披露宴 終わって残るのは 疲労のみ
私がまだまだ寒い春の夜空の下でフィーロ君と結婚式の話をして数十分後、ウナちゃんの結婚披露宴は終わりを迎え、これにてウナちゃんとイルミア君の結婚式は完全に終わりを迎えた。
そして私たちはこの後夫婦の時間を過ごす2人に悪いと城下町の宿に泊まろうという事になったのだが·····
「えへっ、戻ってきちゃった☆」
「·····早くディメンションルームに行ってくれない?」
『『はーい』』
·····次々期女王の結婚式というだけあって国内外からこの町にめっちゃ人が集まってて、泊まれる宿が一軒もなかった。
とりあえず私たちはお母さんを魔動車に乗せて病院へと送り届け、お父さん達は病院近くの宿に泊まるらしくて病院前で別れてからウナちゃんの部屋に逆戻りしてきてしまったという訳だ。
Sランク冒険者の権力をもってしても流石に満員の宿を空室にするのは無理だったのよ·····
って訳で、私たちはものすごーくいい雰囲気になっていたウナちゃんとイルミア君をちょっとだけ邪魔しちゃったから、大急ぎでディメンションルームへと駆け込んでいった。
◇
「はひぃ、疲れた·····」
「ソフィちゃん、お疲れ様」
家事精霊のアキさん率いるシルキーメイド部隊に手伝ってもらって『着づらい・脱ぎにくい・着てて疲れる』の三拍子が揃ったドレスをアキさんにグチグチ言われながら脱がしてもらったなかよし組の女子たちは、着替え終わってメイクを落として部屋着に着替えてリビングにやってくると、即座に全員ぶっ倒れた。
今日はさすがのグラちゃんでもきつかったのか、今は床でクッションを枕にしてうつ伏せで寝転がっている。
ちなみに私は先に着替え終わってソファでくつろいでいたフィーロ君の膝を枕にして寝転がっている最中だ。
「あー·····こういうとき男子ってうらやましい····· 女子ってドレスって脱ぐのも面倒だしメイク落としたり髪も元に戻したりしなきゃだから大変なのよね·····」
「そうなんだ····· ごめんね?」
「フィーロ君は謝らなくてもいいんだよ?」
「あっごめんつい癖で·····」
「ほーらまた謝ってる、んふふっ」
「なんかつい謝っちゃうんだよね····· なんでだろう?」
「それもフィーロ君らしくて私は好きだよ?」
「あ、ありがとう·····」
「·····そこの二人、イチャイチャするならお風呂でやって?流石にワタシも今日は甘々はお腹いっぱいで疲れたからやめて」
「うむ、流石に今日はやめてほしいのじゃ·····」
「そうね、ミカが戻ってきたら『やかましい』っていって強制的に寝かしつけられるわよ?」
「パパとママ、イチャイチャしてるー」
「「はーい」」
フィーロ君とイチャイチャしてたらお疲れモードのなかよし組のみんなに怒られちゃった。
ちなみにミカちゃんは珍しく真っ先にお風呂に入っている。
なんでもメイクが大の苦手らしくて、そのまま寝ると大事な大事なそれこそ命と同じくらい大事な寝具が汚れるとか不満を漏らしまくってたし、メイクしたままだと寝づらいとか、腰までのびた長い髪も邪魔にならないようオシャレに結ばれてたのも気に入らないのか不満ばっかり漏らしていた。
そしてドレスを脱いだ途端、着替えるどころか下着まで脱いで物凄い勢いでメイクを落とすためお風呂へと駆け込んでいった。
·····マジで嫌だったんだなぁ、メイクも髪のセットもかなり軽めだったと思うんだけど。
まぁ、今日はみんな疲れてストレスも溜まってるだろうし、私もさっさとお風呂に入って寝よっと。
「そんじゃフィーロ君、お風呂いこっか」
「うん、ソフィちゃんの受け売りだけど、疲れを癒すならやっぱりお風呂が一番だもんね」
「そうそう、じゃあみんなも早めにお風呂に入って寝たら?」
「もちろん!ワタシたちもこの後すぐ行く予定だったからね!」
「そうね、更衣室で軽くメイクを落としたとはいえ、ちゃんと洗いたいわ·····」
「ワシはもう行くのじゃ」
「チェルは~····· おねえちゃんたちについて行く!」
「へーい、んじゃまた明日ねー」
私は快適な私専用のフィーロ君の膝枕から起き上がると、膝まk····· フィーロ君の手を取って一緒に女風呂とは別に作られた混浴風呂へと向かっていった。
◇
ちゃぽんっ
「んっはぁぁぁああああっ····· 疲れたぁ·····」
「まぁ今日も色々あったもんね」
「だねぇ····· ウナちゃんが光の大精霊を喰っちゃったり、結婚式の邪魔をしようとした奴らを食い止めたり、護衛したり色々ね·····」
ディメンションルーム内にある完全再現露天風呂にやってきた私たちは、しっかりメイクを落として髪と体も洗って化粧水とかでしっかり保湿をしたあと、疲れを癒すため温泉へと身を沈め、色々大忙しだった今日一日の疲れを落としていた。
「·····身を沈めるってこういう使い方であってたっけ?」
「えーっと、全然違うね、入水自殺とか落ちぶれた状況になるときに使う言葉だって」
「あちゃー····· うん、私疲れてるわ」
私、疲れると語彙力下がってくるのよ·····
あーダメだ、温泉だけじゃ疲労取れないわ、たっぷり寝ないと疲れ取れないやつだわ·····
「今日は流石に夜の営みは無理かなぁ·····」
「正直、僕も今日は無理かなぁ·····」
「そう考えるとさ、私たちよりもっと疲れたはずのウナちゃんとイルミア君凄いよね」
「·····確かに」
今頃新婚さんのウナちゃんとイルミア君はベッドの上で身も心も夫婦になっている事だろう。
いいなぁ·····
いや、私とフィーロと君も毎晩のようにヤッてるけどね?
でも、ここまで疲れて夜の格闘技をする元気があるのすごいわぁ·····
「でもソフィちゃんアレ渡してたでしょ?」
「アレ?あーアレね、前にオークキング倒したときに出た『すっごく元気になる薬(意味深)』ね、アレ効果ヤバいからねぇ·····」
「前に使った時、休日丸ごと潰れたもんね」
「アレは流石に疲れたけど楽しかったよね」
「うんうん、でも半年に1回じゃないと体がもたないよ·····」
「わかる」
なんて下世話な話をしながらも、私とフィーロ君は特に性的な干渉もせずに、広い露天風呂の中で体を寄せ合い、静かに魔力で再現された夜空を見上げながらお風呂を楽しんだ。
◇
お風呂から上がって着替え終わってリビングへとやって来た私たちを待ち受けていたのは、意外な人物だった。
「ソフィちゃんおかえりー、今日はありがとねー」
「あれ?ウナちゃんズじゃん、どったん?」
「おー、全員色が違う·····」
「まぁ、いまウナはイル君とエッチしてるからね!すんごいんだよ?聞く?共感覚を切らないと倒れちゃうくらい激しいんだからね!」
「あーそれは後で聞かせて?今はちょっと·····」
「あっごめんね」
「いいのいいの、自慢したい気持ちは私もよーくわかるからさ、ところで他のみんなは?」
「もうお風呂から上がってすぐ寝ちゃったよ?」
「ありゃまー、ってことはここに居るのは····· ウェアちゃんとラーちゃんとサーちゃんの3人?」
「「「せいかーい」」」
リビングの今は普通の机になっているコタツ(小)を囲んでいたのは、なんとウナちゃん達だった。
そこには、ウナちゃんと瓜二つどころか全く同じ見た目の『ウェアちゃん』と、今日新しくウナちゃんになった真っ白なウナちゃんの姿になっている光の大精霊ルミナリア・サークレットこと『サーちゃん』も居たし、光の大精霊とは真逆の絶淵の混沌神でもある真っ黒なウナちゃん『ラーちゃん』も居た。
ちなみにウナちゃんズの本体ウナ&ウェアちゃんの片割れである『ウナちゃん』は今イルミア君とお取込み中らしい。
「えーっとね、サーちゃんをここに連れてきてみたの、いいでしょ?」
「いいよー、どうです?いい部屋でしょう?」
「·····悔しいけど、すごくいい」
「んっふふ~、そりゃ快適になるように頑張りましたから!」
ぶっちゃけ今めっちゃくちゃ眠いけど、お風呂に入ってちょっとだけ目が覚めたから少しウナちゃんズと話でもしようかな?
「そんじゃちょっとだけ話に加わろうかな、いいよね?」
「もちろん!」
「はーい、んじゃ失礼しまーす、フィーロ君も来て来て」
「わかったよ····· でも早くしてほしいかな····· 僕眠いんだ·····」
って事で、私たちはウナちゃんを除くウナちゃんズ3人組と眠気が限界になるまでのわずかな間だけ話をすることになった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「んん~っ·····疲れた····· 明日はのんびり寝まくるかなぁ·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「僕もソフィちゃんと一緒に寝よっかな、明日からは確かしばらく予定もなかったはずだしのんびりできるかな」




