働かざるもの魔王でも湯に入るべからずっ!
私たちはゴブレットにバカみたいな量の魔力を込めて融かした事件で校長先生からしこたま怒られた。
そして罰として融かしたゴブレットを再び作らされ、強烈なゲンコツを食らってようやく許された。
腹がたったので希少魔法金属3種と『星核合金』を組み合わせて最強のゴブレットを作ってやった。
後悔はしてない。
◇
そして私は今、エビちゃんと共にスク水を着て『ディメンションルーム』の露天風呂に来ている。
「のうソフィ、これはなんなのじゃ?それにこの服、ソフィがワシと出会った時に着ていたモノと同じモノじゃろ?何に使うんじゃ?」
「それはスクール水着って言って、泳いだり濡れたりする作業の時に着るための服だよ、私が作った」
ちなみにエビちゃん用のスク水は魔法で作った。
製法はいつも通り魔法の『簡易テント作成』で布地をスク水の材質にして、私の伝説のパンツ(スク水)を見ながら作ったモノだ。
もちろん胸の所に『えびりん』と書かれたゼッケンも貼ってある。
「ふむ?確かに濡れても大丈夫そうな感じじゃの、それに着心地も抜群じゃ、特にちくB·····むぎゅっ!?」
「·····言っちゃダメ」
「わかった、じゃがこれは本当に良いモノじゃの!なかなか肌触りが良くて気持ちいいではないか!!特におまん」
◇
放送休\ゴッ/止中\バキッ/です\メギョッ/
暫\ドゴッ/くお\痛っ/待ち\べキッ/くだ\ゴスッ/さい
痛いのじゃー!
のじゃー!
のじゃー
のじゃ·····
のじ·····
の·····
·····
·····
·····
◇
「で、エビちゃん、おまんじゅうがどうしたの?」
「ばび、ずびばぜん、ばんべいびべばぶ·····」
さて、何故か顔が殴られたみたいにボコボコに腫れたエビちゃんはほっといて、そろそろ作業に移ろう。
「くっそー·····前が見えんのじゃ」
「自分で治したら?」
私は自分に治癒魔法を掛けてるエビちゃんをほっといて、温泉の成分とかを確認してから水抜き魔法を発動した。
「水よ枯れよ『ウォータードレイン』」
「おおー!池の水が全部抜けたぞ!」
「·····嘘だよ?普通に排水溝あるからそこの蓋開けただけだし」
「なんじゃつまらんやつじゃのぅ」
私はホカホカに温まっていた温泉を全て魔法で····· 消した訳じゃなくて、普通に排水管の蓋を開けた。
そして暫く待って空になった浴槽に降り立つと·····
「あー····· やっぱり汚れてるなぁ、さすがに月イチくらいで洗浄しないとダメかぁ·····」
「む?洗っておらぬのか?」
「このお風呂に入れてた温泉、湯の花とかが多いし····· うわ!これ『石膏硫化水素泉』じゃん!!パイプが凄いことになってる!!やった!!」
「む?どうした····· おお!?パイプに何か出来ておる!水晶か!凄いのぅ!」
「違う違う、これは石膏だよ、ジプサムとも言う柔らかい鉱物だよ!」
「じ、じぷさむ?」
ジプサム(石膏)は、前世のメキシコにあるナイカ鉱山の巨大結晶などが有名な鉱物だ。
また、日本の神奈川県の某所にある温泉では石膏の量が多く、パイプの中に透明な石膏の結晶が生成されるという例が確認されている。
そして!私の露天風呂でも!!
なんと石膏が綺麗な結晶になったのだ!!!
「よし!ここは私がやる、エビちゃんはそこのブラシとヘラで湯の花とか汚れを落としていって、水はそこのホースから出るから使って」
「·····もしや、ワシに手伝いをして欲しかったのはコレなのか?ワシ、掃除とかした事ないんじゃが」
「やって」
「ハイ·····」
ふふふふふふふふ·····
さて、私はこの石膏の結晶を取り出して標本にしなければ·····
◇
「よし取れた!!やっぱり見事な結晶だ····· ふひひ」
「のうソフィ、ワシの手伝いをしてくれぬか·····?この体、結構、疲れるんじゃ·····」
「ん?仕方ないなぁ·····」
私は取り外した石膏をインベントリに入れ、必死に湯船の掃除をしているエビちゃんの手伝いをする事にした。
「よし!ちゃっちゃと終わらせて温泉に入るぞー!」
「おー!!」
◇
「はぁ、はぁ····· これ、マジで大変·····」
「う、うむ、これは大人を呼ぶべきじゃ·····」
私たちはめちゃくちゃ頑張ったが、4分の1を掃除したくらいで汗ダクになりバテてしまった。
湯の花ナメてた、マジで掃除大変·····
こうなりゃ·····
「魔法で掃除しよっ!」
「ほう?どうやるんじゃ?」
「ふっふっふ、こうするんだよっ!」
私は指先から水魔法で水を出していき、段々出力を上げて平たく薄いジェットにする。
要は高圧洗浄機を魔法で再現したって感じだ。
「んで、これを汚れてる所にやると·····」
「おおおお!!物凄く汚れが落ちているのじゃ!凄いのぅ!」
高圧洗浄魔法が当たった所は、それはもう新品同様くらい綺麗になっていた。
つかえる、これは使えるぞ!!
私はこのままの勢いで一気に温泉の中を掃除して行ってしまった。
「·····ワシは?」
「そこの洗い場を掃除してて」
「はーい」
◇
1時間後
「「つ、疲れたー!!!」」
私たちは無事に温泉の掃除を終わらせられた。
湯船や洗い場はもう新品同様かってくらいピッカピカになっており、既に温泉も複製して湯船に満たしてあるからいつでも入れる。
「はぁ、時間かかったぁ····· もうちょっとエビちゃんの手際が良ければ·····」
「なにを!?それを言うならソフィも早くその『高圧洗浄』とやらを使えばよかったではないか!!」
「なんだとー!?そっちこそ力任せに汚れを剥がそうとして岩を砕いたクセに!!」
「ちょぴっとではないか!!というか!お主の高圧洗浄も勢いが強すぎて岩に穴を開けておったではないか!!人の事を言えんではないかっ!!」
「むきー!!!このバカーー!!」
「バカという方がバカじゃバカー!!」
ギャーギャー!
ソコヒッパルナー!!
アンッ♡キサマ!ナンテコトスルノジャ!
コンニャロー!!シカエシジャー!!
ノジャー!シカエシノシカエシノジャー!
ムッキー!!
ノジャー!!
·····
·····
◇
「ソフィちゃんエビちゃん、掃除おワッ!?ま、また見ちゃった····· もうっ!ソフィちゃんも女の子なんだから僕がいるんだしちゃんとしてよ!!エビちゃんまでそうだと僕が大変すぎるんだって!!!」
「うわぁ·····」
「あの二人、ほんと元気ね·····」
「おまた痛そー·····」
私とエビちゃんはケンカを始め、お互いの水着を引っ張り合ったり、B地区をつねったり、おしりを引っぱたいたりという不毛なケンカをした末に、2人ともイロイロな所を抑え、水着をはだけさせたり食い込ませたりしてビクビクと悶絶しながら床に突っ伏した所で決着が付いた。
もちろん結果は引き分けだ。
負けだけは絶対認めない。
「·····アホ2人はほっといてさ、お風呂はいらない?」
「そうね、もうこの2人は放置しときましょ」
「うんうん、温泉はきれいになってるから先に入っちゃお!」
「ぼ、ぼくはあとからでいいよ·····」
あぁ·····
女の子の大事な所が痛い·····
◇
「はぁ〜♪極楽極楽♪」
「ふぅうううぅぅ····· 気持ちええのぅ·····」
「んんんんー!!温泉気持ちいいっ!」
「なんか疲れがいつもより貯まってる気がするわ·····」
「うなぁ·····」
「え、えっと、この覗き窓ってなんであるの?」
復活した私とエビちゃんは、みんなと一緒にきれいになった温泉へと入っている。
そしてなんと!今日から新設備の『フィーロ君専用温泉』も使用を開始したのだ!
あと、どうせならフィーロ君と一緒に入りたいと言うことで男湯と女湯を隣り合わせにして、仕切り壁の一部にちょっとだけ覗ける穴を作っておいたのだ!
しかも!覗いても陰部には謎の湯気が出て見えなくなるという超ハイテクシステムが搭載されてるのだ!
もちろんみんなにも許可を得て実装した機能なので問題は無い。
仕組みは魔導障壁に光魔法で湯気のエフェクトを投影している感じだ。
·····まぁ、フィーロ君は微妙な反応をしてるけどね!
「だって、どうせならみんなで一緒にお風呂入りたいじゃん?フィーロ君居ないと寂しいし。」
「でも、でも····· 大事なとこは見えないけどさ····· うーん、うーん·····」
「私は構わないわ、大切な所は見えないのでしょう?だったら湯浴み着を着ているのと変わりないわ」
「わ、ワタシはちょっと恥ずかしいかも·····」
「ねぇ、なんで見えたら困るの?」
「あのねウナちゃん、僕が困るの·····」
「ワシは別にどうでもよいのじゃ〜、温泉ってホント良いのぅ·····」
あぁ、エビちゃんがダラけきってる·····
良いエビの出汁が出てそう。
そう言えば言い忘れてたことあった。
私はフィーロ君が覗けるようにした窓の前に立ってピタッとくっつくと·····
「あとフィーロ君、注意しなきゃいけない事なんだけどね、その窓ってこんな感じで近付けすぎると湯気を貫通して見えちゃうから気をつけてね」
「ぎゃーー!!?!?!ソフィちゃん!みえ、見えてるから!わかったから!お湯に浸かってー!!」
「·····分かったなら良い」
·····やべ、実演しちゃった☆
まぁいいや☆
◇
そんなこんなでみんなで温泉に入ってのんびり話をしたり·····
「はいみんな!私特製の温泉卵と温泉プリンだよ!」
『『わーい!!』』
みんなに温泉でできる料理を振舞ったりした。
「おんせんたまご?おんせんぷりん?」
「温泉であっためて超半熟にした卵と、卵を使ったデザートだよ!」
「なに!?早く食べさせてくれ!」
「はいどーぞ、温泉卵には出汁醤油を掛けて食べてね!すっごく美味しいよ!」
「·····この黒い液体か?食べて大丈夫·····そうじゃの」
「んじゃ私は先に食べてるね!」
そう言えば言い忘れていたが、水魔法で出した濃縮出汁と醤油を配合して、温泉卵用の美味しい出汁醤油を作っておいたのだ!
ソフィ印の特選温泉卵専用醤油だよっ!!
これを掛けて食べると温泉卵がさらに美味しく食べられるのだ。
ちなみに私はこの黄身をちょっと割ってそこで初めて醤油を掛けて、混ざり切らないくらいの感じで軽く混ぜて食べる派だ。
その温泉卵をスプーンで救って食べると、濃厚な黄身とサッパリた白身、そして塩分控えめだけど出汁と醤油の濃い香りが混ざって絶品だ。
「あぁ、美味しい·····」
「うっま!!なんじゃこれは!!ちゅるっと食べれるではないか!!ワシ、これゆで卵より好きじゃ!」
「んっふっふっ、なかなかいいでしょ温泉卵も、あっプリンも食べてみてね!」
「うむ!」
その後、プリンを食べたエビちゃんは美味しさに狂喜乱舞していた。
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
ひと言コメント
「危うく変なアレに目覚めるところだった、でも逆に目覚めさせてやった」
名前:エビちゃん(エヴィリン)
年齢:6才(自称)
ひと言コメント
「うぅ·····ソフィのヤツ、ワシの敏感なところばかり攻めおって····· じゃが羽根とか尻尾をイジられんくて良かったのじゃ、あそこが1番の弱点····· あ゛ッ!?ソフィ何盗み聞きしておる!!なんじゃその悪そうな顔は!?忘れるのじゃ貴様ァーーッ!!!!」




