そろそろ運動しないと太りそうって時に
私に妹ができてから数週間後·····
私は自宅というかディメンションルームのリビングでいつも通りくつろいでいた。
ちなみにフィーロ君のお母さんも先日元気な男の子を産んで、私に義弟が1人増えたりもした。
そして無事に退院したお母さんとイデアだったけど、王都からフシ町までは遠く、普通の馬車では少し厳しかったので母子に負荷を掛けないようお母さんとイデアを転移で連れ帰ったり、帰った後パーティーをしようとしたけどどうせならフィーロ君の家と合同で出産祝いパーティーをすることになったりした。
合同出産祝いパーティーは来週の予定なので、私は暇を持て余していたのだ。
ホントはパーティーの準備の手伝いとかもしようとしたんだけど、業者·····というか町の料理屋に頼むから出番が無くて暇って言うのもあるけどね。
「はぁ·····平和が一番」
「どうしたの急に?」
「ん?いやー、そろそろ卒業して一ヵ月経つけどさ、学校に通ってた頃と比べると平和になったなぁ·····って思ってさ?」
「確かに、あの頃と比べると今はだいぶのんびりしてるもんね」
学校に通ってた頃はなぁ·····
毎日が楽しくて仕方なくて、いつもみんなでワイワイギャーギャー騒いでたもんなぁ·····
そんで、いざ卒業したら急にやることが無くなっちゃって、今みたいにぐうたら生活を送ってしまっている感じだ。
「·····ソフィちゃん、他の子はもう働き始めてるし、ソフィちゃんも何か始めたら?」
「あーーー·····」
実の事を言うと、この2週間でみんなは新生活の準備を進めていた。
一番頑張っていたのはアルムちゃんとグラちゃんだろう。
グラちゃんは私たちが通っていた学校に逆戻りして、予定通り研究職に就いたらしい。
もうすでに小さいながら研究室を貰っていて、研究分野は『ダンジョンについて』だそうだ。
ダンジョンにはまだ謎の多い人外未知の効果が沢山あり、本人がダンジョンであるグラちゃんが研究を行えば何か新たな発見があるだろうという事でまかされたようだ。
なお、研究室にはグラちゃん一人しか所属しておらず、ノルマも『ソフィが迷宮に行く際は必ず同行し、調査を行い、その都度提出すること』って事になっているそうだ。
要はグラちゃんが実家に帰らなくてもいいようにした配慮だったり·····
あれ?これ校長先生による学校の私物化じゃ·····?
·····うん、忘れよう、それがいい。
話を切り替えて、アルムちゃんは今は開業のための手続きに追われている所らしい。
彼女の計画では魔法学校都市のなかよし組のパーティホーム近くの大通りにあった空き店舗を借りて、しばらくの間はそれで自分のお店を開く練習をするそうだ。
あと店員を雇うか迷ってたから、給料も要らないしよく働いてくれる私の分身体を一人貸し出してあげる契約になってたりする。
ちなみにアルムちゃんの希望で、貸し出す私は従業員への対応を学ぶため、友達贔屓ナシでアルムちゃんに接する一般人の店員っぽい性格にしてあったりもする。
セクハラしたら容赦なく殴るよう言ってるけど、一日5回は殴ってる。
動き始めたのはこの2人だけじゃない、エビちゃんはお兄ちゃんと一緒に町の管理を行うための勉強をしていたり、ウナちゃんは片方は今もお城でイルミア君と色々やってるらしいし、チェルは世界樹の洞に秘密基地を頑張って作ってるし、ミカちゃんは王城で使われているベッドを手に入れようと結構頑張っている。
·····後半2人は趣味っぽいけど、みんな将来の為に頑張っているみたいなのだ。
「·····確かに私、なにもしてないなぁ」
「何かやりたいこととかないの?」
「いやぁ····· 何でもできちゃうからこそ、何をしていいかわかんないんだよね·····」
「そっかぁ」
「やっぱり私、専業主婦になろっかなぁ、そんで時々冒険者として活動するとか?」
「いいんじゃないの?そろそろ結婚もするし、子供も産むつもりなんでしょ?」
「結婚はしたいけど、赤ちゃんはなぁ····· できればもうちょい体が成熟してからがいいなぁ」
一応肉体的に見れば私はもう子供を産める身体になってるけど、やっぱり不安なのよね·····
それにモデルとしてこの前雑誌デビューしたばかりなのに、妊娠しちゃったらモデル業は断念しなきゃだし、続けたいならマタニティモデルに転向しない限り妊娠はできないし·····
結局どっちかをあきらめなきゃなのよね·····
あと、育児が始まったら私の自由がだいぶ減っちゃってしばらくは動けなくなるからなぁ·····
ぶっちゃけまだ遊び足りないし、まだまだこの世界を満喫したいって思ってるのよね。
でもこの前お母さんがイデアを産んで抱かせてもらって、自分の子を産みたいっていう考えも凄く出てくるようになったし·····
あーやることが多いっ!多すぎるっ!
「·····ソフィちゃんはいつ頃妊娠したいって思ってるの?」
「今年はちょっとまだかなぁって思ってる、最低でも来年16歳になってからかなぁ·····」
「そっか、まぁ子供については僕もゆっくり考えた方がいいなとは思ってたからその意見に賛成かな?じゃあ他に何かあるかな·····」
「あー、結婚式の予約とかしに行くのもアリかもね、いつにする?」
「確かに、別に僕は今からでもいいけど·····」
「そういえばエビちゃんとお兄ちゃんが今週末に教会に結婚式の相談をしに行くって言ってたからさ、私たちもその時にしない?」
「それいいかも、じゃあ僕たちも便乗させてもらおっか」
「はーい」
よし、今週末にも結婚式の相談をしに行くぞーっ!!
「·····で、ソフィちゃん?」
「はいはい?」
「いつまでぐうたらしてるの?そろそろ動かないとまたあの時みたいに太るよ?」
「それはマズい」
·····恥ずかしい話、ここ数週間で数キロも体重が増えたからいい加減動かないとって思ってたんだよね、フィーロ君はスレンダーな方が好みだから体型もキープしたいし、筋力も落ち始めてるし、イデアにいい所を見せたいからちょっと頑張るかなぁ。
「そうだ、フィーロ君も最近筋トレで伸び悩んでるんだっけ?」
「うん····· もうちょっと筋力をつけたくて頑張ってるんだけどなかなかうまくいかなくて·····」
「じゃあさ、私が師範代をやってる道場でしばらく修行してみない?キノコ神拳の魔物道場だけど、私の許可があれば人間でも参加できるよ?」
「えぇ·····キノコ神拳ってあの頭おかしい拳法?」
「頭おかしいっていうな!マッチョマッシュ率いる武闘派魔物の間で数万年受け継がれ続けて磨かれた歴史ある拳法だからっ!」
「わかった、わかったからそう熱くならないで?」
「·····まぁ風変りで型破りな拳法なのは認めるけど、普通に筋トレとかもするし、そういうのに詳しい魔物もいるから普通の道場よりいいと思うよ?」
「うーん·····」
「私はしばらく筋トレというかダイエットで通うからさ、フィーロ君も体験してみない?」
「それだったらいいかな·····」
「よっしゃ!キノコ神拳の極意、フィーロ君にも伝授してあげるからねっ☆」
「それは要らないから」
「ひんっ·····」
っていう訳で、何かしなきゃと思っていた私はフィーロ君と一緒に私が師範代を務める『キノコ神拳』の魔物道場に通って、しばらくダイエットと筋トレをすることになった。
「まぁ気を取り直して、早速しゅっぱ····· \えいごリ〇ーン♥/おっ!?丁度道場に居る魔物たちから連絡が来たっ!」
「連絡くるんだ····· っていうか着信音キモ·····」
「何かあったときのために、マッチョマッシュとマッスルマッシュを『魔物姫』の力で何匹か私の配下にしてあるからね、一応遠く離れてても連絡ができるんだ」
「そういえばソフィちゃんって魔物を支配する能力持ってたね」
「うんうん、今の今まで忘れてたけど·····」
一応私は『姫』級のスキルと魔法を何個か所有している珍しい人物で、よく使う『絶淵の奈落姫』&『泡沫ムゲンの眠り姫』や『賢者姫』の他に『魔物姫』、またの名を『モンスタープリンセス』という力を持っているのだ。
これはその名の通り、自分より弱い魔物を配下にできるという姫という名ににふさわしい力を発揮できるスキルの領域に足を突っ込んでいる魔法なのだ。
ちなみに私の魔物四天王は今の所『もっふす』『アキさん』『アシュラスケルトンさん』『インディペンデントフォートレスタートル『玄武』』となっている。
突撃ピヨ三郎はまだ四天王見習いだ。
·····言いたいことはわかるよ?
アキさんは精霊だけど一応学術上は魔物であった『家事妖精シルキー』が進化した種だから魔物で配下ってことになってるのよ。
·····インディペンデントフォートレスタートル『玄武』は私たちが卒業試験で戦った超巨大要塞亀で、彼女曰く『負けたからには相手に従うのが魔物の流儀』との事で、彼女の艦隊も含めて全員配下に加わったのだ。
とりあえず強すぎたので、空席を埋める要員だった突撃ピヨ三郎を降格してランクインしたのだ。
本人からはみだれツツキで抗議されたけど、玄武さん本人を見たら恐慄いて自ら格下げを選んだのよね。
あっそうそう、彼女には『玄武』という名を贈っている。
というのも、どうやらこの世界には四神に相当する魔物が存在しているらしく、彼女と面識のあるリヴァイアサンの大親玉、雷炎の不死鳥、白銀の雷虎という3匹の強力な魔物が存在しているとか。
ちなみに飲み仲間らしく、時々人間の体で人間の町で集まって飲み会をしてるとか·····
そのうち四神の皆さんにも挨拶に行く予定もあるが、所在地不明のため難航中だ。
「っと、マッチョマッシュからの連絡を無視してたわ、ごめんごめん」
危ない危ない、そういえば道場に居る配下のマッチョマッシュから何か話しかけられてたんだった。
忘れるとこだったわ~。
「はーい?もしもし?」
『Smush!mussh!!muuuuuuuusshhhhhhhhhhh!!!!!』
「·····はぁっ!?えっ!?大丈夫なの!?」
『SSmuMuuuusshhhh!!!』
「わかった!今すぐ行く!それまで何とか持ちこたえてっ!」
「ソフィちゃん何かあったの?」
「あったも何も!道場破りが来たんだよっ!!!『タケノコ神拳』継承者が殴り込みに来てキノコたちが喰われてるらしいんだよっ!!」
「えっ!?全然意味わかんないんだけど!?まず『タケノコ神拳』って何?」
「説明は後ッ!くっそー!好き勝手しやがって!誰か知らないけど『キノコ神拳』でボコボコにしてやるっ!!」
「ちょ、まっ!僕も行くのっ!?」
「当たり前でしょ!?ほら行くよっ!」
私は運動用の服に早着替えすると、かつて私が戦ったキノコ神拳の継承者『マッスルマッシュ・ノーススター』さんから継承した『神拳:キノコの拳』を両手に装着し、フィーロ君を引き連れてこの国の秘境にある幻のキノコ神拳の魔物道場へと転移で向かった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「キノコ神拳とタケノコ神拳の関係ぃ?そんなん決まってんでしょ!絶賛抗争中よっ!犬猿の仲ならぬ『茸筍の仲』よっ!!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「僕そろそろツッコミ神拳とか覚えた方がいいかな? あぁ、今日は久しぶりに沢山ツッコミをいれなきゃいけなさそうだ····· 明日は喉が枯れてそうだなぁ、ソフィちゃん特製喉にいいドリンクを飲んで日本でのど飴買ってこないと····· よし練習、あーあー····· おほん、『タケノコ神拳って何!?ちょっと!ソフィちゃん!ちゃんと説明してよ!!』·····こんな感じで大丈夫そうかな?よしっどうせ止められないし今日も頑張ってツッコミしよう!」
名前:????
ひと言コメント
「お、もうキノコタケノコ抗争の回か、·····うむ、せっかくの弟子の活躍の場だ、いても立っても居られない、拙も行くとしよう····· キノコ神拳究極奥義『TOKI〇×キノコ』発動、うおおお、キノコよ大志を抱けぇ〜」
\シュンッ!/




