てもらった。
「みんなどこー?なにやんのー?」
よし!今だっ!!
私は魔法で照明の範囲を広げ、みんなでアルムちゃんの方を向いて拍手しながら·····
「それじゃ、アルムちゃんお誕生日おめでとう!」
「おめでとう!」
「おめでとう」
「「おめでとう」」
「おめでとう」
「ありがとう」
皆に、ありがと
「よし!それじゃ私からプレゼント!」
なんか変なテロップが出かけたので、早速アルムちゃんに買ってきたプレゼントを渡した。
「わっ!?なになに!?開けてもいい!?」
「もちろん!」
「わーい!」
アルムちゃんがプレゼントボックスの包みを丁寧に剥がしていき、箱を開けると·····
「すごーいっ!かわいい!」
私とウナちゃんが買ってきた髪飾りとマグカップ、それと色々な可愛い雑貨を取り出したアルムちゃんはぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでくれた。
「どう?私とウナちゃんで買ってきたんだけど気に入ってもらてた?」
「うんっ!!ソフィちゃんウナちゃんありがとっ!」
「僕たちの活躍もわすれないでよ?ここの飾り付けは僕たちがやったんだ!」
「そうよ、ソフィたちが買い物に行ってる間に飾り付けしたのよ」
「うむ!ワシも頑張ったのじゃ!」
「みんな、ありがとう!」
「それじゃ、好きな物を食べていいよ!私は料理に徹するから!」
私はキャッキャと喜ぶアルムちゃんの元から離れ、料理人として腕を振るうためエプロンを付けて本気モードに入った。
◇
最初に言っておくけど、私は前世の料理経験はほぼゼロだ。
前世とかは仕事がキツくてもう料理する気力も無かったからずっとコンビニ飯だったからねっ☆
ちなみに今世に関してはちょいちょいお母さんの手伝いをしてたり、暇な時にお母さんとかおじいちゃん家の料理人さんの料理の様子を見てたから、ちょっと出来るようになった。
まぁ、マグロなんて捌いてる所見た事ないけどね。
「まずは魚を捌いて····· マグロは5枚おろしだっけ?」
マグロは大きいので体の側面の中央に包丁で1本切込みを入れてガイドを作ってから背骨まで包丁を入れて骨が当たってカツカツ音が鳴る感じにする。
あとはそこから包丁を動かしてうまいこと雄節と雌節に切り分けて、これを反対側もやって·····
「よし!ちょっと骨に身が残りすぎたけど、ここは中落ちだからスプーンで削ってたべちゃおっと!」
あとはマグロの皮を引いて、血合いを除去して脂ののった雌節(お腹)側は刺身で、雄節(背中)側はマグロステーキにして食べよう。
·····というか、この包丁ヤバい、愛用のほぼ刀な『星核合金』製先丸柳葉包丁の切れ味がマジでえぐい、マグロの硬い骨もスパッといけるし、これだけ脂が乗ってても斬れ味が一切落ちない。
まぁ刃渡りが長くて私の前腕くらいあるから扱いにくいけど、私の魔力が籠ってる間はどんなに刃に触れても切れる心配が無いから安心だ。
それでいて必要な物しか切れないんだから、料理素人の私でさえプロ並みの仕事ができてる気がする。
「それじゃこれを刺身にして、こっそり練習してたシャリの握り方で····· お寿司できた!」
「オスシ?なにそれ!?おにぎりの上に生のお魚がのってる!」
「ええ·····魚って生で食べられるの?」
「フィーロはカルパッチョをしらないのかしら?」
「なまのおさかなさん!おいしそう!」
「生か····· というかなんじゃその魚、真っ赤で肉みたいでは無いか」
「マグロって魚だよ!すごく美味しいんだ!それを酢飯の上に乗っけた料理で、醤油をちょっと付けてたべてね!」
『『いただきまーす!』』
私も中トロの所をいただきっ!
「あっ、うっっっっま!!」
高級な寿司屋の味がする、赤酢っていう高そうなお酢を使ったから多分めちゃくちゃおいしい!
あぁ、噛むとマグロの脂がジュワッとシミ出してシャリと混ざって美味しい·····
ワサビのツンとした辛味と香りが更に美味しい。
「なにこれ!おいしいっ!」
「うえぇ····· ちょっと生臭い·····」
「そうね····· 血の気も多いから焼いたりした方が美味しいかしら?」
「えー?生でもおいしくない?」
「案外いけるのじゃ·····はっ!ソフィ!これに合う酒を出すのじゃ!絶対なんかあるじゃろ!!」
「あー、フィーロ君苦手かぁ····· それじゃ白身魚の方がいいかな?あとエビちゃんにはコレ、ノンアルのにほっ····· お米のお酒だよ!」
「うおおおおっ!!のじゃ!」
会うか知らんけど、エビちゃんにはノンアルコールの日本酒を出してあげた。
あとはマグロの香りが苦手そうなフィーロ君のためにステーキとか作ってあげよ!あと白身魚系の寿司もまだ作れるし、確か後で個人的に煮付けにしようと思ってたヒラメとかもあるから、それを捌いて寿司にしちゃおっと!
ちなみに日本酒は普通に飲めた。
·····あっ、ノンアルだよ?
◇
あのあと、みんなの食べる速度が早くて料理が追いつかなかったから『須臾』でちょっとだけ加速して一気に料理を作り終わらせた私は、パーティ会場の私の席でぐったりとしていた。
さすがに沢山料理を作ってたら疲れてちゃった。
私は自分用に取っておいた寿司の盛り合わせをテーブルに置いて食べようとしたら、フィーロ君がお茶を淹れて持ってきてくれた。
「はぁ····· 疲れた·····」
「お疲れ様、ソフィちゃん」
「あぁ、フィーロ君ありがと·····うっわこの白身魚美味しい·····」
「それ僕も好きだなぁ、マグロは苦手だったけどこれはすごく美味しかったよ」
「·····これ1匹で5万円くらいする高級魚だよ?」
「え?·····ええええ!?!?えっ、いいの食べて!?ものすごく高いじゃん!!ソフィちゃんお小遣い大丈夫っ!?」
「ぷっ、んっふふふふふ····· あははははは!そんなに驚くの!?あーおっかし!」
「いやだって、すごく高いじゃん····· しかも海の魚でしょ?どうやって手に入れたの?」
「ひみつっ☆」
「またひみつ····· でもやっぱりソフィちゃんはすごいなぁ·····こんなんじゃ僕はソフィちゃんと····· うん、頑張んなきゃっ!」
「がんばれー」
何やら決意を決めたフィーロ君に適当に返事をしていると·····
「ひとつ貰いっ!」
「あーー!アルムちゃんそれ私の大トロ····· あっ!それワサビ入
「みぎゃああぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
「ああもう!お茶飲んで!鼻から息するとキツいよ!口で息して!」
「はなっ、はながぁ!!ツーンってするぅぅう!!」
フィーロ君と話してたら、アルムちゃんが間からニュっと出てきて私のワサビ入りの大トロの寿司を奪って食べてしまった。
あちゃぁ·····
だからみんなのからはワサビ抜いといたのに·····
「アルムちゃん····· 人の物を勝手に食べるからそうなるんだよ?」
「だってぇ····· ソフィちゃん食べてなかったんだもん····· いらないんだと思っちゃうじゃん·····」
「うんうん、アルムちゃん人のもの食べたら
「ぬ?ソフィそれ食べぬのか?ひとつ頂くぞ」
「「あっ·····」」
「もびゃぁぁぁぁあああ!!?なんじゃ、なんじゃこりゃりゃ!っのじゃぁぁああぁぁぁあ!!!」
また人の話を聞かないアホの子が1人ワサビの犠牲になってしまった。
「ぴみゃぁぁああっ!?!?」
「····ん?あっ、ウナちゃんもつまみ食いしてる!?あぁもう!みんな食べたいなら言ってよ!作るから!」
「「やったー!!」」
「「「あのツーンってするの抜きで!!」」」
「はいはい、ちょっとまってて、ちなみにそこにあるのは全部ワサビ入りだから食べちゃダメだよ」
いつの間にか私の寿司を盗み食いしていたウナちゃんも含め、3人が床にゴロゴロと転がり悶絶しているのを呆れた顔で見る私たちというカオスな絵面が出来上がってしまった。
そしてみんなから催促されたので、私は寿司職人に戻るとしよう。
よし!頑張ろっ!
◇
「寿司できたよー·····ってフィーロ君とグラちゃんまで何やってんの?」
「ううう····· 鼻が痛い·····」
「ど、毒じゃないのかしらコレ·····」
ワサビの犠牲者が5人に増えてた。
はぁ、この2人は真面目だから食べないと思ってたんだけどなぁ·····
因果応報だよっ☆
「まったく、だから食べちゃダメって言ったのにさ、ほら新しいの作ったから食べていいよ!·····まぁ私はこの極上のワサビ入り寿司を····· マ゜ッ!?」
大トロの1番いい所を使った私専用の寿司をドヤ顔で食べた瞬間、鼻にワサビのツーンとした辛みが突き抜けた。
というか突き抜けたってレベルじゃない鼻がっ!ひいいいっ!?涙がぁぁああ!!!!?ツーーーンがぁがががが!!!
「あばばばばばばばばばばばばばば!!!?!?!」
『『やった!ドッキリ大成功っ!』』
「ふぐぐぐぐ·····」
「いやぁ、どうせドヤ顔してくると思ったからさ?そこの醤油の入った小皿に乗ってた緑のヤツ全部いれてみたんだ、やっぱりコレがワサビだったんだね!ほら僕の作戦どおりだったでしよ?」
「こ、こんにゃろ····· うがぁぁああ!!みんなの鼻にワサビ塗ってやるー!!覚悟の準備をしろー!!」
『『わーー!にげろーー!!』』
「まてーー!!」
私は逃げるみんなを走って追いかけて行った。
んふふ、でもイタズラしてイタズラされる、こんな騒がしくて愉快なみんなが私、大好きだなぁ·····
みんな、これからもよろしくねっ!!
でもワサビの件は別、容赦しないよっ☆
鼻にワサビをぶち込まれる楽しみしておいてねっ☆
その後、捕まえた主犯格のフィーロ君には砂糖を混ぜて辛さをドーピングしたワサビを堪能してもらった。
あとついでにみんなにも堪能してもらった。
みんなが悶絶したのは言うまでも無い。
ちなみに私もやられた、やり返された。
名前:アルム
年齢:7才っ!!
ひと言コメント
「誕生日だよ!みんないわって!!わーい!!」
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
称号:『ちびっ子シェフ』←New!!
ひと言コメント
「料理するのめちゃくちゃ疲れた····· でもアルムちゃんもみんなも喜んでくれて嬉しい!」
名前:フィーロ
年齢:6才
ひと言コメント
「ううぅ····· まだ鼻がツーンってする·····」
名前:グラちゃん
年齢:6才
ひと言コメント
「ソフィの脚力ナメてたわ····· ちなみに私の大好物はサーモンのカルパッチョよ、最近はサシミも好きになったわ」
名前:ウナちゃん
年齢:6才
ひと言コメント
「わたし本気で隠れてたんだけど、ソフィちゃんにバレちゃった····· おじいちゃんのお家の兵士さんにはバレなかったんだけどなぁ·····」
名前:エビちゃん
名前:ワシ、7才でないと1学年下じゃよな?(5月5日復活)
ひと言コメント
「ソフィが追いかけて来た時は笑顔じゃった····· けどあの目はマジの目じゃ、アレはドラゴンも魔王も怯むようなガチの目なのじゃ····· ワシの鼻が犠牲になった程度で済んでよかったのじゃ·····」




