ウナちゃんも私達も最終準備中っ!
「みんな、着替え終わったよ」
『『おおおおー!!』』
ウナちゃんがイルミア君がドアの前に居るのにも関わらず開けて出てきた。
そして、そのウナちゃんの姿は純白の美しいウェディングドレスに包まれ、美しいメイクを施され、もう別人としか思えない、王女様みたいな姿であった。
そして、ウェディングドレス姿のウナちゃんをみた私たちは声も出さずその姿を見る事しかできずに固まっていた。
「どうしたの?防御魔法掛ける予定だったでしょ?」
「あっ、あぁそうだった····· すっご····· 私もウェディングドレス着たくなってきちゃった·····」
「ワシもなのじゃ·····」
「いいなー、ワタシも早く彼氏か彼女見つけないとなー」
「よく似合ってるよウナちゃん、本当に王女様みたいだね」
「いや本当に王女様なのよ?·····これから本番なのね、頑張るのよウナ」
「ん、がんば」
「きれいなドレスだぁ·····」
やっぱりウェディングドレスは女子の憧れなんだなぁ·····
まぁ着たいからって理由だけで結婚式を開くつもりはないけど、やっぱりいいなぁ·····
「ウナ、すごく似合ってるよ」
「えへへ、ありがとうイル君」
「あーウナちゃんイチャイチャする前に魔法掛けちゃうから来て?」
「はぁい、イル君も行こ?」
「魔法·····?」
「ソフィちゃん達がわたしたちを守るために色々魔法を掛けてくれるんだよ」
「それはありがたいです、ぜひお願いしたいです」
なんだかウナちゃんとイルミア君がイチャイチャしはじめたので、取り返しのつかない事になる前にさっさと防御魔法を掛けて仕上げをすることにした。
◇
「えーっと、まずは2人ともこれを飲んで」
「わかった!」
「これは·····?」
「毒を無効化する魔道具というか魔法薬だね、アクセサリーにすると目立っちゃうから薬にしちゃったけど無害だから安心して飲んでね」
「わかった!」
まずはウナちゃん達に毒を完全に無効化する魔法を記述した魔結晶を入れたラムネを飲み込んでもらった。
ちなみに魔結晶のサイズは2mm程度なのですぐに体外に排泄されるから大丈夫だろう。
そして飲んでる間は飲んだ人の魔力をちょっと借りて毒を無効化する回復魔法を発動し続ける仕組みになっている。
私が実験台になって試したらフグを丸ごと食べても全然平気だったくらいには効果があるし、怖かったけど塩酸を飲んだり硫酸を肌に掛けてみたけど全然平気だったくらいには効果が強い。
·····元々は指輪にでもする予定だったんだけど、これから指輪をはめるのに着けさせるのも良くないし、どのアクセサリーでも2人の服の邪魔になるとおもって錠剤にしちゃったという訳だ。
そして2人が毒無効化の魔結晶を飲み込んだのを確認して、次の工程へと移行した。
「じゃあ本命、ミカちゃんアレお願い」
「ん、任せて····· 出力最大、神鎧『イージス』発動、対象者『ウナ・ウェア・ラ・サークレット』および『イルミア・レ・キルン』」
ミカちゃんが自前の永久機関を作動させると、その背から三対六枚の光の翼が現れ、頭上には光の環が発生して天使らしくなった。
そして、対象を絶対に守りありとあらゆる厄災から対象者を守る神の鎧『イージス』を2人に展開した。
傍から見ると、結婚式に向かう二人を天使が祝福しているように見え、絵画に残したいくらい美しい光景となっていた。
まぁ当然の如く写真に収めてるんだけどねっ!
私はシャッターチャンスは逃さない女よっ!
ちなみにミカちゃんの最強の防壁『Αιγίς』は形状によって名称が異なり、普段からよく使う盾~結界状の場合は『アイギス』、鎧や武器のような形状になると『イージス』になる。
『イージス』は普段は使わないらしいんだけど、私もやってるみたいに結界を弾丸状やミサイル状に変形させて飛んできた矢とか弾丸とか魔法を迎撃する実在する『イージスシステム』みたいな事や、結界を剣のようにしてありとあらゆる物を切断する最硬の剣に変化させたりできるらしい。
·····あとは、『イージス』に永久機関からのエネルギーを大量に流し込み、巨大な光の剣を生み出して振り下ろすアポカリプスの一撃『神撃』という必殺技があったり、それの縮小版でその場で振り回せるようにする絶対に貫けない盾で作ったありとあらゆる物を切断する矛盾を体現した武器『崩天撃』というものもあるらしい。
噂だと『神撃』は全力全開で放つと銀河の中心の超大質量ブラックホール程度なら軽く真っ二つに出来るんだとか·····
そこまでやられると流石の私でも勝ち目がないかもってくらいには強いんだよね·····
正直、今だに搦手抜きだとミカちゃんには歯が立たないのよ。
キノコ神拳使ったら圧勝できるんだけどね?
というか本気のアイギスに真っ向から挑んだ事あるけど、私の『ソフィアの槍』でも貫通出来なかった異常な性能があるのよね·····
って訳で、ミカちゃんがかなり本気で2人に神の鎧を纏わせたから、もう2人が怪我をする心配はないだろう。
「ん、おわった、おっけー」
「ありがとうミカちゃん」
「·····何か変わりました?」
「ん、バッチリ」
「えーっと、ミカちゃんに代わって説明しますと、Sランク冒険者の私やサトミさんでも貫くのが絶対不可能なほど頑丈な結界の鎧をお二人に付与しました、この状態であれば何があっても無事ですのでご安心ください」
「す、すごいですね·····」
「ミカちゃんは滅多にやる気を出さないけど、やる気を出すと非常に強い実力があるとわたしが保証するよ」
·····そう、ミカちゃんは本気を出せばめちゃんこ強いのに、寝るのが好きでいつもウトウトしてすぐにサボろうとするせいで全然本気を出さないのだ。
極度のめんどくさがりなせいでほとんど喋らないし口を開けるのもめんどくさいらしいからねこの子·····
ちなみに2回だけ死にかけたの見た事がある。
息するのがめんどくさくなって止めてたら窒息死しかけてたのと、風呂で寝落ちして溺れてた。
ナマケモノでもそこまでやらんわ。
·····まぁでもさっきみたいにやるべきことはちゃんとやってくれるからいいけど。
「そうだ、出発まであと何分くらい?」
「まだ3時間はあるよ、このあとわたしたちは結婚式の流れの最終確認をやるから、みんなは先に休んでてもいいと思うよ」
「まじかぁ····· 暇だなぁ·····なにしよ·····」
「なんでもいいんじゃない?それじゃわたしはそろそろ最終確認とリハーサルしに行くから、じゃあね!警備とかお願いね」
『『はーい』』
「ではボクも失礼します」
ウナちゃん達は最終リハーサルをするために再び部屋に戻って行ってしまった。
◇
それからの3時間は暇だった。
先にドレスに着替えちゃったのもあって寝ることも出来ないし城下町に遊びに行くのも無理で結局みんなでゲームをする程度しかできなかった。
まぁ私はゲーム中でも魔法で暗殺者とかテロリストとか襲撃者が居ないかチェックをして、怪しい輩がいたら校長先生経由で確認に行ってもらって対処してもらったりしてるけど、それでも暇だ。
私はストラテジーゲームとかの指揮をする系よりも、FPSとかRPGとかアクションゲームみたいに自分が動いてやる系の方が好きだからねっ☆
というかストラテジーゲームは苦手だしどっちかというと嫌いな部類には入るかな?
やっぱり私はダイナミックに体を動かすのが好きなのよ。
「·····そういえばさ」
「アルムちゃんなに?足りない素材あった?」
「あっそういえば逆鱗足りないからついてきて·····じゃなくて、もし暴徒が出たらこの格好で応戦できるかなぁ·····って思ってさ?」
「あー確かにドレス動きにくいもんね」
「えぇ、映画でよくドレスを着て華麗に敵を倒す人がいるけれど、無理ねこれは」
「わかるのじゃ、あんな動きむりなのじゃ·····」
「ん、それにのんびりできないところ、減点対象」
「うんうん、それに服の面積がおおくてなんかやだ!」
みんなでボーっとゲームをしていたら、アルムちゃんがボソッと愚痴を漏らした。
確かに私たちは結婚式に行くためにドレスを身に纏っているが、これが結構動きずらいのだ。
いつもみたいに動こうとしてもスカートが翻って邪魔だし、私のはノースリーブというか····· へぇ、これフィット&フレアーって名前なんだ····· 私のドレスはフィット&フレア―というタイプでまだ腕は動かしやすい方だけど、それでも大変なのよね·····
あーそういえば外はまだひんやり寒いから、えっと、オレオだっけ?·····ボレロだったわ、ボレロを羽織る予定だからさらに動きにくくなるはずだ。
そんな状態で動けるかなぁ·····
というかチェルは脱ごうとしないの、チェルのいたエルフの国は熱帯で年中熱いから布面積の少ない服を好むのも知ってるけど、ここは普通に寒いから脱がないの!
·····かくいう私も普段は年中通して24度くらいに固定されたディメンションルーム内で下着だけで過ごしたりしてるから人の事言えないけど、流石にここで脱いじゃダメだからね?
「一応シルキーさんたちが紡いだ魔法のシルクだから耐久力は高いけど、それでもねぇ·····」
「「「激しく動いたら確実に裂けるっ!!」」」
·····別に私たちの力ならドレスを着たままでも映画のように激しく動き回れるくらいの実力はある。
そう、私たちが心配してるのは動きにくくなって本来の実力が出なくなるとかじゃなくて、無理やり動くと結構キツめに作られたドレスだから絶対裂けたり破けたりするはずだからそっちを心配してるのだ。
特にアルムちゃんのドレスなんか何もしてないのに既にはち切れそうになってるし·····
主に胸のあたりが。
くっ·····うらやましい·····
私も胸のサイズでドレスを壊してみたい·····
私はそんな夢をぺたんこな胸に抱き、今日も豆乳を飲むのだった。
◇
「じゃなくて、どうする?魔法で全部やっちゃう?」
「うーん····· ワタシは魔法より近接戦闘の方が得意だからなぁ·····」
「ワシもなのじゃ、まぁ魔法も同じくらい得意じゃが、威力が高すぎて周囲に被害が出るのじゃ」
「むむむ·····」
どうしたものか·····
動けるドレスとか開発するべきかなぁ·····
いや、流石に滅多に使わないのにそんなものを作るコストはかけたくないしなぁ·····
「·····とりあえず、破けたり汚れるような事態が起きたら私が魔法で修復しちゃうわ」
「はーい」
「わかったのじゃ」
破けるほど動くような事態は起きないと思うけど、もし起こったら私が直すという事に決まってこの話は終わった。
◇
ドタバタバタバタバタバタッ!!!
いやーゲームって恐ろしいねっ☆
気が付いたら2時間半経ってたよ!もうすぐ出発っていうのに全然準備終わってないよ!
まぁあと1時間くらいあるけど、私たちはウナちゃんの乗る馬車を護衛する部隊の馬車で護衛をしながら移動する予定だから、そろそろ行かなきゃいけないのに部屋から出てないのよね。
「みんな急いで!いったん無理やりでも終わらせて!」
「あとちょっと!あと少して終わりそうだから!」
「そうよ!やっと倒せそうなのに!」
「いいから早く!じゃないと没収するよ!」
「「それだけは勘弁してっ!」」
しかもまだアルムちゃんとグラちゃんがゲームをしてて止めなさそうだったから、無理やり終わらせた。
急がないと怒られるからねっ☆
そして私はみんなを急かしながらなんとか準備を整え、全員そろって集合場所として指定された王城正門前(内側)へと向かってちょっと急ぎ足で向かっていった。
名前:なかよし組
ひと言コメント
ソフィ・シュテイン
「やっぱりゲームは時間に余裕を持ってやるべきだけど、余裕が無いときにやるゲームが楽しいのよね·····」
アルム
「下手に動くと胸がパァンッ!ってなりそう·····」
フィーロ
「僕は燕尾服だから別に大丈夫かな?」
グラちゃん
「凍らなければ別になんでも大丈夫よ」
エビちゃん
「あまり激しく動けないのが厳しいのじゃ·····」
ミカちゃん
「締め付けられる服とか、硬い服、苦手·····」
チェル
「ドレスって布の量が多くてにがて····· 弓を撃つのは大丈夫だけどなんかヤダ·····」




