キノコVSタケノコ抗争っ!
えー、はい、僕です、フィーロです。
実況は僕とよく分からないこの子でお送りします。
今僕は沢山のムキムキなキノコと突然現れた少女に囲まれながら、道場破りに来たというこの国のSランク冒険者の『リリア』さんと、同じくSランク冒険者で僕の彼女のソフィちゃんの戦いを見守っています。
·····まずこれ戦いなのかな?
戦いだぞ
君はちょっと黙ってて
·····僕がそう疑問に感じた理由をみんなにも見てもらおうと思う。
というか見て欲しい、僕が頭おかしくなったんじゃないって証明したいから。
「·····キノコさん、これってちゃんとした戦いなの?」
『Mushr!』
「うむ」
「あっ頷いた、本当にちゃんとした戦いなんだ·····」
◇
「うぉらぁぁぁああああっ!!キノコ神拳奥義っ!キノコの呼吸壱の型っ!コォォォオオッ!ヒッヒッフーッ!!キノコ魂ッ!!」
「でりゃぁぁぁああああっ!!タケノコ神拳奥義っ!震えるぞ若竹っ!燃え尽きるほど竹炭っ!おおおおおっ!刻むぞタケノコのビートッ!!若竹色の筍大成長っ!!」
ズドォォォオオンッ!!
「まだまだぁ!タケノコ神拳秘伝奥義!竹輪キャノン!」
「なにっ!?キノコ神拳奥義っ!あっち向いてホイっ!」
ドッカァァアアアンッ!
ギュオァッ!!
「逸らされたっ!?」
「この程度?タケノコ神拳も衰退間近じゃないの?」
「ふんっ、そういうキノコ神拳だって不作が続いてるんじゃないか?今年はタケノコは豊作だぞ?」
「去年はこっちの方が豊作でしたしぃ?」
「·····2人とも絶対面識あったよね?」
「「ないけど?」」
「えぇ·····」
「拙はあるぞ」
「僕君のこと知らないんだけど·····」
そう、キノコ神拳とタケノコ神拳の戦いとは!己のビートと相手のビートを重ね合わせ!どちらのビートに合わせるかで勝敗が決まるという正にキノコとタケノコの炊き込みご飯のような戦いなのだッ!!
考える前に感じるその前に動くっ!
それこそがキノコ神拳の根底にあるテーゼなのだ!!
「まだ第三ランドは終わってないっ!だが一撃で終わらせるっ!」
「あぁ!アタシもこの一撃に全身全霊を賭けてやるっ!」
「キノコ神拳究極奥義!胞子炸裂拳っ!」
「タケノコ神拳究極奥義ッ!雨後の筍拳っ!!」
「アタタタタタタタタタタタタタタタタタァッ!」
「オラオラオラオらオラオラオラオオラオラァ!」
\ぽふぽふぽふぽふぽふぽふぽふぽふ/
「すごい····· 目にもとまらぬパンチの雨なのに音が『ポフッ』だから全然迫力がない····· というか一撃じゃない·····」
私は必殺の胞子炸裂拳を解き放つが、相手も雨後の筍拳で応戦し、拳と拳とトコブシがぶつかり合う熾烈な戦いが始まった。
「くっ、テンポアップするよっ!トコブシ(Sulculus diversicolor supertexta(学名))はアワビと同じ軟体動物門腹足綱ミミガイ科の藻食性の海生巻貝の一種だぁぁあああっ!!!」
「な、なんだってー!?ぐぁっ!うぎゃっ!痛っ!へぶっ!ぐあああああああああああっ!!!」
「いやなんで?というかトコブシって何!?説明が意味わかんないんだけど·····」
「ちなみに美味いぞ」
「へぇ」
私がテンポアップすると次第に私の繰り出す拳の数が増え、迎撃しきれなくなったリリアは何発も拳を受けてしまい、吹き飛ばされて背後にあったキノコの山へと突っ込んだ。
「ふっ、第三ランド、勝利っ!!」
「今のはなんとなく勝ちってわかったけど·····」
『まだだ!まだ終わらねぇよ!!』
「なにーっ!?」
ドバァァアアアアンッ!!!
「あぁぁああああっ!!!キノコさんが吹っ飛ばされたァァああっ!!?お前!キノコの心がないのかぁ!!」
「生憎タケノコの魂しかないもんでね!」
「くっ····· こうなりゃタケノコも七輪で焼いてやるっ!第四ラウンドは私が貰うよっ!キノコ神拳究極奥義!五+二輪競技大会会場設営はお任せあれっ!!」
「なんだとぉ!?まさかお前っ!タケノコ諸共香ばしく焼く気かっ!?」
「えっ、なんで地面から巨大な七輪が出てくるの?」
「焼くのはやっぱり七輪が良いからな、ふいんきがあるからな」
「雰囲気!ふ!ん!い!き!!なんでみんな間違え····· いやもう僕が間違えてるのかな·····」
私は第四ラウンドを支配するため、リングを巨大な七輪にして行う『五+二輪競技大会公式戦』に則ったリングへと変化させた。
「七輪の上は我々キノコ神拳の独壇場っ!貴様らタケノコ神拳に勝ち目などないっ!」
「ふっ····· それはどうかな!ふはは!既に木炭を竹炭にすり替えておいたのさ!」
「き、貴様ぁ!! くそっ!これで同じ七輪グに立ったという事か!」
「今のちょっと上手じゃなかった?」
「オヤジギャグだから寒いぞ」
「·····みんなのセンスが僕全く分からないんだけど」
「あぁそうさ!じゃあ行くぜ!」
「たとえ燃料が竹炭になろうとも七輪であることに変わりはないっ!行くぞっ!!」
「「第四ラウンド、スタートだっ!」」
「えっ、開始の合図って僕の役目じゃ·····」
開始の合図とともに私とリリアはリングの上へと飛び乗り·····
「あっちゃっちゃっちゃっ!ダメだこれ熱いっ!あぢゃっ!」
「あっっっつううぅぅぅぅぅううううういっ!!!足がっ!足が焦げちゃうっ!!」
「「こんがりウェルダァァアアアアアンッ!!!!」」
私は金網に足を乗せると、すぐさま熱された金網で足の裏が焼かれて悶絶し始めた。
それはリリアも同じだったようで、お互いに金網の上をピョンピョン飛び跳ねながら熱さから逃げまどってしまった。
「·····熱々の金網の上に立ったら熱いなんて当たり前じゃん」
「「当たり前体そぁあっぢゃぁぁああっ!!」」
「熱いのになんで2人とも足止めて踊り始めたの·····」
「ぬ?うぬが振ったからだろう?」
「えっ僕のせいなの!?」
「ダメだ!バター醤油の構えが通用しないっ!」
「アタシのホイル焼きの構えもだっ!ここは一時停戦するぞっ!協力して逃げ出すぞっ!」
「当たり前よっ!」
「「はぁぁぁあああっ!キノコタケノコ神拳合体奥義っ!炊き込みご飯の乱っ!!」」
私は足の裏に走る焼かれる激痛をものともせずに金網の上で踏ん張ると、私の肩の上にリリアが飛び乗り、多段ロケットの構えになった。
そして私の熱さの我慢が限界に達すると·····
「あっっっっっっぢぃぃぃいいいいいいいいっ!!!」
「いざ空へフライハーイッ!!!」
\バヒューンッ!!/
私は足の裏から煙を上げながら空のかなたへと吹っ飛び、肩に乗っていたリリアもそれに伴い上空へと吹っ飛ばされた。
そして·····
「キノコ神拳奥義っ!キノコの落下傘っ!!」
「タケノコ神拳奥義っ!かぐや姫の緊急竹脱出ポッド!!」
私は頭の上から巨大なキノコを生やしてキノコの傘でパラシュートを開き、リリアは私たちの周囲を竹で包み、落下の衝撃を抑える奥義を発動した。
「·····まって?落下速度落ちてなくない?」
「そういやそうだな、というかこのままだと地面に突き刺さるんじゃねぇか?」
「やっべ!そういえばパラシュートにキノコは使えないんだった!」
「やべぇ!アタシも忘れてた!竹は脱出ポッドに使えねぇんだった!!」
「「·····ヘルプミィィィィイイイイイイッ!!!!」」
だが、私たちの助けを求める声は誰にも届かず、そのままの勢いで地面へと墜落してしまった。
\どごーん☆/
◇
2人が入った竹が落下するのを遠くから見ていた僕は、竹が完全に落下して地面に突き刺さったのを見届けて急ぎ足でそこへ向かっていった。
「2人とも大丈夫?」
『へるぷみー』
『ぷみぃー』
「·····元気そうだし放置しよっかな」
『チョマテヨ!』
『そこに竹取の斧の翁が落ちてるだろ!それで竹を切ってくれ!』
「·····竹取の翁の斧じゃない?·····うわ本当に斧が翁を振り回してる·····」
巨大な竹の近くを見ると、何故か巨大な斧がお爺さんをフルスイングで振り回しているのを目撃してしまった。
正直ついて行けないけど、うん、こうするしかないかぁ·····
「あ、あの、すいません、ちょっとよろしいでしょうか·····?」
「なんじゃ?わしに用かのう?」
「えっお爺さんが喋るんだ····· しかも聞き取りずらい·····」
「ほれさっさと言わぬか、わしは忙しいんじゃ」
「えぇ····· えっと、そこの巨大な光る竹を切って欲しいんです·····」
「任せよ、鍛えられたわしの肉体で切ってやるわい」
「あ、ありがとうございます?」
僕は話をしながらも振り回され続けるお爺さんと交渉して、ソフィちゃん達が入った竹を切ってもらう事にした。
「ではゆくぞ、ふんっ!!」
パッカーン!!
もうツッコまないけど、斧に振り回されていたお爺さんが竹に直撃すると、何故か竹が縦に裂けて中から七色に輝く物凄い光が溢れ出し、妙にポップな音楽が流れ始めた。
せめて横に切れてよ·····
\ずんずんちゃかちゃか♪/
「私はキノコ帝国からの使者、ソフィ・シュテインっ!」
「アタシはタケノコ公国からの大使、リリアっ!」
「「2人そろってキノコタケノコシスターズッ!!」」
「·····何やってんの2人とも」
「しらぬ」
「君が知らなかったら僕どうしたらいいの?」
「さぁ?」
「·····第四ラウンドは両者優勝かな」
「あぁ、引き分けじゃねぇ、2人が勝者だっ!」
「リリア·····」
「ソフィ·····」
そして2人は潤んだ目で向かい合って見つめ合うと、そのまま顔を近寄せ·····
\くきゅう/
「·····ぬ?」
「お腹すいちゃった?そういえば僕もお腹すいてきたなぁ·····2人とも、そろそろお昼ご飯にしない?」
「「賛成っ!!」」
「よーし!お昼はたっぷりキノコご飯をふるまっちゃうぞー!!」
「おいおいそこはタケノコご飯だるるぉ!?間違えんじゃねぇ!!」
「あ゛あ゛ん?じゃあどっちが美味しいか決めようじゃないの!!第五ラウンドはクッキング対決だ!」
「おうおういいじゃねぇかやってやんよ!タケノコの実力をみせてやんよ!!」
という訳で、第五ラウンドはお昼も兼ねて炊き込みご飯バトルをすることになった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「流石は本家から分かれた10ある神拳のうち、最も本家に近い神拳同士というだけある、マヨネーズに使われる酢と油くらい相性抜群だな·····」
名前:リリア
ひと言コメント
「あぁ、だがワタシらだけでは成り立たない·····っ!そこのアイツが卵黄となる事でマヨネーズは完成するのだ!!そうだろう?」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「えっ僕なの?普通にツッコミしてるだけなんだけど·····」
名前:????
ひと言コメント
「うむ、やはりうぬが居ねば成立せぬな、ツッコミ役は重要だぞ」




