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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
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イデアの影



 航空宇宙戦術魔導戦闘機『PS-01』の開発とテストを終えてから数日後·····


 私はとある理由でフシ町の実家にやって来ていた。



「·····で、ここはこういう構造になっていて空気の循環を行ってるって訳だね、だからここが壊れるとかなりヤバかったんだけど、今は私が改良を加えたし追加増設したの空気循環の魔道具もあるから1ヶ所壊れた程度じゃ坑道内での空気の循環は止まらなくなる仕組みになってるって感じだよ」


「うーん····· ええと·····」

「ふむ、なかなか良くできたシステムじゃのぅ·····」


「そりゃフシ町の坑道を全てスキャンして立体データにして物理演算で空気の流れを計算して岩盤の耐久とかも含めて追加の換気坑を増設したからね、もし増設してもパイプを増設すれば簡単に空気を送り込めるようになってるし」


「やっぱりソフィには適わないや····· ボクの代わりに鉱山の管理やってくれないかな?」

「うむ、ワシも結構苦手なのじゃ·····」


「ったくもう····· 鉱山にとって換気システムの把握はかなり重要な事なんだよ?いつか町長になるんだからちゃんと覚えとかなきゃだめだよ?もちろんエビちゃんも町長の補佐をするんだから覚えなきゃね?」


「「へぁ~い·····」」



 ったくもうこの2人は·····


 ホントにやる気あるのかなぁ·····



 今の状況を説明すると、いつかこの町の町長になる私のお兄ちゃんと、そのお嫁さんで私の大親友のエビちゃんに鉱山町であるフシ町の主要産業の鉱業について教えている所だ。



 一応採取される鉱物・鉱石やその用途や産出場所やその状態なんかは半分くらい理解してくれたみたいだけど、鉱山内部の坑道の維持と管理について教え始めたら2人とも全然理解してくれなくて困ってる。


 まぁ、ここの鉱山はだいぶ私の手によって改良が加えられていて簡単だけど緻密な計算によって構築された安全確保のシステムがあるから難しいのはわかるけどさ·····


 ちなみに鉱山の管理者にはもう教えてるっていうか、知識を直接インプットして無理やり教えてあるから、私のポリシーにも違反しないからギリセーフだ。



「のうソフィ、お主の持ってるパソコンで管理とか出来ぬのか?どこどこでこうなってるーとかが簡単にわかるヤツ程度ならお主くらいになると簡単に作れるじゃろう?」


「あ゛あん?プログラミングめちゃくちゃ大変だからな?そんな簡単に言って出来るもんじゃないんだよ?わかる?分からないよね?」


「やばっ、地雷踏んだのじゃ」



 ·····まぁ、実は坑道内の空気を循環する魔道具に坑道内の様子を把握するための機能とか搭載してるからアカシックレコード経由だったら様子を見る事できるけどさ。


 前にヒヒイロカネゴーレムが出た時にヤバい事になりかけたから、坑道内のトラブルを把握出来るようにするシステムを作ってたりするけどさ·····


 マップ機能を使って1時間に1回くらいの頻度で坑道内の様子を更新させて、更に魔力ソナーの力で鉱床の採掘率なんかも計測したりしてるけどさ·····



 鉱山の管理くらい私の技術ナシでも出来るようにしといて欲しいのよね·····



「んじゃ続きを·····」


\おねーちゃーん!!お菓子どこー!?/


「んぇっ?あっはーい!ちょいまちー! ちょっと呼ばれたから行ってくるね、サボらないでよ?特にエビちゃん」


「わかってるのじゃ、ほれ行ってこい」

「行ってらっしゃい、あっ、ついでにお茶が無くなったから持ってきてくれると嬉しいな」


「はーい」



 続きを教えようとしたら、お菓子の場所がわからないって声が聞こえてきたのでちょっくらキッチンに向かうことにした。




「·····ん?まって、エヴィリン、今の誰かわかる?」

「む?·····確かに誰の声なのじゃ?それにあやつを『お姉ちゃん』と呼ぶヤツはワシは知らぬぞ?」


「「·····???」」





 私たちの部屋がある2階から、キッチンやリビングのある1階に降りてきた私が遭遇したのは、町長の補佐をするメイドさんのルーベさんだった。



「あっソフィ様、キッチンで誰かがお呼びですよ」


「わかってる今向かうところ」


「そうでしたか、呼ぶ手間が省けて良かったです」


「へいへいー、ルーベさんもお疲れ様ー」



 私はルーベさんと軽く会話をすると、この家にある私が改造しまくってシステムキッチンみたいになってしまったキッチンへと向かった。



「·····あれ?ソフィ様の事をお姉ちゃんと呼ぶ方っていましたっけ、·····まぁまた新しいご友人でしょうね」





 ルーベさんに挨拶した私は、そのままキッチンへと向かっていた。


「えーっと、お菓子何あったっけ····· クッキーと飴と····· あーポテチが何個かあったはず、あとはお菓子用のシリアルが何種類かあったからそれも食べたいなぁ·····」



 なんて考えてるうちにキッチンの扉の前まで到着したので、私は扉を開け·····



「·····まって、私を呼んだの誰だった?私をお姉ちゃんって呼ぶ人なんて誰も居ないはずだよね?」



 自然すぎて全く気が付かなかったけど、よく考えたら私には妹·····はいるけどまだ産まれたてで喋れないはずだし、私のことをママと呼んでる子は居るけど『お姉ちゃん』と呼んでくる子はいなかったはずだ。



 ·····誰だッ!?



 とか考えていたが、時すでに遅し。


 私はキッチンのドアを開けてしまっていた。



 そして次の瞬間·····



 ギュンッ!

 ベチイッッ!!



「マ゜ッ!!?」


『あっ····· つい癖で·····』



 私の顔面に光の玉が直撃した。





 顔面に光の玉が直撃した瞬間、私はぶっ飛ばされながらも動き始めていた。

 いつもならこのままぶっ飛ばされて扉の外まで転がり出るか壁に激突して壁尻するのがお約束なんだけど、今回は何かが変だったからおふざけ抜きだ。


 私は即座に反撃と防御をするため飛行魔法を応用して空中で姿勢を立て直すと、コケる事無く床に着地して即座に魔導障壁を展開し、更に即座に攻撃できるようマジックバレットを多重展開して待機状態にしておいた。



「くっ·····見えない·····っ!」


 しかし、光の玉をぶつけられた私の目は強い光のせいで眩んでいて、攻撃者を目視する事が出来なかった。


 だがそこはノープロブレム、光学的に見えないのならば魔力的に見てしまえばいいのだ。


 さーてさてさて?

 お顔を拝見させてもらうよ?



 私は視界を光学から魔力に切りかえ、肉眼では見えない周囲の魔力を見始めたが·····


 そこには、我が目を疑う光景が広がっていた。




「·····へっ?イデア?」




『そうだよ?どうしたのおねーちゃん?·····はっ!まさかイデアの光球でとうとう頭イカれちゃった!?』


「頭おかしいのは元々じゃいっ!·····って違う!私は頭おかしくないわいっ!」


『んひひ、そうだよねー』



 思わずツッコミ入れちゃったけど、キッチンのお菓子棚の隣の調味料入れを漁っているミカちゃんより低いくらいの身長の少女の魔力を見た私は驚愕した。


 その魔力は、色で例えるなら太陽光のような黄金色で、魔力波長にも物凄く見覚えがあったからだ。



 ·····そう、その魔力は私の妹で、まだ生後数ヶ月のはずの赤子『イデア』の魔力と全く同じだったからだ。





 数分後、ようやく視力が回復した私は視野を光学的視野に戻して、イデアらしき人物を肉眼で見た。



『おねーちゃん大丈夫?』


「大丈夫だけど·····」



 暫定イデアの少女は、一点の曇りもない明るい太陽の如きプラチナブロンドのセミロングの髪を揺らし、宝石のように美しい碧色の瞳を私に向けていた。


 ·····確かに赤ちゃんのイデアも髪はまだあまり生えていないけど美しい太陽の如き色、茶色の一切ない白色に近い金髪で、滅多に開けないから見えないけど瞳の色も美しい碧色だったはずだ。



「·····私の記憶だと、イデアってまだ産まれたてで自分で歩くどころか会話さえ不可能だったと思ったんだけど?」


『そこはイデアですからっ!』


「·····どっちの?」


『概念の方かな?』


「うーん····· わからん、説明して?」


『任されたっ!』



 そして暫定イデアによる説明が始まった。



『イデアはイデアのイデアとイデアを司る『アカシックレコード:アイデンティティ』に記録されたデータで作られたイデアの影みたいなものかな?もしかしたらって思ってやってみたら出来ちゃった!』


「·····ちょいまち、噛み砕く」



 えーっと?


 イデア(一人称)はイデア(一人称)のイデア(概念)とイデア(多分概念)を司る····· って意味かな?


 だとすると、私の妹には『アカシックレコード』が·····


 正確には、アカシックレコードは神造思考・概念補助計算記録装置『アカシックレコード』という名前で、前世の伝説の中で存在しているアカシックレコードとは違うものとなっている。


 そしてイデアはそのアカシックレコードを所持していて、何らかの形でデータを取り込んでいて、擬似的にイデアが成長した姿を四次元世界で創り、それをイデアの持つユニークスキル『イデアの炎』で3次元世界に投影する事でこうして居られるって訳かな?


 なるほど·····


 いやまてまてまてまてまてまて、流石のアカシックレコードでも記録自体は自身で集めるか、他のアカシックレコードからデータを共有して貰うしかないはずだからありえない。


 それに女神様も今はアカシックレコードの新造はやってないって言ってたはずだ。


 ·····やっぱり、製造表の中に『アイデンティティ』なんて名前のアカシックレコードは無いわ。


 まさか、天然物のアカシックレコード!?



 こうなりゃハッキングを仕掛けるしかないっ!情報戦の開始だっ!


 ·····って、セキュリティ甘っ!よっわ!!


 簡単に突破できて·····


 いや違う、これは私のセキュリティコードと一致してる·····?


 それに、このデータ、私のアカシックレコードのと全く同じだ·····



 ·····まさか?



「·····いーでーあー?」


『すぴゅ〜♪ ぷひゅ〜♪ ぽぴゅ〜♪』


「ヘタクソな口笛を吹いてもごまかせないよっ!!アンタお姉ちゃんがユニークスキル封印制御用に仕込んだアカシックレコードをハッキングしたでしょ!?」



 そう、そのセキュリティコードは、私がイデアが制御しきれていなかったユニークスキル『イデアの炎』の制御及び封印用の仮説アカシックレコードと同じものだった。

 それはつまり、イデア自身がアカシックレコードをハッキングして我が物にした上で本物まで昇華させた事を意味するのだ。



「イーーーーデーーーーーアーーーーーー???」


『し、しーらないっ☆』


「こ、このッ····· クソ妹ォァーっ!!!」


『ごめんなさぁぁぁああああいっ!!』


「逃げんなゴルァー!!!」



 黄金色の髪を揺らしながら逃げ出すイデアを、彼女と真逆の銀灰色に青白く煌めく髪を揺らしながら追いかけた。


 こうして、僅か生後1ヶ月未満の私の妹と、前世を含めると40歳を超えてる姉の私の姉妹喧嘩が始まったのだった。



名前:ソフィ・シュテイン

所有アカシックレコード名:『トリニティ』

ひと言コメント

「まだ本物って確定した訳じゃないけど、アレ確実にイデアのスタ○ド、幽○紋だ!早く捕まえないと絶対私が怒られる羽目になるっ!まちやがれーっ!!イーデーアーッッ!!!(憤怒)」


名前:イデア・シュテイン?

所有アカシックレコード名:『アイデンティティ』

ひと言コメント

『ひーんっ!おねーちゃん怖いいいっ!くらえ『天上の輝き』っ!うぇっ!?当たらないっ!?きゃぁぁぁああっ!にっげろーっ!!』




名前:ラクト・シュテイン

ひと言コメント

「またソフィが暴れてるなぁ····· どうせこの後怒られて教えるどころじゃなくなりそうだし、今日の勉強はここまでかな」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「マジでうるさいのじゃ····· あー勉強しすぎて頭痛いのに騒がれて頭がクラクラするのじゃ····· とりあえずソフィを見つけてアゴ外して黙らせるのじゃ」


名前:ルーベ

ひと言コメント

「はぁ····· またソフィ様が騒いでますね····· とりあえずリラ様かフェルゼン様にご報告ですね」


名前:リラ・シュテイン

ひと言コメント

「ほらほら泣かないの、イデアはソフィと違ってすごく良い子だものね、よしよし·····」


名前:イデア

ひと言コメント

「·····うー」

『·····なんで露骨に目を逸らしたのかしら、なんだか物凄く嫌な予感がするわ』


名前:フェルゼン・シュテイン

ひと言コメント

「·····うるさいな、またソフィか·····いや、ソフィ以外にも誰か騒いでるのか?·····確実にエヴィリンだな、全くあの2人は仲は良いのにケンカばかりするな····· ケンカするほど仲がいいとは言うが、いい加減喧嘩し過ぎだよな····· よし、そろそろ父親らしく厳しく説教するべきだな」


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