『絶淵の奈落姫』
『絶淵の奈落姫』
「ぷはっ!!死ぬかと思った!!」
プールに飛び込んで溺れて死にかけた私は、あんまり使いたくなかった深淵魔法を使った事で、肺に新鮮な海水が取り込まれ、呼吸が安定した。
この魔法はカテゴリーそのものが禁忌級に指定されている深淵魔法に属するヤバい魔法だ。
深淵魔法は大抵は召喚魔法で海の底に棲むバケモノたちを呼び出す感じだ。
しかしヤツらは召喚してただけでは仲間になってくれなかったし、見るだけで自分も気が狂うヤバい奴らが現れるから人前では易々と使えない危険な魔法だ。
まぁ、ピンチなら仕方ないと言うことで私は深淵魔法の自作最上位魔法『絶淵の奈落姫』を使った。
この魔法の元は『旧支配者の呼び声』という魔法で、本来は深淵のバケモノ達を大量に召喚して軍にする魔法だったのだが使い勝手が悪かった。
そこで私は魔法改造して、召喚で稀に現れる神々とよばれる存在さえ従わせるよう改造·····
というよりも、出てきたヤバいヤツを片っ端から魔法で殴ってたら勝手に魔法が変化した。
どうやらヤツらが私を姫と認めた事で魔法が変化し、様々な効果が付与されたらしい。
その効果は
・泳ぎが上手くなる
・深海都市の姫になる
・水中で呼吸ができる
・水圧を無効化できる
・正気を保つ事ができる
・海生の魔物を従わせる
・深淵の化け物達を従わせる
・深淵魔法に対する適正が向上する
・長時間水中にいる事による害を軽減する
などなど、様々な便利な効果を付与する事ができるのだ。
ちなみに発動すると頭の上に禍々しく生々しい不気味なティアラが出てくる。
『テケリ!』
「ん?ショゴっちどうしたの?」
プールの底でボーッとしていると、スライムのショゴっちが伸ばした触手で肩をツンツンして来た。
ちなみにショゴっちは黒いスライムだ、本気出すと目と口が大量に出てきてキモいけどなかなか可愛い。
『テケリリ!』
「あぁ、特に用はないよ、溺れそうになっちゃったから使っただけだから」
『てけり!』
「はーい、んじゃ邪魔しなかったらいいよー」
私はショゴっちに邪魔しないよう伝えて、やりたかった作業に入る。
まずはワカメを作ろう。
使う魔法はお米を作ったのとは違う『グロウプラント』という魔法がいいだろう。
「ワカメよ生えろ『グロウプラント』!」
『テケリー!』
魔法が発動すると、プールの床から緑色の海藻がワッサァ!!と生えてきた。
ちょ!?
デカくない!?
いや、どうみてもワカメだけどさ?
ワカメって5mとかになるっけ?(※なります)
「まぁ収穫するかな·····」
私は草苅り鎌でワカメの根元を切って、早速食べるためにプールから出ようとした。
·····しかし。
「うんしょっ!よいしょっ!·····むぐぐぐぐぐ!!!」
長いワカメが抵抗となって泳いでも泳いでも上に上がらない。
ふぬぐぐぐぐぐぐぐ!!!
·····
「ショゴっち〜、私をプールサイドまで運んで〜」
『テケリリー!!』
ショゴっちにプールサイドまで運ぶよう命令すると、ショゴっちが触手で敬礼したらその触手を増やして私の方に·····
「へ?えっ!?ちょっ!?くすぐった!!ひゃっ!?やめっ、んひゃひゃひゃひゃっ!!?!?」
『テケリーーっ!!』
「やめっ、やめろぉーっ!!!?」
ショゴっちはニュルニュルした触手を私の全身に絡めて助けてくれようとしたけど、それが妙にくすぐった····· あっまって、水着の中はアカン、やめっ!!!
◇
不適切な表現がありました
番組を変えてお送りします
◇
『がんばれ!まおうちゃん!』
第2話 にげろ!まおうちゃん!
「はぁ、はぁっ、ぐぬぬぬ····· あそこはワシの城なのに勝手に占領しおって·····」
元まおうじょうにいた魔物たちから空をとんでにげきったまおうちゃんは、どこかわからないところにいました。
「ここはどこじゃ····· まぞくたちの町もない、城は朽ち果てておった····· いったい何年たったんじゃ·····」
まおうちゃんはそらのうえから、ちじょうをみていますが、まおうちゃんのしりあいはひとりもいません、あるのはにんげんの町だけです。
「あいたっ!?」
そのとき、そらをとぶまおうちゃんが何かにぶつかってしまいました。
「このー!ちゃんとまえをみてとぶ····· のじゃ·····」
『グルルルル·····』
なんと、まおうちゃんがぶつかったのは、そらのおうじゃのドラゴンさんです、そうです、まおうちゃんはドラゴンさんのおうち、霊峰のちかくをとんでしまったのです。
かってにおうちにはいられて、怒ったドラゴンさんは、まおうちゃんをなぐってしまいました。
あたりどころの悪かったまおうちゃんは気絶して、そのままちかくにある人間の町へとおっこちちゃいましたとさ。
おしまい。
◇
「はーっ、はーっ····· 溺れ死ぬかと思った·····」
『テケリッ!!』
ショゴっちによってヌメヌメにされながらもプールサイドへ打ち上げられた私は、しばらくプールサイドで半脱ぎになった水着を直す気力も無く倒れていた。
変な所をくすぐられてマジでヤバかった、溺れるかと思った。
溺れないけど。
そんでソレが回復するまで結構な時間を要した。
◇
「さて、気を取り直して味噌汁を作ろっ!」
なんとか復活した私は、さっそく採取したワカメと豆腐と作っておいた油揚げで味噌汁を作り始めた。
まずはインベントリから鍋を取り出し、水と出汁を魔法で作って鍋に入れる。
そしたら鍋を『サイコキネシス』で浮かべ、火属性魔法の『ファイアーボール』で温める。
鍋底から泡が出始めたら味噌を入れてしっかりと溶いて味噌汁のベースは完成。
次は具材の準備、ワカメを軽く水で洗ってから切って葉の部分だけを味噌汁に入れ、豆腐と油揚げも食べやすいサイズにカットして軽く火を通して、お椀にそそいで完成!
「おおお····· ワカメが綺麗な緑色になってて美味しそう····· いただきまーす!!」
ずずっ·····
「はぁぁ····· 美味しい·····」
冒険者セットみたいにガツンと美味しいという感じじゃないけど、プール上がりで冷えた身体に染み渡る温かさだ。
ついでに大量に作ってインベントリで保管しているおにぎりを取り出し、味噌汁と交互に食べる。
味噌汁にご飯を入れるのはダメだけど、口の中で作るなら問題ないからねっ!!
「やっぱり味噌汁とお米の相性はバツグンだぁ·····」
『Vlollllggg…』
·····ん?
「あっ、クトゥさん来てたんだ!味噌汁飲む?」
『Vegrrrr』
いつのまにかタコ頭で背中に羽の生えたヤバい気配がプンプンするクトゥさんがプールの中から私の事を見つめていた。
ちなみにクトゥルフ神話のアレと似てるからそう呼んでるだけで、実際は別人だ。
私が鍋ごとクトゥさんに味噌汁を渡すと、興味深そうに味噌汁を見て、ちびちびと飲んでいた。
ちなみにクトゥさんはめちゃくちゃ強い、この前戦ってなんとか物理的に倒せたけど、『マギ・レールガン』とか『サンダーボルト・アベンジャー』を連射しまくっても全然効かなくて、『須臾』で本気で殴ってなんとか····· ってくらいだ。
たぶんSランクの魔物なんだと思う、ドラゴンより強いよこの人。
しかもクトゥさんはその時は本気じゃなかったらしいから、本気のクトゥさんにはたぶん勝てないだろう。
まぁ、今は力が認められた····· というより可愛いヤンチャな孫娘でも見るかのような目で私に接してくれるので私も懐いている。
だってたまに海産物くれるし。
◇
「はぁ美味しかった!ご馳走様!」
『VocSlsvlsr』
味噌汁、めっちゃくちゃ美味しかった。
後で校長先生にも飲ませてあげよ!
って考えたところで、私が寮の自室に掛けていた警備魔法に反応があり、警報が鳴り響いた。
《警告》
《侵入者です》
《場所:寮の部屋》
およ?
誰が来たんだろ?
なかよし組のみんなだったら警告じゃないしな·····
あっ、確かハチとかの害虫が入ったりしたら鳴るようにしてたんだっけ?
「よいしょっと、ちょっと覗いてみるかなぁ·····」
私は着替えるのが面倒だったので、プールサイドと寮の部屋を繋ぐゲートを作って、部屋が濡れるのが嫌だったので覗き込んでみると·····
名前:ソフィ・シュテイン
年齢:6才
ひと言コメント
「ぶっちゃけ『絶淵の奈落姫』でみんなを呼び出したら何もしなくても勝てるよっ☆ あとみんな優しいよ!」
名前:???
年齢:???
ひと言コメント
『Mbaolbg… Grqn?Grcxetk???』




