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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
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私の力の使い道と制約



 航空宇宙魔導戦闘機での飛行試験を終えた私は、そろそろ日暮れという事もあって帰ろうとしたが同乗者の玄武さんがダダをコネたせいでもう少し宇宙空間に居る羽目になってしまった。


 そしてついでに私はもっとも速度の出るメインの推進方法『魔導力加速推進システム』の試験も行う事にして、ここから700km近く離れた地点にある私の衛星『賢者の杖』まで行って観光して帰る事にした。



「ふぅ·····動力変更、ロケットエンジンから魔導力加速推進システムに変更」



 キイイイィィィィィィン·····


 キュアァァァァァァァアアアンッ!



 ホログラムウィンドウで制御画面を呼びだした私は、手動で推進システムを切り替えた。

 それと同時に中央に構えたロケットエンジンの後部に光り輝く真っ白な魔力の環が出現して渦巻き始めた。


 だが光の環はまだ魔力も最低限しか込めておらず、更に空間属性の魔力をまぜていないため待機状態で、回転速度もゆっくりになっているし、エンジン一つにつき一つしか環ができていない。


 ·····ちなみにこの環、一つ出現させるだけでも50万以上の魔力は必要だから並大抵の魔法使い如きじゃこの戦闘機を動かす事さえ不可能だったりするけど、無限大の魔力を持つというか生み出せる私だったらお茶の子さいさいだ。



「賢者の杖の現在位置を確認····· 確認完了、よし!光学望遠魔法にて捕捉っ!距離713km、フシ盆地上空1013km地点にて静止中っ!」


『おや?もしかしてだけど、目標地点がもう見えているのかい?すごく目がいいね』


「んにゃ、魔法で拡大しただけですよ」


『なるほど、そういえば光魔法に遠くの景色を見る魔法があったね、それでも結構な距離がある気はするね』


「まぁそりゃ700km先ですもの」


『·····ボクが言いたかったのは、そんな先のものを見つけられるのは凄いねって事だったんだけどね』


「あーそっちでしたか」



 700km先は流石に視力10以上で測定不可能な私でも肉眼だけでは見えない領域だけど、そこはこの戦闘機に備え付けられた魔導光学式望遠鏡魔法システムを使って捕捉してしまえばいい。

 更に、実は裏で賢者の杖から魔力を発してもらって双方向からの座標の確認なんかも行っていたり·····


 まぁそれは今はどうでもいい。


 私がやるべきことは、あそこまで一分以内に行って戻ってきてみんなの下へ帰る事だ。

 今日は私がすき焼きを作るって言っちゃったから遅れて作れなかったとかなったら確実にみんなから袋叩きにされると思う。


 私は生き返る事ができるけどやっぱり命は惜しいからねっ☆



「さてと、そんじゃ行きますよ!」


『どうぞー』


「言質はとりましたよ?それじゃ····· 魔力強制流入開始っ!魔力光環回転速度上昇っ!!時空属性魔力付与っ!カウント省略っ!出発ッ!!!」



 ギュアァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!


 ズッッッドォォォォォォォオオオオオオオオオンッ!!!



 そして魔力の流入を開始した瞬間ロケットエンジンの後部に魔力光環が多重展開され、更に時空属性を込めた途端に魔力光環が空間を切り裂きながら機体が瞬間的にマッハ40にまで加速し、私たちの乗った戦闘機は流星より早く人工衛星『賢者の杖』へと向けて飛んで行った。





 きっかり1分後·····



「到着っと、これマジで速いわ·····」


『いやあ本当に早かったね、それで、あの鋼の玉がキミの言う実験施設かい?』


「そうですよ、他にも用途はありますけどね」



 私たちの乗る戦闘機はあっという間に人工衛星『賢者の杖』へと到着してしまった。


 そういえば転移じゃなくて移動で来るのは久しぶりだなぁ·····

 こうして見ると賢者の杖って意外と小さいのよね。


 たしか直径20mくらいしかないはずだし。



『ところで、他の用途ってなんだい?』


「えーっと、気分転換でこっちで過ごすための部屋があったり、地上の様子を偵察する機能だったり、地上に爆撃するための攻撃設備なんかがありますね」


『へえ、ここから攻撃もできるんだね』


「んふふ、多分玄武さんの本体でも直撃したらタダじゃ済まないですよ?」


『だろうね、それにボクの攻撃ではこの位置まで届かないだろうからね、一方的にやられてしまいそうだよ、届くのは····· レディクルスとあのバカ鳥くらいじゃないかな』


「バカ鳥·····?あー、うんわかった、アイツか」


 バカ鳥について気になるかもだけど、今回は割愛で。

 アイツの事思い出すと頭痛くなってくるから。



 で、この賢者の杖は私の部屋や観測設備を整えてできた多目的衛星なのだが、本来の目的は攻撃衛星として作っていた衛星なのだ。


 しかも作った当初からかなり改造されているから、多分攻撃をしたら玄武さんの甲羅でさえ破壊できるほどの威力になっているだろう。



『それにしても、キミは素晴らしいけど恐ろしい物をたくさん作るね』


「んっふっふ、でしょう?」


『帰る前に一つだけきいてもいいかな?これだけ聞いたら帰ってもいいから』


「なんです?なんでも聞いてくださいな」


『·····キミは、世界を滅ぼしかねない兵器を大量に製造して何をするつもりなんだい?』


「ん?何もするつもりないですよ?ただの自己満足ですね」


『·····へえ?』



 確かに私が作るものは文明を崩壊させかねないオーバーテクノロジーな兵器や技術だ。

 だけど、それらは全て私が趣味で使うだけに作っている。


 しかも別に私はこれを使って世界を支配しようとかどっかの国を滅ぼそうとかは考えていない。


 この戦闘機だって、私が戦闘機が好きなだけで作ったロマン兵器でしかない。

 もしかしたら魔物の討伐とかに使うかもだけどねっ☆


 でも、これを量産して、誰でも乗れるようにして、どこかの国に納めて軍事を拡張するとかそういう事は絶対にやらないと私は自分に制約をかけている。



 私の制約はこんな感じだ。




『私が趣味で作った技術や道具は私以外が使えないような設計にして、技術の普及もさせない』


『私の作った道具の中で、誰しもが使えて普及させる道具は生活を便利にするための道具のみとする』

『なおかつ、この世界の文明レベルで作れる範囲の物で、私依存で量産をしない事』


『私はどの国の依頼でも絶対に殺戮兵器の開発・提供をしない』


『私が作ったモノは基本的に戦力として用いない(魔物の討伐や遊びや非常事態などを除く、戦闘は基本的に私が生身で行う)』




 この四つを基本として、たった一つで世界のパワーバランスが崩れかねない道具を使わせないようにしているのだ。



「この四原則は守っているので世界のパワーバランスが崩壊するようなことは起きないですよ、それにただの自己満足ですからねっ☆」


『そういう物なのかい?ボクが過去に見てきたヒト達は力を手に入れると驕って、最後は必ず滅んでいたけれど·····』


「別に私は世界の支配とか興味ないですし、統治とかクソめんどくさいんでこっちからお断りです、その代わりに自分勝手するのが大好きなんでこうやって物凄い兵器を開発して遊んでるんですよ、それに私はもうヒトじゃないので」


『なるほど、ボクでさえ初めて見るタイプという訳だね』


「そうなんですか?·····まぁそれもそっか、私、珍しいですもんね」


『自分で自分の事を珍しいとか言う人類にはロクなやつがいないっていうのは知っていたんだけどね、キミは例外だったら良いなと思うよ』


「いや私はマトモですから、それじゃ帰りましょっか」


『ああ、もう帰る時間なんだね、今日は貴重な体験をさせてもらったよ、ありがとう』


「どういたしまして、んじゃ帰りまーす」



 そして私たちは、私の私利私欲と自己満足で作り上げた戦闘機に乗って大気圏に再突入し、玄武さんの本体の滑走路に向かった。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「·····なーんてカッコよく言ったけど、原文は『私の突出した技術は遊び以外には使わない』なんだよね、だって私はこの世界の今の文明が好きだから発展してほしくないし?」


名前:玄武

ひと言コメント

『石の子は本当に規格外な存在なんだね、いやあ今日は良い体験をしたな』


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