ウナちゃんの婚約者くんと雑談中っ!
ウナちゃんの着替えが終わるまで暇だった私たちとウナちゃんの婚約者くんは、今まで話をしたことも会った事もなかったので雑談をすることにした。
·····まぁ、さっきいきなりやらかしてドン引きされちゃったけどね!
「ええと、改めまして、ボクはウナの婚約者の『イルミア・レ・キルン』と申します、今は無礼講という事で、気軽に話していただけると嬉しいです」
「わかりました、では何の話をします?」
「その····· 皆様と一緒に居る時のウナの様子を教えていただきたくて·····」
「ふんふん····· 質問を返すようで悪いんですが、イルミア君と一緒に居る時のウナちゃんってどんな感じですか?」
「ええと····· 少し無邪気なところはありますが、普段は王族らしく振舞っていますが·····」
『『えっ!?』』
あのウナちゃんが王族らしくってどういう事·····?
私たちが知ってるのは天真爛漫で目を離してなくても気が付いたらどっか行ってて、家ではラフな格好でダラダラと寝転がりながらお菓子を貪ってゲームをやってるウナちゃんが?
し、信じられない·····
下手したらサークレット王国の王族らしいムーブってウナちゃんみたいな感じの方が可能性高いぞこれ·····
「·····皆様の反応から察すると、もしかして皆様と一緒の時ではかなり違う感じなのですか?」
「えっと、イメージがブチ壊れるかもですが·····」
私はウナちゃんの普段の様子をイルミア君に教えた。
·····最近オンラインのFPSゲーにどハマりしてて、この前相当苛立ったのか対戦相手に罵声浴びせながら手榴弾投げ散らかしてたら芋砂に頭撃ち抜かれて、すんごいキレてコントローラーぶん投げて台パンしてたのは言わないでおいた。
あれめっちゃ面白かったんだけどなぁ、流石に結婚式に水を差す訳にはいかないから仕方ない·····
すると、イルミア君は目を見開いてウナちゃんの普段の様子に驚いていた。
·····まぁ、ウナちゃんって真面目な時は確かに王女様·····まではいかないけど、良いご身分の子なんだなってわかるくらいにはしっかりするのは私たちもしってるし、何もしなければ貴族とかの令嬢っぽくは見えるくらいには美形だし可愛いしただものじゃないオーラはまとっているからね。
うん、でもキレてたの見てて耐えきれなくなって噴き出したら、キーボードで頭殴ってきたりと二面性が凄いんだけど、上手くやってるからまぁヨシとしよう。
「·····そ、そんな感じだったのですね」
「まぁ人には誰しも裏の顔があるといいますから、失望しないであげてくださいね」
「いえいえ、むしろ魅力的に感じてきましたから大丈夫ですよ」
「·····本音は?」
「そういう所を見せてほしいななんて····· あはは·····」
「多分結婚生活が始まったら見せてくれると思いますよ、何でしたら私たちからもそう伝えますよ?」
「いえいえ!大丈夫です、自分の力で素のウナを見たいので頑張ります」
ほほぅ·····
自分でウナちゃんの素を見たいとは中々·····
「あっ、そういえば聞きたかったんですけど、イルミア君ってどのくらい実力があるんですか?なんかウナちゃんから魔法の才能はちょっとあるって聞いてるんですけど」
「ええと····· お恥ずかしながら、光魔法が少し使える程度しか····· 体力に関しても皆様に遠く及びません·····」
「なるほど····· 文系って感じですね」
「文系·····?」
「あー、力仕事より勉強や政治の方が得意という事ですか?」
「よくお分かりになられましたね、ボクは一応学校に通っていまして、将来政治に関わるために勉強をしています」
「ふんふん·····」
そういえば言い忘れてたけど、この国は結構そこら中に学校がある。
でも全部が私たちが通ってた学校みたいに戦闘や魔法を教える感じじゃなくて、生活に必要な知識を学ぶ小学校低学年くらいの教育を施す年齢不問の学校が町くらいの規模の場所には必ずあって、小学校~中学校くらいの教育はその地域の交通の要所にある大きめな街に必ず1つはある。
そして私たちが通ったようなエリート校は全国に10個くらいしかなくて、主要な都市にしかない感じだ。
ちなみに魔法を専門的に教える学校だったらそこそこあって、貴族が治める地域の街に一つはあるし、そこそこ大きいギルドのある町だったら魔法専門じゃなくて冒険者育成を目的とした戦闘教育を施す学校なんてのもある。
おまけに専門学校もチラホラあり、料理学校や釣り専門学校とか鍛冶専門学校など、色々な物がある。
ちなみにちなみに、私の生まれ故郷フシ町には必要最低限の教育を施す寺子屋的な学校と、ちょっと発展させた小学校みたいな学校と、鉱業の事について教える講習所と、鍛冶について教える学校なんかがある。
そんで学費だけど、必要最低限の事を教える学校は毎月1000円とかなりリーズナブルなお値段で、国の援助もあって格安で教えている。
そのおかげでフシ町の人は大体ここに通っていて識字率もこの世界にしてはかなり高い方となっている。
·····っと、話が逸れた。
多分イルミア君が通っているのは普通の学校じゃなくて、全国に十数校しかない貴族向けの高度な教育を施す学校だろう。
えーっと?確かイルミア君の住んでる地域は前世でいうところの福岡辺りだから、確かあのあたりに貴族学校が1校あったはずだからそこに通ってるのかな?
確かそこはあのあたりの地方で1番デカい学校だったらずだし。
「次はボクから質問してもいいでしょうか?」
「なんでしょう?なんでも答えますよ」
「ありがとうございます、では質問なのですが、どうすれば魔法って上達するのでしょうか?先ほども多少なら光魔法が使えると言ったのですが、本当に明かりを出す程度しか使えず、それも15分ほどしか持続できなくて、伸び悩んで困っているのですが·····」
「おー····· それならウナちゃんが得意だったと思うんですが·····?」
「ええと、教え方が『ギューッとしてグググッってやってポンってすればできるよ』というような感じでして·····」
「あぁ~·····」
ウナちゃん、教えるの下手だったのか·····
仕方ない、軽く解析して教えてあげよっかな。
えーっと?イルミア君の魔法の適正は····· やっぱり光魔法のみっと、うーん、魔力も少ないし貯蓄もあんまりできてない感じか·····
「ちょっと今ここで光魔法で明かりを出してもらえます?」
「えっ?あっ、はい、ええと·····光よ我が元に集い輝き照らす球となりて現れよ『ライトボール』!」
イルミア君が詠唱をして魔法を発動すると、優しい光量の光の玉が現れた。
最近みんなも詠唱なしで普通に魔法を使ってたからわすれてたけど、普通は魔法って使うのに詠唱か魔法陣が必須だったっけなぁ·····
「今見た感じなんですが、イルミア君は魔力の貯蓄する部分と魔力流路が凝り固まっていてかなり通りが悪いですね、元々流路と貯蓄部が小さいのもありますが、それに加えて詰まりがあるせいで魔法があまり長続きしないんだと思います」
「·····すいません、よくわからないのですが」
「あー、例えるなら狭い排水路に落ち葉とかのゴミが沢山たまっちゃって流れが悪くなってるような感じですね、これを除去しないと水量が得られなくなって、しかも貯水槽にも溜まってるので貯水量も下がってる感じです」
「·····なるほど」
どうやら水路で例えたら理解してくれたようだ。
「今からでも掃除できますけど、やってみますか?多分取り除けば魔力量や技術も向上すると思いますよ?」
「ぜひお願いします!」
「了解です、では一旦私の両手に手を重ねてもらえますか?」
「はい、わかりました」
流路の掃除をするためには両手を掴む必要があったから、私はフィーロ君に目配せをして許可を得た。
とりあえず許可は得たので、ちゃっちゃとイルミア君の魔力流路の掃除をしてしまおう。
私はイルミア君と両手同士で握手をすると、絶対離さないようにガッチリと掴んだ。
するとちょっと痛かったのか、イルミア君が不安そうな顔で私の事を見てきて質問してきた。
「ちなみに、どのような方法でやるのですか·····?」
「こういうのは昔ながらの高圧洗浄に頼るのが一番なんですよ?」
『『あっ』』
「えっ?うっぎゃああああああああああああああああっ!!!!!!????」
私は逃がさないようガッチリつかんだ両腕から、イルミア君が爆発しないギリギリを攻めて私の超高圧の魔力を流し込み始めた。
しかもあの頃よりも魔力制御の技術が向上してるから、そのパワーはとんでもない事になっている。
そして高圧洗浄と言った瞬間、なかよし組の初期メンバーの4人が思わず声をあげてしまった。
·····そう、実はコレ、魔法学校の入学式後の魔法練習でみんなの魔力流路を強制的に掃除した時にも使った方法なのよ。
ちなみにみんなソレがトラウマになってるのか、言った瞬間ビクッとしていた。
そして、やられてる側のイルミア君はいつかのフィーロ君のように悲鳴を上げながら悶えて椅子にへたり込んでしまった。
だが掃除は終わらないし終わらせない。
·····その後約一分間イルミア君の魔力流路のお掃除は続いた。
◇
「はぁ、はぁ·····」
「よしOK!これで魔法が使いやすくなったと思いますし、どんどん成長できると思いますよ!」
「あ、ありがとう、ござい、ます·····」
掃除が終わった後のイルミア君は以前よりも圧倒的に魔力が増え、魔法の発動もしやすそうになっていた。
あとは詠唱をもうちょい上手にやれれば完璧だろう。
·····そういえば、イルミア君はこれから滅茶苦茶重要な結婚式があるのに魔力流路の掃除しちゃったけど大丈夫かな?
校長先生が居たら間違いなくけちょんけちょんに怒られてただろうなぁ·····
まぁいいや、それよりも聞きたいことが出てきた。
「ひとつ質問なんですけd」
「ハイハイ!ワタシ質問いいですか!?」
「·····なんでしょう?」
「ウナちゃんのどういうところに惚れたんですか!」
「えっ!?」
「ちょ!アルムちゃん!いきなりそれは良くないよ!私も聞こうとしてたけど!」
私が聞こうとした事を先にアルムちゃんに言われてしまった。
確かウナちゃんが小さい頃のお見合いの時に逆光源氏しはじめたって聞いたけど、イルミア君が逸れについてどう思ってるのか聞きたかったんだよね。
「·····王女様から求婚されたら断れないに決まってますよ、でもボクも·····その····· 一目で·····」
『『ああ~·····』』
一目惚れ&一目惚れの人から逆に求婚されて権力でいやおうなしにってパターンか。
ウナちゃん曰くちょっとマゾっ気があるらしいから、無理やり的な感じが好きな子なのかもしれない。
私とは話は合うけど気は合わないかな、私すんごいドMだし。
「す、好きな場所は、その·····」
『おまたせ、イル君、準備できたから入っていいよ』
「あっ!ええと、ウナから呼ばれたから行ってもいいでしょうか·····?」
「ありゃりゃ、まぁいいですよ!」
「ありがとうございます、ではまた後ほどお話しできれば」
そういうと、イルミア君はウナちゃんが居るであろうドアの方へと向かっていき、ドアを開けて中に·····
バァン!!
\ゴッ!!/
『『あっ』』
「痛っ!!」
「遅いよイル君!着替え終わっちゃったよ!」
部屋の中に入ろうとした瞬間、我慢しきれなくなったウナちゃんが勢いよくドアを開けてしまい、ドアが額に直撃してしまった。
あーあ、アレ絶対しばらく跡消えないよ·····
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「やっと着替え終わった!大変だったー!!」
名前:イルミア
ひと言コメント
「おでこが痛いです·····」
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「久しぶりに魔力流路の掃除やったなぁ····· 無事に成功してよかった」




