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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第二章 TS賢者は魔法学校へ行くっ!
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イビルディアーVSソフィ・シュテイン



 私の所からでは2人の姿も魔物の姿も見えない。



 しかし、私の魔力が見える目ではしっかりと怯える2人の姿と、それを狙う大人の背丈よりずっと大きい巨大なシカの姿が見えていた。


 ヤバいな、アイツ2人を襲おうとしてる。


「マジックバレット!」


 私がマジックバレットをイビルディアーの魔力反応のある場所に向けて撃つが、なんとヤツに当たる直前で弾かれ····· いや、逸らされてしまった。


 くっ、魔力で魔法を逸らしてやがる!!

 しかも木の影に隠れて当たらない位置に逃げやがった、これじゃ直撃は無理だ。


 だけど足止め程度にはなった!

 この間に2人を逃がせればそれでいいっ!



「アルムちゃんフィーロ君!こっちに走ってきて!」


「うん!行くよアルムちゃん!」

「うぁ、た、立てない·····」



 ヤバい、アルムちゃんが腰を抜かして動けなくなっちゃってる!

 くそくそくそくそっ!あのクソ鹿、アルムちゃんを踏み殺そうとしてるっ!!




 ·····やるか?


 あの2人はともかく、グラちゃんとウナちゃん、そして見ず知らずの冒険者に、私の実力がバレるとこの先の学校生活が、私の人生が大きく狂う事になる。


 それは、私にとって避けたい事態だ。



 でも!

 親友を見捨てるなんて、私には無理ッ!!




「2人とも、地面に伏せて耳を塞いで!」


「「わかった!!」」


「みんなも耳塞いでっ!!」



「撃滅魔法『サンダーボルト・アヴェンジャー』発動ッ!!!!」


 

 魔導ガトリング砲身生成

 対魔物用魔導式徹甲弾SOPHY-05/A装填

 装填数2000発

 風、重力、その他ノイズによる着弾誤差0.1%以下

 個体名『フィーロ』及び『アルム』に対し防御結界を展開



 私の中を渦巻く膨大な魔力が私の魔導術式によって形を変え、軽自動車より巨大な()()()()機関砲がモデルとなったガトリング砲が瞬間的に顕現した。


「照準器展開」


 私の視界の中に弾丸の着弾予想地点が表示され、『ラズワルド・ロッド』を動かす事でその照準を『イビルディアー』へと向け、私は引き金を引いた。


「発射ァァァァアアアッ!!」



 ヴァァァァァァァアアアァァァアアアァァアッ!!



 実在の兵器『A-10 Thunderbolt』に搭載された兵器『GAU-8 Avenger』を模して作られた魔法『サンダーボルト・アヴェンジャー』は、私の魔力から作った特殊な30mm弾2000発をたった30秒で撃ち尽くす程の連射力がある上に、その弾丸は()()()1()()で戦車の装甲をも貫き破壊する貫徹力を持つ。

 そしてその()()はあまりの連射力故に発射音が連続して聞こえ、魔法とは思えない爆音を響かせながら砲弾の如き弾丸を豪雨のような勢いで撃ち出した。


 ドゴゴゴガガガガガガガガバキバキバキメギャ!!


 そして魔力弾は射線上の木を情け容赦無く粉砕、重量により落下してきた木は粉砕機に掛けられたかのように迫り来る弾丸のラッシュにより砕かれ、それでなお飽きたらない弾丸はイビルディアーへと殺到した。


 対するイビルディアーは危険を察知したのか、先程より強力な魔力結界を展開して私の魔法を受け止めるつもりのようだ。



 だが、彼は自身の能力に慢心していた。



 この魔導弾は、私の魔力により相手の魔力を侵食し魔法を狂わせるようになっている。

 コイツ程度だったら不要なほど弾丸そのものの威力が高いが、少しでも弾丸が逸れれば大惨事になるため、魔法をかき消す弾丸を使った。


 そして理論上はドラゴンの魔導障壁さえ貫徹可能な弾丸は、イビルディアーの結界を易々と貫通しイビルディアーの鋼のように頑丈な体毛と筋肉へ突き刺さった。



 だが、彼はその事に気が付く事は無かった。


 何せ結界が破れた瞬間、数百発の弾丸がほぼ同時にイビルディアーを貫き粉砕してしまったからだ。


 





「はぁ、はぁ、はぁ·····」


 この魔法を実戦投入するのは、初めてだったけど、うまくいった····· よかった·····


 イビルディアーの居た場所には大量の木片とミンチ肉が転がっており、遥か彼方まで貫通した弾丸によって木がなぎ倒された道が出来ていた。


「フィーロ君!アルムちゃん!大丈夫!?」


 私は2人の居た所に走って向かうが、木片によって完全に埋まってしまっている。


「邪魔っ!」


 私はそれを風魔法で一気に吹き飛ばした。

 すると、木片の下から結界に守られた無傷の2人が出てきた。


「よ、よかったああぁぁぁぁぁあー!!!」


「わっ!?ちょっ、ソフィちゃん!?」


「こ、怖かった·····」


 私は2人に思い切り抱きついた。



 ·····どーしよっかな。


 友達が殺されそうになってキレちゃってあの魔法を使っちゃったけど·····

 うん、元冒険者さんもガッツリ見てるんだよなぁ·····


 よし、ここは無かった事にしちゃおう。



 こんな恐ろしい魔法なんて誰も知らなくていいんだ、私1人が知っていて、使えることも知らなくて良いんだ。

 私は普通の女の子で居たいんだ。



 だから、こんな恐ろしい魔法が使えることは知られたくないから、今の事は無かった事にしたい。


 私は覚悟を決めると抱きついていた2人から離れ、後片付けを始めた。



「樹木よ生えろ」


 まずは植物魔法で粉砕した所に新しく木を生やして偽装をする。


「埋まれ」


 次に土魔法で『イビルディアー』の肉片や木片を地面に埋めて証拠隠滅。



「ごめんねみんな····· 私はまだ実力を隠してたいんだ、だからさっきの事は忘れてもらうよ」



 そして仕上げにみんなの記憶を忘れさせようとしたその時、フィーロ君が私の事を抱きしめてきた。



「ソフィちゃん、僕たちの記憶を消すの·····? じゃあ、その、お礼だけでも言わせて、ソフィちゃん、僕たちの事を助けてくれて、ありがとう」


「わ、ワタシも!ソフィちゃんありがと!」


「私もソフィに感謝しなきゃいけないわね、大切な友達を助けてくれて、ありがとう」


「ソフィちゃんありがとっ!!」


「へへっ、その友情は大切にしろよ?生涯の宝になるからよ」


「みんな·····」



「ねぇソフィちゃん、僕はソフィちゃんがどんなに怖い魔法が使えても、ずっと友達だよ?ソフィちゃんは僕たちに向けてその魔法は使わないって分かってる、だから怖がらなくていいんだよ?」


 だが、そう言うフィーロ君の体は少し震えていた。


 ·····そっか


 私がみんなの前で強力な魔法を使おうとしなかったのって、絶交されるのが、みんなと離れ離れになるのが怖かったからなのかな·····

 そうだよね·····


 それでも、どんなに怖くても受け入れてくれる友達が居るって、私はほんと恵まれてるなぁ·····


「·····わかった、でも他のみんなにはナイショだよ?」


「「「「もちろん!」」」」

「へっ、俺も友情を邪魔する程ヤボじゃねぇぜ?」


「みんな、こんな私でも受け入れてくれる?」


「「「「うん!」」」」

「あぁ、当たり前だ!」



 みんな、ほんと優しいなぁ·····



「じゃあ記憶を消すのはやめるよ·····」


「ソフィちゃん·····っ!」



「ただし元冒険者、テメーはダメだ」


「えええええ!?」





 5分後、記憶がさっぱり消えた元冒険者さんと一緒にシカの処理を行った。


「おかしいな····· なんか脇腹が痛ェんだけど·····」


「どっかで打ったんじゃないですか?さっきコケてましたし」


「ん?確かに転んだような気がするな·····」


「それよりも冒険者さん!シカさんの血抜きとかってどうするの!?」


「あぁ、魔法が無い場合は太い血管を切って木から逆さまに吊るしたり水に付けたりするんだが、水魔法で血を外に出す方法なんかもあるぞ?」


「こんな感じ?」


 私はシカの中にある血液に魔力を通し、水魔法を使って傷口から外に全部排出させた。


「うおっ!?嬢ちゃん手際いいな····· こりゃ将来有望な·····ってコレさっき言わなかったっけ?」


「言ってないと思いますよー」


「·····そうか、いよいよ俺も老けてきたか」



 その後、シカを12頭も持っていったら怪しまれると思った私たちは相談して、元冒険者の記憶をもう一度書き換えて3頭だけ倒せたという事にしておいた。

 残りの9頭は私のインベントリに収納しておいた。





「·····はい!依頼達成ですね!みなさんお疲れ様でした!冒険者のお仕事はどうでした?」


「「「「「楽しかったですっ!!」」」」」


「それでは1日頑張った皆さんにプレゼントです!」


「「「「「わーいっ!」」」」」


 街のギルドに帰ってきて達成報告をした私たちは、受け付けのお姉さんから報酬のお金とギルドカードのレプリカをくれた。

 ギルドカードにはちゃんと私の名前などが書かれていて、ちびっ子冒険者認定証と書かれていた。


 んふふ·····

 案外冒険者って楽しいかもっ!


「元冒険者さんも今日1日ありがとうございました!」


「別にいいさ、それが冒険者の役目ってやつよ、お前らも勉強頑張れよ?」


『はいっ!』


 こうして、私たちの休日は結局慌ただしく終わ『ぐぎゅるるるる』·····らなかった。


「「「「「お腹すいたっ!!」」」」」


 沢山運動してお腹を空かせ私たちは夕暮れどきの街へご飯を食べに向かおうとした·····


 けど、その前にっ!



「やっぱりみんなと一緒に居るのたのしいなっ!」


「わっ!?」


「きゃっ!?」



 私はフィーロ君とアルムちゃんの手をギュッと握った。


 本当はみんなと手を繋ぎたかったんだけど、手がたりなかったから、私はフィーロ君とアルムちゃんの手を握って、グラちゃんはアルムちゃんと、ウナちゃんはフィーロ君と手を繋いで·····


「われら『なかよし組』!街へ冒険に行くよー!」


「「「「おーー!!」」」」


 みんな一緒に街へ冒険に向かった。


 そんな私たちの首元には、パーティー名に『なかよし組』と書かれたギルドカードのレプリカが夕日に照らされてキラリと輝いていた。



名前:ソフィ・シュテイン

年齢:6才

ひと言コメント

「んふふ、みんな大好きだよっ!」


名前:フィーロ

年齢:6才

ひと言コメント

「えっ!?あっみんなか····· 実はあのときちょっと怖かったけど、ソフィちゃんと一緒に居たいから頑張ったんだ」


名前:アルム

年齢:6才

ひと言コメント

「ソフィちゃん強くてかっこいい!」


名前:グラちゃん(グラシアル・ド・ウィザール)

年齢:6才

ひと言コメント

「なかよし····· ふふふふ····· なかよしな友達っていいねっ!」


名前:ウナちゃん(ウナ・ウェア・ラ・サークレット)

年齢:6才

ひと言コメント

「わたしのこと、だれも気がついてくれなかったから、ともだちできて嬉しいっ!!」


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