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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
433/478

お肉マシマシ魚多め野菜抜きで


 子供はいつ産むのかという都合の悪い話しから逃げた私は、最前列のいちばん端の席で新郎新婦の登場を待っていた。



「ソフィちゃん」


「何?」


「今何時?それとウナちゃんはどこら辺まで来てる?」


「ちょいまち、あー今は18時59分だね、ウナちゃんの居場所は·····」



『大変長らくお待たせいたしました、新婦ウナ・ウェア・ラ・サークレット様と新郎イルミア・ラ・サークレット様のご入場です』



「すぐそこに居るみたいだよ」


「·····だね」



 なかなかウナちゃんが来ないなぁって思って、その話題に触れた瞬間ウナちゃんがやって来たようだ。


 さてと、私たちも拍手でふたりを迎えるとしよう。





 率直に言うと、私はイライラしていた。


 その矛先はさっき入場してきたウナちゃんとイルミア君に対してではなく、やたら長く話しをしている司会に対してだ。



 ·····もうかれこれ5分は話してて、やっとご飯が食べれると思っていた私はイライラがかなり溜まっているのだ。



 いい加減マジでお腹空いた。





 結局司会の人の話が終わるまで15分はかかり、いい加減ウザすぎて魔法で時間を飛ばしてやろうかと思ったあたりでようやく私たちは解放され、やっとウナちゃんとイルミア君の挨拶の時間となった。



『皆様、本日はわたしたちの結婚式および結婚披露宴へお越しくださりありがとうございます、この披露宴では王城勤めのシェフが手掛けたブッフェがありますので、食事をしながらご歓談をお楽しみください、それでは·····乾杯っ!』


「えっ、はやっ!」



 挨拶じゃなかった、宴会スタートの合図だったわ。


 あー、だから司会の人の話がメチャクチャ長かったのね、なるほど納得。

 ·····許さないけど。


 というか、私これ披露宴だと思ってたけどマジの宴会なのね、ケーキ入刀とかのイベントがメインだと思ってたわ。

 流石異世界、文化が違うんだなぁ·····



「さてとみんな、もう取りに行ってもいいみたいだし·····っていない!?」



 早速私はテーブルに居るなかよし組のみんなにブッフェに料理を取りに行こうと言おうとしたら、既に誰も居なくなっていた。


 そして振り返ると、みんながトレイにお皿を乗っけてブッフェの料理をモリモリと盛りまくっていた。



「ちょ!みんな早いって!私も行くー!!」



 出遅れた私は、みんなに料理を喰いつくされる前に料理を確保するためSランク冒険者に任命されるほどの力を駆使して神速でブッフェの元まで向かった。





「もー!みんな早いって!」


「あはは、ごめんごめん、ワタシもお腹空いてたから」

「·····恥ずかしいけど僕もおなかペコペコで先に来ちゃった」

「私もよ、この香りを我慢しろというのは無理があるわよ?」

「うむ、もう盛り付けとか気にしないのじゃ、贅沢盛りなのじゃ」

「ん、眠気より、食欲が勝った」

「チェルもおなかペコペコだったんだ~、お野菜たくさんでうれしい!」



 お盆に大皿と中皿と深めなお皿を乗っけた私は、魔法でお盆にお皿を固定して落とさないようにして皆の元に駆け付けた。


 そして既にみんなはお皿に料理を盛りまくっていて、エビちゃんなんか大皿にハンバーグやら唐揚げやらステーキやらを味移りなんて気にせず山盛りにしていた。

 あとは野菜大好きなチェルのお皿には野菜がてんこ盛りになっていて、ちょこっと魚や肉がのっかっている程度だった。


 っと、こうしちゃいられない、私も早く料理を取ってこの飢えと渇きを癒さなければ。



 まずはブッフェのド定番、揚げ物を盛りまくってっと·····

 唐揚げに串揚げに焼きベーコンにウィンナー、あとはハンバーグとステーキも必須で·····



「うわなにこれ!?牛頬肉の赤ワイン煮!?こんなの食べ放題で大丈夫なんですか!?作るのすごく大変ですよね!?」


『問題ありません、たくさんご用意していますのでお好きなだけお取りください ·····ちょっと残していただけると私たちや家族の夕食となりますのでありがたいのですが』


「じゃあ好きなだけ取らせてもらいますね!」



 うーん····· 耳がいいって時々不便だなぁ·····


 料理人さんがボソッと『余ったら持ち帰って食べれるから残ればいいなぁ·····』みたいなことを呟いてるのが聞こえちゃったりさ?


 まぁ聞こえたところで遠慮なくとるけど。


 私は頬肉の赤ワイン煮を情け容赦なく盛りまくり、その隣の酢豚っぽい『揚げ豚の甘辛ソース掛け』も『ローストミニタウロス(ビーフ)』も盛って盛って盛りまくった。


 そしてようやく肉コーナーを離れた私を待ち受けていたのは、魚コーナーだった。



「うひゃぁ、刺身·····じゃない、カルパッチョに焼き魚に煮つけ、ムニエルにアクアパッツァに貝のボンゴレパスタ····· あーお皿が足りないっ!ええい!追加っ!」


 流石に料理を盛り過ぎてお皿の空きが無くなってしまったので、私は魔法で遠くに合った大皿を2枚追加で取ってくると、それを空中に浮かしてどんどん魚料理を食欲の赴くまま盛りつけて行った。



 ·····ちなみに、私たちは真っ先に料理を取りに来ているけど、本当なら先頭の席の人たちはウナちゃんとイルミア君に挨拶してから取りに行くことになっていたりする。


 でも私たちは免除されているというか、さっきまで一緒に話してたりメチャクチャ親密な関係だから挨拶もいらないって事で真っ先に取りに来れているのだ。


 まぁ挨拶といってもここには300人近い来賓が居るから1人ひと言くらいだからすぐに終わって料理を取りに行けるんだけどねっ☆



 それよりも私は魚コーナーを通り過ぎた先にあったスープコーナーでビーフシチューとコンソメスープとその他色々をよそわなきゃいけないんだ。



「ああああー!お腹空いたっ!」





 その後、私が国に献上した大型炊飯器で炊かれた大量のご飯を山盛りにして、ついでにパンも何個か取って飲み物に普通の水とオレンジジュースと赤と白のワインをもって、両手では足りなくなって周囲に料理の乗った皿を浮かべながら自分の席に戻った私は、早速料理を食べ始めた。



「まずはご飯にハンバーグを乗っけていただきますっ!」


「待ちなさいソフィちゃん、何よそれ?」


「えっ?欲望モリモリプレートですよ?」


「いや、確かに貴女が好きそうなモノばかり盛られてるけど、もう少し彩りを考えなさい?ショッピングモールのランチバイキングじゃないのよ、というか野菜が一つも無いじゃない!!」


「ありますよほら!!パセリ!!」

「パセリは野菜に含めないわよ!!彩り用じゃない!!食べないわよねそれ!」


「·····パセリ食べるの、私結構好きなんですけど」


「·····それは、ええと·····ごめんなさいね」



 私は持ってきた料理を見ると、金星の表面みたいな景色が広がっていた。

 まぁパセリ乗ってるから金星とは違うけど。


 もっと直接的に言うと、ほぼ茶色一色だった。


 だって揚げ物とか焼いた肉とかそういうカロリー高めな料理ばっかり選んだから仕方ないよねっ☆



 ちなみに私、パセリ食べすぎてお腹壊した事ある生粋のパセリ好きなのよ?

 ·····大学生の頃、スーパーで安売りしてた束のがあったからまとめ買いしてサラダにして食べたら盛大にお腹壊して単位落としかけたのよね。


 そのくらいパセリ好きなのよ私って。



「ていうか!私はお腹空いてるんですよ!」


「はぁ····· ここは公爵も王も居る場所よ?一応無礼講という事にはなっているけれど、ちゃんと考えなさい?オードブルに従って盛りつけるのがマナーよ?」


「ブッフェのマナーは『好きなように食べる』ですよ、強制しちゃったらブッフェの意味ないですよ?」


「それはそうだけれど·····」


「ソフィの盛りには迷いが無かったのじゃ、流石なのじゃ·····」


「エヴィリンちゃん、貴女もなのね·····」


「むっ?元々魔族は肉を好む種なのじゃ、これが普通なのじゃ、ほれチェルを見てみるのじゃ、野菜ばっかりじゃろう?じゃからワシは魔族じゃから肉だけでも大丈夫なのじゃ」



 校長先生に軽く説教をされていると、エビちゃんが私とほぼ同じ盛り付けをされたトレイをもって戻ってきた。


 さすが遠い昔に金星からやって来た種族の末裔だ、金星の完成度が違うわ·····


 そしてチェルは私たちと比率が全く逆の野菜9:肉1で料理を取ったらしく、お皿の上が大密林になっていた。


 あとのみんなは相変わらず肉と魚の比率は多いものの、バランスよく丁度いい量の料理をよそってきていた。

 ·····少食のミカちゃんは6股皿×2にちょっとずつ料理を乗っけた精進料理みたいになってたけど。


「他の皆はチェルちゃん以外普通によそってるじゃない、2人も次はちゃんとバランスを考えてちゃんとよそうのよ?」


「「はーい·····」」


「ミカちゃんはもう少し食べなさい、栄養不足過ぎて子供体型のままじゃない」

「んぅ·····」



 ·····まて、おいまて!グラちゃんまさかその山盛り野菜、まさか!!


 うわっ!大量の揚げ物に野菜をかぶせて擬装してやがった!

 くっそー·····その手があったか·····



「·····そろそろ食べていいですか?マジでお腹が限界なんですけど」

「うむ·····ワシも腹と背中がくっついちゃいそうなのじゃ·····」


「2人はもう彼氏がいるのよ?いつまでも子供みたいにしていないでちゃんと大人になりなさい?·····大っぴらには言えないけれど、2人とも転生前は大人だったのでしょう?それくらいできて当然よね?」



 ·····ぶちっ

 ·····プッツン



「あーはいはい分かりましたよ、取り過ぎたんで戻してきますよ」

「そうじゃな、ワシも取り過ぎたから元あった場所に戻してくるのじゃ、あーあせっかく作った崩しハンバーグ入りミートソースパスタが勿体ないのじゃ」


「待ちなさい!それはマナー違反よ!それに食べちゃダメなんて言ってないわ!」


「えっ?確かに取り過ぎより取った料理を戻す方が重大なマナー違反ですもんね」

「そうじゃな、取った料理は全部食べるのがマナーなのじゃ、それじゃ食べても良いのじゃ?」


「·····もう好きになさい」


「「やったー!」」



 いい加減お腹が空きすぎてキレた私たちは、盛り過ぎよりマナー違反の『とった料理を元の場所に戻す』という行為をやろうとして校長先生に止められ、無事に料理にありつくことに成功した。



 さてとさてと、まずはご飯にビーフシチュー·····じゃない、牛頬肉の赤ワイン煮·····でもない、やっべ、混ぜちゃった、牛頬肉の赤ワイン煮にビーフシチュー混ぜちゃった·····

 まぁいいや!どっちもご飯に合うだろうし!



 私はスプーンで牛頬肉の赤ワイン煮ビーフシチューからビーフシチューに入っていた牛肉と赤ワイン煮の牛頬肉を掬うと、たっぷりのソースを絡めてご飯に乗っけて、そして一気にご飯とシチューを口に掻きこみ·····



「んまぁぁぁあああいっ!!」



 さっすが王宮の料理人が作っただけあるっ!

 私の料理みたいにガサツで大雑把に作った家庭料理とは全く違う、洗練された非常に美しく上品で繊細ながらもガツンと美味しい、まさにプロの技だっ!


 いやーもう弟子入りしちゃおっかな·····


 あー最高に美味しい·····


 正直ちょっとよそいすぎたなって思ったけど、これ確実に全部行けるわ。



「美味しい····· 美味しすぎる·····」

「これならご飯何杯も行けちゃう·····」

「やっぱり王宮料理人は流石ね····· 何度食べても飽きないわ」

「うむ、それにワインも凄く良い物なのじゃ、大盤振る舞いなのじゃ」

「ん、おいしい、眠気とんだ」

「やさいも新鮮でおいしいよ!」


「でしょ?みんなどんどん食べてね!」

「みなさん今晩は」


「あれ?ウナちゃんにイルミア君?」



 私が次の得物をハンバーグに定めた瞬間、ウナちゃんとイルミア君が私たちの元までやって来た。


 何の用だろ?



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「ウナちゃん達も大変だよね、こんなおいしい料理を前に食べられないなんて····· あー鮭のムニエルと白ワインがよく合うっ!疲れてたけど披露宴参加してよかったー!!」


名前:アルム

ひと言コメント

「ワタシは肉とか魚より主食系を多めでとったかな?お腹を満たすなら主食とか芋が一番だよね!」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「僕はちゃんとバランスを考えて取ったよ、でも欲張ってカニの足まるごと一本とっちゃったけど大きすぎた····· 失敗かなぁ·····」


名前:グラちゃん

ひと言コメント

「昔、貴族のパーティーに参加した時にソフィとエビちゃんみたいな盛り方をして怒られたのよ····· そこから色々考えて、野菜の下に肉や魚を隠す方法を編み出したのよ」


名前:ウナちゃん

ひと言コメント

「お腹空いた」


名前:イルミア君

ひと言コメント

「ぼくも早くご飯食べたいです·····」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「ワシはソフィと違って主食は取ってないのじゃ、その代わり酒を飲みまくるつもりなのじゃ!」


名前:ミカちゃん

ひと言コメント

「食欲が、睡眠欲に勝った、もうちょっと食べられるかも」


名前:チェル

ひと言コメント

「お野菜おいしいけど、村の野菜の方が美味しかったかな?」


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