さぁ出発進行っ!·····と行きたいところだけど
広い広い城内を迷って迷って、途中いろんな人に道を聞きながら迷って、結局外に出て城壁沿いを全力で走りながら進んで合計30分後·····
「はぁ、はぁ····· おまたせ、しました····· はひゅぅ·····」
「遅いぞ、もう準備は整っている、早く馬車に乗り込むのだ」
「わかりました····· ちょっと座って、やすませて、ください·····」
「まったく····· Sランク冒険者としての自覚はないのか」
今はすでに出発30分前、ウナちゃんを護送する部隊は既にほぼ全員そろっていつでも出発できるような状態になっていた。
そして私たちはウナちゃん達に一番近い馬車に乗る予定だったので、騎士団長のカレナさんに話しかけたのだが、早速怒られてしまった。
「その····· 言い訳になっちゃうんですが、お城の中で、迷っちゃいまして····· なんとか、外に出て、真裏から、ダッシュで来ました·····」
「·····それならば仕方ない、この城は迷いやすいからな」
『『ああ〜·····』』
「·····もしかしてですけど、皆さんもよく迷ったり·····?」
「·····恥ずかしいが、200年近く務めているが未だに覚えられてないのだ、あぁ私だけではない、ここに居るものの大半も覚えていないな、何なら過去に数名城内で行方不明になってしまい、今日まで見つからず死亡扱いになった者も居るほどだ」
「えぇ·····」
カレナさん達でも覚えられないってどういうことなのよ·····
というか行方不明者が出るってこわっ·····
このお城こわっ·····
というか王様も迷ってた疑惑ない?
◇
その後、カレナさんとちょっと話をしたあと、一瞬時間を止めてウナちゃんの乗る馬車に細工を加えて壊れないように、もし壊れても無理やり走行できるようにしてしまった。
ちなみに今回乗る馬車は特殊仕様で、車輪が1個や2個壊れても走れるように6個もついているモノで、木材も何気に世界樹クラスの魔力樹をつかってるから燃えにくいし魔法に強いし頑強な感じになっている。
でも一応私の魔法で強化して、車輪が全損しても浮いて移動出来たり、そもそも馬がいなくても私の魔法で移動させられるよう魔改造してしまった。
これで何があっても止まらない最強の馬車が完成したって訳だ。
·····まぁ流石の私でも長く時間を止めてるのは厳しいからウナちゃんの馬車にしか細工できなかったけどねっ☆
細工が終わった後は言われたとおりに馬車に乗り込み、ウナちゃんが来るのを待っていた。
そして約10分後·····
「·····なんか騒がしくなってきた?」
「ウナちゃんが出てきたんじゃない?」
「時間的に考えてそうだと思うよ」
「やっと来たのね」
「·····うむ、足音にウナの癖が感じられるのじゃ」
「ねむ\ぱちん☆/んぅっ!?·····まだ寝てないのに」
「えっ!うなちゃんきたの!?みたいみたい!」
外が騒がしくなってバタバタと音が鳴り始めて何やら騒がしくなり始めた。
·····と思ってたら急に静かになった。
どうやらウナちゃんとイルミア君が出てきたようだ。
私たちは馬車の片側の窓に集まってぎゅうぎゅう詰めになりながら外を覗いてみた。
ちょっ!アルムちゃんのおっぱいで押しつぶされるっ!死ぬ死ぬ死ぬっ!
「あっ!見えた!」
『『来たっ!』』
押しつぶされかけながらもなんとか覗き込むと、王城の正面玄関の大きなドアが開き、中から純白のヴェールに包まれたウナちゃんと婚約者のイルミア君、そして国王様と王妃様とウナちゃんの両親と·····誰?あぁ多分イルミア君の両親か····· 正面玄関から婚約者の家族が出てきた。
そして今日の主役とその家族は私たちの方へ、移動用の馬車の方へと向かってきた。
「綺麗·····」
「ソフィちゃん写真撮った?」
「そりゃもうバッチリよっ!360度プラス3次元的並行次元からも撮ってるからそりゃもうバッチリ!」
「·····360度はギリギリわかるけど後のソレ何よ」
「気にしてたら負けなのじゃ、それよりもウナじゃ!おっ!こっち見たのじゃ!」
「ん、ちらっとこっちみた」
「わー!かわいいっ!」
私が千里眼などの観測機器を用いてこの瞬間のデータを3D立体映像で保存していたら、ウナちゃんが一瞬私たちの方を見た。
·····心なしかぎょっとしたような顔をしてたけど気のせいだろう。
◇
わたしはイル君と一緒に馬車に乗り込むため正面玄関からお城の外に出ると、まぶしい光とともにわたしたちを結婚式場へと運ぶ馬車とその護衛をする兵士さん達が集まっていて、全員がわたしたちの方をみて敬礼していて、わたしとイル君が乗る馬車にむかって兵士さんたちが道を作ってくれていた。
そして騎士団長さんが私が来たことを兵士さん達に大声で伝えた。
「ではウナ、行ってよいぞ」
「はい、おじいちゃ····· お爺様、イルミア、エスコートをお願いできますでしょうか?」
「畏まりました」
おじいちゃんの合図で私はイルミア君にエスコートされながら階段を下りて馬車へと向かった。
·····あれ?みんなが居ない?遅れちゃったのかな?
兵士さん達が左右に並ぶ道を進みながら、なかよし組のみんなが居ないかわたしは探していた。
おっかしいな、みんな兵士さん達より小さいからわかりやすいと思ったんだけど·····
みんなを探すためバレない程度にちょっとだけキョロキョロと周囲を見渡して探していると·····
「ぅなっ」
「どうしたのですか?」
「な、なんでもありません·····」
びびびびっっっくりした·····
わたしがのる馬車の1個後ろに控える2台の馬車の片方の窓にみんながベッタリ張り付いてた·····
日本で買ってきたゾンビゲームのワンシーンみたいでこわかった·····
もー、みんな驚かせないでよー·····
わたしはびっちり窓にひっついてわたしを見てるみんなを無視して、なんとか平然を装いながら自分の馬車へと乗り込んだ。
◇
「·····ウナちゃん絶対私たちのこと無視してたよね?」
「だね、なんでだろ?」
「ギブギブギブギブギブ!!!!死ぬ!圧っ死ぬ、これマジで死ぬヤツだから!死んじゃうぅぅぅうううっっ!!!アルムちゃん退いてぇぇええっ!!」
「·····アルム、もうウナは乗り込んだのだし退いてあげなさい?」
「地味にワシも潰されそうなのじゃ」
「ん、わたしはいちばん上、だいじょーぶ」
「チェルもほぼいちばん上!」
いやっ!そうじゃなくて!
一番最初に窓際に行ったせいで皆が上に乗ってて死にそうなのよ!!!
たす、たすけてっ·····誰か·····
がちゃっ
「あっ!助けて····· あっ」
『『えっ?』』
私が圧死しかけてると、突然馬車のドアが開いて誰かが入ってきた。
入ってきたのは、優しそうな老人と老婆で·····
·····あらやだウナちゃんのおじいちゃんとおばあちゃんじゃない。
ついでに騎士団長のカレナさんもいるじゃない。
·····そういえば、この馬車10人乗りなのに私たち7人ってなんか少ないなって思ってたのよね。
そっか!同乗者がいたのか!なるほど納得!
「お主らは何をしておるのだ·····?」
「あらあら」
「貴様ら·····」
もしかして同乗者って·····
『『·····王様かよおおおおおおおおおおおっ!!!!??』』
私たちの絶叫が防音結界で包まれた馬車の中だけに響き渡った。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「と、とりあえず何でもいいから怒られてもいいから牢屋にぶち込まれてもいいから助けて····· 圧死ぬ····· ぐえぇ·····」
名前:アルム
ひと言コメント
「ワタシってそんなに重い?」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「·····どうしよ、いますっごい無礼な事になってない?みんな処刑されちゃわないかな·····?」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「終わったわ」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「なにあれキモッ·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「おいおいおいおい、死んだわワシら」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「えいえんのねむり····· すやぁ·····」
名前:チェル
ひと言コメント
「たーすーけーてー!つーぶーれーるー!」




