ウナちゃんの結婚式!出発前のあれこれ
4月8日 午前5時30分頃·····
「それじゃあみんな、行ってくるね!」
「いってらっしゃい!他の事は全部私たちに任せて結婚式に集中するんだよ!」
「がんばってねウナちゃん!」
「僕たちみんなで応援してるよ」
「いってらっしゃい、·····なぜか私まで緊張してきたわ」
「うむ、頑張るのじゃぞ」
「ん、おうえんしてる」
「がんばってねー!うなちゃん!」
「はーい!」
そういうと、ウナちゃんは迎えに来たメイドさん達に連れられてウェディングドレスに着替えに向かった。
·····さてと、私たちも動き出すとしよう。
「みんな、計画実行だよ!」
『『おーっ!』』
今日は私たちの大親友にしてこの国の第一王女のウナちゃんこと『ウナ・ウェア・ラ・サークレット』とその婚約者の『イルミア・レ・キルン』の結婚式の日だ。
·····結婚式の日なのだけど、この国は絶賛敵国に宣戦布告をされて開戦待ったなしな状況だ。
まぁその敵国はなぜか不幸が重なって準備していた戦争の道具や兵力や兵器が壊滅状態に陥って攻めてこれなくなっちゃったけどね☆
でもまだやる気らしいから、堂々と大々的に攻められないからこそこの国の第一王女の結婚式を狙ってピンポイントで攻撃してくる可能性は十分あり得る。
·····まぁ、そうならない未来に決定しちゃってるんだけど。
それでも万に一つ、億に一つの可能性もあり得るし、流石の私でも色々な理由で『絶対に何も起きない』って言う未来は選べなかったから、小規模な問題は発生する可能性が高いと判断して、こうしてなかよし組による全力防衛を行う事にしたのだ。
「まずはワシじゃな、『魔神覚醒』っ!魔物共よ、我に近付くことは許さぬ、即刻立ち去るのじゃ」
まずは最初にエビちゃんが魔神へと覚醒し、魔王の力で魔物を支配下に置いて王都周辺から魔物を遠ざけてしまった。
「次は私ね『迷宮姫』!『get into a Labyrinth alley』っ!」
続いてグラちゃんが迷宮の力を使って王都周辺の浸食を開始し、王都をダンジョン化していく。
これによって王都の建造物は全てグラちゃんが自由に組み替える事が可能となり、もし建物を崩して道を塞いでも一瞬で撤去できるようになった。
「おーい!この町の植物さん、ヘンな物があったらチェルに教えて!」
そしてチェルが王都中の植物に声を掛け、植え込み等に不審なものが無いか教えてもらう体制を整えた。
「さーてと、私の出番っと」
お次は私の出番だ。
私の役目はこの辺りを快晴にすることだ。
今日は雨は降ってはいないが、雲が多く、更にうっすらと空全体を雲が覆っているせいでどんよりとした雰囲気になっていた。
これじゃウナちゃんの門出にふさわしくないから、私のパワーで無理やり雲を除去してやることにした。
方法は前にやった大雪雲を消し飛ばすような力業ではなく、もっと簡単でもっと危ない方法だ。
「いっくよー!『泡沫ムゲンの眠り姫』っ!!」
·····まぁ、いつものヤツだけどね。
私は目を瞑って『さっき見ていた曇り空』を夢見ると、そのままパチッと目を開いた。
すると『曇り空』という夢が覚めて消滅し、雲一つない『晴天快晴』という現実が訪れた。
この能力、やっぱり便利すぎるよなぁ·····
何度やってもやっぱり思うけど、多用は絶対に避けたい能力だ。
でも便利だから使っちゃう☆
「さてと、今やれるのはこれくらいかな?」
「だね、じゃあそろそろ·····」
『失礼いたします、なかよし組の皆様、お着替えの時間です』
「はーい!」
っと、丁度終わったタイミングで私たちの着替えの時間が来たみたいだ。
そうそう、実は私たちも国王様のご厚意で以前に作っていたドレスをプロの方々の手で着させて、更に髪のセットとかメイクまでやってくれることになっているのだ。
当初の予定ではファッションに詳しいアルムちゃんと万能メイドで家事精霊シルフィーのアキさんの二名に任せるつもりだったから、プロがやってくれるなら頼らない手はない!って事でお願いしたわけだ。
アキさんはハンカチ齧りながら悔しがってた。
という訳で、私たちは部屋にゾロゾロと入ってきた熟練のメイドさん達に連行されて更衣室へと向かった。
◇
約30分後·····
ようやく全員のドレスの着付けが終わり、私たちは次の計画のためにウナちゃんが着替え終わるのを待っていた。
ずっとアキさんから『私ならば全員まとめて1分で終わらせてみせます』って連絡来ててうるさかった。
「にしても、ホント良いドレス作っちゃったなぁ·····」
「うんうん!女の子の憧れって感じだよね!」
私たちのドレスは今回は主役じゃないので、控え目だけどちゃんとしていて露出度も少なく王族主催のパーティーとかに呼ばれても大丈夫なフォーマルなデザインの物にしている。
ちなみに色はそれぞれに合った色合いにしていて、私が宇宙色、アルムちゃんは落ち着いた赤色、フィーロ君は·····普通の燕尾服(それ以外ダメだった)、グラちゃんは淡い水色、エビちゃんは暗い紫色、ミカちゃんは山吹色、チェルは薄荷色だ。
あと実はウナちゃんのドレスも作ってあって、ウナちゃんの色は黒と白のモノトーンだったりする。
「·····ウナちゃんまだかなぁ」
「ウェディングドレスへ着替えるのは流石に時間が掛かるわよ····· 私たちみたいにさっとは終わらないわよ?」
「そうじゃな、それにウナの出発まで4時間近くあるのじゃ、のんびり待つのが賢明なのじゃ」
「·····あのさ、なんで僕用のドレスが置いてあったの?ねぇソフィちゃん聞いてる?メイドさんも最初着せようとしてきたんだけど絶対なんか知ってるよね?ていうかメイドさんの顔覗き込もうとしたら露骨に顔逸らしてたけど·····ねぇソフィちゃん?」
「んー····· ドレス苦手····· パジャマがいい·····」
「なんかおちつかなーい····· お化粧もにがて·····」
やっべ、こっそりフィーロ君用のドレスおいてたのバレた。
ま、まぁ、無視しておけば大丈夫····· なはず·····
「ソフィちゃん?」
あっダメなやつだコレ·····
私は死を覚悟して固まっていると、ウナちゃんが居るであろう部屋が開いて誰かが出てきた。
「ええと····· 皆さんこんにちは·····」
『『··········誰?』』
私はてっきりウナちゃんが出てきたのだと思って助けを求めようと思ったのに、出てきたのは純白のタキシードに身を包んだ少年だった。
顔は幼さが残る12歳くらいの少年って感じで、身長はフィーロ君と同じかそれ以下くらいの150cmってところかな?
ウナちゃんの弟くんかな·····
「申し遅れました、ボクはウナの婚約者の『イルミア・レ・キルン』と申します」
「·····えっ!?あっ、よ、よろしくお願いします?」
ここここ婚約者ァ!?
この子が!?
思わず疑問形になっちゃったわ。
えっ、本当にまだ子供じゃん·····
ウナちゃんの婚約者と顔を合わせるのは初めてだし全然わからなかったわ·····
「貴女がソフィ・シュテインさんですか?」
「あっはい、私がソフィです」
「ウナから話はよく聞いています、お会いできて光栄です」
「えっと、あっはい·····」
とりあえず握手するつもりなのか手を差し出してきたから私も握り返した。
·····ちょーっとヤバい、状況が整理できてないし整理が追い付かない。
私が理解が追い付かずに固まっていると、私のすぐ後ろにいたフィーロ君が助け船を出してくれた。
「こんにちは、君がウナちゃんの婚約者だったんですね」
「はい、ええと、貴方は·····」
「僕はソフィちゃんの婚約者のフィーロといいます」
違う、他の男の子と手を握ってるのに嫉妬してるだけだ!
そう、実は意外と嫉妬深いのね、フィーロ君って·····
「あっ、貴方がフィーロさんだったのですね、それに他の皆様もよくウナから話は聞いておりました·····ええと、お顔と名前が一致しないので、皆様もお名前を伺っても宜しいでしょうか?」
「ワタシがアルムですっ!いずれ異世界のモノも扱う店を開く予定なので御贔屓にっ!」
「私はグラシアル・ド・ウィザールよ、ウィザール家の長女ね」
「ワシはエヴィリン・アマイモン・ファゴサイトーシスじゃ、魔族じゃが敵ではないから安心するのじゃ」
「ん、わたしはミカエル、よろしく」
「チェルはチェルでふぁびゅらす!?」
(チェル!相手は貴族様だから失礼のないように!)
(はーい·····)
みんなが自己紹介をしていったけど、貴族とかそういうのに疎いチェルがいつも通りな口調だったからあわてて口を塞いで注意した。
あの子思ったよりちゃんとした子で、私の知り合いの貴族の子みたいに雑な性格じゃないからちゃんとしないとダメな気がした。
「大丈夫ですよ、今は時間ができたのでお忍びで皆様に会いに来ただけですので·····」
「ほっ·····よかった····· ええと、それで何か御用でしょうか?」
「特にはありません、ウナの親友に合って話をしてみたかっただけです」
「·····つまり暇つぶしという訳ですか?」
「あはは····· そういう事になりますね、それにウナに『全部着終わるまで見ないで皆と話してきて』と言われてしまったので、ボクは着替えも終わっていたので来てしまいました」
なるほどなるほど·····
たぶん省略してるけど『どうせ大騒ぎ起こすからイルくんが話して封じてきて、そしたら何もやらかさないと思うから』とか言ってるな。
「ウナちゃんの準備ってあとどれくらいかかりそうですか?」
「わかりません····· ただ、かなり掛かるかと·····」
「了解です、あー、立って話すのも悪いですしどこかで座ってお話でもしませんか?」
「いいですね、ではメイドに·····」
『休憩室をご用意いたしました、此方へどうぞ』
「うひゃんっ!?」
どうやらウナちゃんの婚約者君はウナちゃんの準備が終わるまで暇つぶしに来たみたいだけど、終わるまで結構掛かるみたいだから立ち話するのもアレだったから座って話をしようという事になった·····
って言った瞬間、どこからともなく熟練メイド部隊が出現しテーブルや椅子を持ってきてシュババッ!と配置してあっという間に休憩所が完成してしまった。
それどころか既にアフタヌーンティーセットみたいなのとかお茶も持ってきてティータイムの準備が出来上がっていた。
こっわ····· 時空魔法使ってる?ってくらい早かった·····
\ピロンッ/
『アキ:彼女は私のライバルです、彼女の給仕を受けるくらいなら私をお呼びください』
·····なんだ熟練シルキーだったのか、どおりで手際が言い訳だ。
しかもアキさんのライバルだったし。
よし既読無視しとこ。
「ありがとうございます、では親友の皆さんも座ってお話をしませんか?」
「ではお言葉に甘えさせてもらいます!」
「失礼します」
「相変わらず王宮勤めのメイドは練度が違うわね·····」
「ふむ····· 美味そうなのじゃ·····」
「ん、ふかふかの椅子····· 寝れる·····」
「わーい!お菓子·····です!食べます!」
ウナちゃんの婚約者くんが座って話さないかって言った瞬間、なかよし組のみんなが王宮メイドが作ったであろう高級菓子やお茶が並ぶテーブルに目にもとまらぬ速さで着席した。
「さ、さすがですね····· ボクには追いつけなさそうな速さでした·····」
「·····私が異常過ぎて他の皆は普通っぽく感じてたかもしれないですけど、皆ものすごい実力がありますからね?」
「で、ですよね·····」
「早く座らないと皆にお菓子を食いつくされますよ?」
「わかりました、ではお菓子を食べながらお話でもしましょう」
私はみんなとは違って品行方正に座
·····あっ、あれは!王宮メイドが作った揚げドーナツだと!?
しかもエビちゃんがとろうとしてる!絶対に譲らんっ!!
「では私はお先に」
「えっ、·····えっ?」
ヒュンッ
私は瞬間移動の如き速さで移動すると、お盆に乗っていた揚げドーナツを全て回収して席についた。
この間僅か0.1秒以下の出来事であった。
あっ、やべっ、ウナちゃんの婚約者くんがドン引きしてる·····
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「ふーん····· 将来さわやかなイケメンになりそうな顔だ····· アイドル顔って感じだなぁ、それに真面目でいい人そうだなぁ····· ウナちゃんの目すごいわ·····\ピロンッ/うわまたアキさんからだ····· め、めんどくせー····· プライド高すぎる·····」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「なんかソフィちゃんの手を他の男の子が握ってるのが嫌だった····· ところでソフィちゃん?ドレスの件、僕まだ許して無いからね?あっ!逃げた!」
名前:アルム
ひと言コメント
「チャンスは逃さないっ!宣伝できるタイミングがあればすかさず差し込むのが商人魂だよ!」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「美形な子ね、でも好みじゃないのよね·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「おっと説明し忘れておったが、ワシは角や尻尾は隠しておるのじゃ、魔族差別は少ないみたいじゃが好まれてる物でもないようじゃからな、それに王城の中に魔族が居るのもあまり良くないらしいのじゃ」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「ねむい·····」
名前:チェル
ひと言コメント
「ていねいに話せって言われてもどうすればいいかわかんない!」
名前:イルミア・レ・キルン
年齢:12歳
ひと言コメント
「·····聞いていた通り、個性的な人たちですね、ウナが気に入る理由がなんとなくわかりました」
名前:Sランク冒険者の神ソフィ・シュテイン専属メイドのアキ
ひと言コメント
「·····彼女には因縁が、そう!大きな因縁があるのですっ!!まだシルキー界に居た頃、アイツにシルキー界の花形仕事である王族専属の仕事を掠め取られたのです、前日に度数の高い酒を飲まされまくって選考に寝坊して····· 卑怯者です、王族専属に相応しく無いほどの卑怯者です!!·····まぁ尤も、現在私はシルフィーへ進化し、神でありSランク冒険者のソフィ様にお仕えしておりますので、私の方が格上ですが、ソフィ様、アイツにお伝え下さいお前の方が今は格下だと」




