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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
468/469

ばったり遭遇バカップルっ!


 カランカランコロンッ♪



『いらっしゃいませー、少々お待ちください~』


「おおー、相変わらず雰囲気が良いなぁ·····」


「うん、なんかすごく落ち着く感じ·····」



 約1時間半後、私たちはお昼ご飯を食べるため町の中央を流れる川沿いにある川魚専門店に併設された魚料理屋にやって来ていた。

 お店の外見はサークレット王国の古めの民家を再現したログハウス風で、ある理由で他の家とは違って川のかなり側、川の水位が増えたら真っ先に被害を受けてしまいそうな場所にあった。


 なんでそんな場所にあるのかはまた後で·····



「おまたせしました、二名様でよろしいでしょうか?」


「あっはい、2人です、あとテラス席って空いてます?」


「ええと····· すいません満員なのですが、先ほど4人用テーブルに対して2名様をご案内しましたので、今なら相席であれば可能ですが·····」



 ありゃま·····

 うーん、相席かぁ····· このお店はテラス席からの眺めが最高って噂(※待ってる時に後ろにいた夫婦と話して入手した情報)だから、どうせなら是非座りたいんだけどなぁ·····



「うーん····· どうする?どうせならテラス席がいいよね」


「うんうん、ちょっとお邪魔させてもらう程度だったらいいんじゃないかな」


「よしOK、んじゃ相席でお願いします」


「わかりました、ではこちらへどうぞ」



 私たちは店員さんに案内され、店員さんについてお店の中に入って行った。





 お店の中に入るとそこは土間というかキッチンというか厨房というか炊事場?みたいになっていて、異世界版囲炉裏みたいなので炭火でイワナやヤマメを塩焼きにしていたり、数年前から校長先生がゴリ押しで広めているウナギの蒲焼きなんかも焼いていて、部屋の中に物凄くいい香りが充満していた。


 ちなみに魔道具の普及がまだだった頃は、料理には薪とか炭を使ってたから換気しやすく半分外みたいな構造になってるらしい。



「おっ、生け簀なんか入ってる!イワナにヤマメに鯉にフナにウナギ····· モズクガニとモクズガニもっ!?」


「はい、モクズガニの味噌汁などもオススメですよ」


「えっ!?味噌汁あるんですか!?」


「はい、非常によく合うという事で数年前に追加したメニューとなっていますね」


「よし頼もう」


 お店の中を進むと、何やら水槽があったので覗き込むと中に様々種類の川魚やカニが居ていて、どうやら注文するとここから魚を取り出して採れたてを調理してくれるサービスとなっているらしい。


 これならニジマスとか他の刺身もいけるかもっ!



 なんてワクワクしながら進んでいると、お目当ての景色が見えてきた。



「おおおおっ!圧巻&清涼感っ!!」

「清涼感って言うにはまだちょっと早くない?だってまだ少し肌寒いよ?」


「ふいんき!雰囲気の話だよっ!」

「·····もう僕ツッコミたくない」



 ·····なんか話はそれたけど、私たちの目の前にはフシ町の真ん中を流れる川が流れていた。


 そして、その景色の中に不思議なものが混ざっていた。



「おおやってるやってる!いいなー、私も体験とかできないかなぁ·····」


「·····なんだっけあれ」


「えーっと、たしか『(やな)』って呼ばれる仕掛けで、川を遡上してきた魚があそこを川と間違って登っちゃって打ち上っちゃうって言う仕組みで魚を取るモノだったはずだよ」


「へぇ····· あっほんとだ魚が打ちあがってる」



 そう、このお店が川沿いにある理由は、このお店が『梁漁』を行っている場所でもあるからなのだ。


 ちなみに梁漁とは、ざっくり説明すると川の中にすのこみたいな感じの『梁』と呼ばれる幅広い滑り台みたいなのを斜めにぶっ刺して、川の流れはせき止めないんだけど魚は通り抜けられなくて、川と勘違いした魚が遡上したりするときにそこに入っちゃって勝手に打ちあがるという仕組みの漁の事だ。


 ぶっちゃけ説明不足だから気になった人は各自調べてねっ☆



 んで、ここのお店はその『梁』が設置されていて、そこに魚が打ちあがるのを見ながらご飯を食べることができるフシ町でも有名な観光名所なのだっ!


 当然すぐそこで取れた魚を使うので鮮度も抜群だしめちゃんこ美味しいおススメのお店だ。



「お客様ー、こっちですー」


「ソフィちゃん行くよ」

「あっはーい」



 やべっ☆

 つい梁に魅入っちゃってたわ。


 あれ夏に裸足で行って魚捕まえるの絶対楽しいだろうなぁ·····


 確か体験とかやってなかったっけ?


 あとで聞いてみよっと。



 なんて考えながらも、私たちは相席相手の居る席へと向かっ·····



「失礼します、相席のお客様をお連れいたしました、お客様、こちらのお席となります、ではご注文が決まりましたらお呼びくだs·····」


「ああああああああああああああっ!!!!!???」


『むっ?なんじゃあああああああああっ!!あああああああああああああああっ!!!????』



 おかしい、あのクセっ毛銀髪ロングで頭から生えた立派な黒色と紫の片方が欠けた角を持つ少女は私は一人しか知らない。


 というか私の義姉だ。



「えっ!?エビちゃんもこのお店来てたの!?」


「ボクも居るよ、やぁフィーロ君、元気だったかな?」


「あっお義兄さん、お久しぶりです、·····ソフィちゃんに振り回されてちょっと疲れますけど元気です」


「あはは····· ボクも同じ感じだよ····· 今日もエヴィリンに振りまわされてあちこち行ってここにたどり着いたんだ·····」


「それは災難でしたね····· お疲れ様です」



 そう、相席の相手はなんとエビちゃんと私のお兄ちゃんのラクトだったのだ。





「ほほう····· お主らも今日じゃったか、たしかワシらの後に相談するんじゃったか?」


「そそそ、エビちゃん達の後なら相談の準備も整ってるし、連続でやった方がやりやすいかなって思ってね」


「なるほどのぅ····· 興味なくて聞いてなかったのじゃ、ところで、この店を選んだのはワシがおった·····事に気が付いておったらあんな声は出さぬな、もしや偶然なのじゃ?」


「うんうん、マジの偶然だよ!」


「なんちゅう奇跡なのじゃ·····」



 私たちはエビちゃんとお兄ちゃんと相席しながら雑談をしていた。


 いやービックリだわ·····

 実はこの2人も今日の午後に結婚式の相談に教会に行く予定だったんだけど、私たちもそれに便乗してたのよね。

 ちなみに2人は今日は町政の勉強はお休みを貰ってるらしくて、私たちより早い時間から街中をぶらぶら歩きまわっていたらしい。



「何食べます?ボクはニジマスのソテーとヤマメの塩焼きにしようかなって思ってるんですが·····」


「僕は····· 旬の魚って何があったかな?」


「ええと、ソフィちゃんの話だと今の時期はイワナ、ヤマメ、ニジマス、コイ、フナあたりって言ってましたよ」


「ふーん····· じゃあ僕はニジマスの塩焼きとイワナのフライにしよっかな」


「あっお兄ちゃんそういえば今年はヤマメの方が大漁で美味しいらしいからそっちがオススメだよっ!」


「ほほう、じゃがワシはイワナも気になるのじゃ、ラクト、どうせならイワナも頼んで食べ比べせぬか?」


「確かに良いかもね、よし、じゃあボクはイワナとヤマメのフライ、それとニジマスの塩焼きかな、エヴィリンは?」


「ワシか?ううむ····· おっ手長エビの唐揚げがあるのじゃ、あとは····· ヤマメの塩焼きじゃな!それと山菜と川魚の炊き込みご飯を頼むのじゃ」


「わかった、あっどうせならソフィたちも一緒に注文する?」


「あーそうするわ、んじゃちょっと待ってて」



 さてと何食べよっかなぁ。


 まずはニジマスの刺身は外せない、んでモクズガニの味噌汁も当然頼むとして、あとヤマメも頼まないわけないは行かないから····· よし、塩焼きかなっ!ついでにイワナとニジマスの塩焼きもたべちゃおっと、んで主食は····· うーん····· おおっ!?



「決めたっ!ニジマスの刺身定食にヤマメとイワナとニジマスの塩焼きを追加で、ご飯をモクズガニとモズクガニの炊き込みご飯にするっ!」


「結構食べるね····· 大丈夫?」


「んふふ、大丈夫この程度余裕よっ!んでフィーロ君はどうするの?」


「僕?あー僕は旬の川魚定食にしておくよ」


「おっけー、んじゃこれで注文はそろったかな?」


「大丈夫だと思うよ」

「うむ、オッケーなのじゃ!」

「僕もいいよ」


「了解っ!すいませーん!注文きまりましたーっ!」


『少々お待ちくださいー』



 その後、店員さんがやって来て注文を伝えた私たちは、ご飯ができるまでしばらくのんびりと雑談をし始めたのだった。





「·····流石にちと時間かかり過ぎでないか?」


「あー、確か炊き込みご飯はちゃんと作ってるから結構掛かると思うよ?」


「むむむ····· お腹空いたのじゃ·····」


「さっきヤマメ貰ったけど食べる?生だけど」


「ほう?生か、食べてみたいのじゃ」


「うっわ珍し····· これ食べるとか引くわぁ·····」



 ビチビチビチビチビチビチッ·····



「おい貴様、まさかワシにそれを生きたまま丸呑みにしろと言うておるのか?」


「えっ、だってそう言ったじゃん」


「ブチ殺す」


「ちょまっ!いや私『生』とはいったけど刺身とは言ってないじゃん!」



 なんかエビちゃんがお腹が空いたとか言ってたので、さっき釣りをしていたお爺ちゃんから貰ったヤマメを生きたままエビちゃんに差し出したら殺されかけた。


 私の言い方も悪かったけどさ!勘違いしたのそっちじゃん!私は悪くねぇっ!!ぎゃんっ!!!



「またバカやってる·····」


「ふんっ、からかうこやつが悪いのzy·····」


 べちっ


「·····もぎゃあああああっ!!?」



 私は悪くないと言ったがエビちゃんにぶん殴られ、死にはしなかったけど軽い脳震盪を起こして机に顔面から倒れてしまった。


 ·····その拍子に手に持ってたヤマメがエビちゃんの顔面に直撃して絶叫してた。


 ざまぁみろっ!




 その後、ちょっと騒ぎ過ぎて周囲の客に迷惑をかけ始めてしまったので、私たちはおとなしく普通の会話をすることにした。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「あともうちょっとの所でペンギンみたいに魚を丸呑みさせられるところだった····· 危ない危ない····· でも楽しみだなぁ、あっ結婚式の相談じゃなくて料理ね、もちろん結婚式の相談も楽しみだけどねっ☆」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「僕とお義兄さんってちょっと似てるんだよね、主に振り回される側って言う意味で····· あはは·····」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「ワシらは何やら美味そうな香りと川にある変なアレ····· ヤナ?とかいうヤツを見て面白そうだったから入ったのじゃ、じゃがソフィが入ったという事は確実に美味い店じゃな、アヤツ、悔しいけど食に関してはワシじゃ絶対に勝てないほど食通なのじゃ」


名前:ラクト・シュテイン

ひと言コメント

「この組み合わせだとお酒のみたくなるなぁ、でもこの後大事な相談をするんだから我慢しないと」

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