行くぜウナちゃんの結婚式へ!
私が家出から帰ってきて数日後·····
「さてとみんな!準備はいい?」
『『OK!』』
「じゃあしゅっぱーつ!!」
私たちはおめかししてこの国の首都である『王都サークレット』へと転移で向かおうとしていた。
目的はもちろんウナちゃんの結婚式に参加するためだ。
実はつい昨日ウナちゃんの影武者が王城に到着して、更にウナ・ウェア通信経由で国王様が『3日後に結婚式が始まるからこっちにこい』と言ってきたから、早速準備をして翌日に向かう事にしたのだ。
·····ここから王都って普通なら大急ぎでも4日くらい掛かる道のりだから3日で来いっていうのは結構鬼畜なんだけど、私は転移魔法を使えるから1分もあれば楽々移動できる。
もちろん国王様もそれをわかっていて呼んだのだろう。
「最終確認!全員いるよね?忘れ物はない?武器とか防具とか替えの下着とか替えの服とかお菓子とかオヤツとかバナナは·····お菓子じゃないけど持った?」
「ソフィちゃん、どうせ転移で一瞬で帰ってこれるんだからそこまで張り切らなくても·····」
「·····確かにっ!!」
私って一瞬で帰ってこれるとわかっててもつい準備を万端にしたくなっちゃう癖があるのよ·····
ゲームでよくある回復アイテムとか消耗品は常に最大数入れておきたいみたいな感じで、リアルでもつい準備は万端にしたくなっちゃうのよ·····
「まぁ準備できてるならいいや!そんじゃみんな!10っていったら転移するよー!」
『『はーい!』』
「10っ!」
\シュンッ!/
その瞬間、私たちは空間を捻じ曲げて200km近く離れた位置にある王城へと移動し始めた。
·····え?いや、別に私10までカウントダウンするなんてひと言もいってないよ?
10っていったら転移って言ったじゃん。
あっやめて、転移中に暴れないでっ!いやああああっ!!爺ちゃんと同じ目に合わされるぅぅぅうう!
フィラデルフィア計画ぅぅぅぅううううっ!!!(断末魔)
◇
\シュンッ!/
\べぢぃ/
「あ痛っ!!はぁっはぁっ····· 酷い目に合うところだった·····」
「まったく!転移するときはちゃんとカウントダウンしてよね!」
「そうそう、いきなりだとびっくりするからやめてよ·····」
「まだ心臓がバクバクいってるわ·····」
「ちっ、無事じゃったか」
「ん、びっくりして、ねむくなった」
「び、びびっ、びっくりしたぁ」
実の事を言うと、私の転移魔法でも安全性を考慮すると複数人まとめて長距離を転移したら、転移中ちょっとだけ時間が掛かっちゃうのよね。
今回だと大体15秒くらい時間が掛かって、その間は次元断層空間内を航行していたんだけど、その道中でみんなが私を断層の中に突き落とそうとボコボコにしてきてマジで死ぬかと思った。
何回か次元断層の中に落っこちたことあるんだけど、割とガチでシャレにならない事になるのよね·····
具体的に言うと、体がバラバラになって世界中のあちこちに投げ出される。
もう回収が無理で放置してるけど、わかってる範囲では右足が南極の氷の中に埋まってて、右胸付近がどっかの山の中にあって、首がなんかの魔物に食われてたりする。
あとは見つからない、胴体と頭と左足がいまだに行方不明だ。
たぶんこの宇宙のどっかに吹っ飛んでったのか、魔力になるまで完全に分解されたか·····
まぁ、つまり落ちたら私でもひとたまりもないって場所にみんなが付き落とそうとしてきたのだ。
「ひどい目に合うって、ソフィちゃんそれ自業自得だからね?」
「えっ?いや私悪くな·····\ゲシッ!/うぼべらっ!?ちょ!?みんな蹴らないで!ひぎぃっ!」
『『·····』』
「ソフィちゃーん!こっちこっちー!·····ってまたソフィちゃんなんかやらかしたの?」
「た、たすけ、て····· 転移するとき、10って言って、転移しただけなのに·····」
「·····わたしも蹴ろっと」
\ガッ!!!/
「ぱぁぁぁああっ!!?」
その後、私は1分間くらい王城の敷地内にある王族の居住区内にあるウナちゃんの部屋で皆に蹴られ続けた。
◇
「おぉ、よく来てくれ····· どうしたのだソフィ殿?」
「ばんべぼばいべぶ·····」
「ちょっとさっき階段で転んで顔面から落っこちただけです、心配はご無用です」
「そ、そうか·····」
私は顔面ボコボコにされたまま、ウナちゃん率いるみんなに連行されて約束通り国王様の元までやって来た。
予定だとこの後国王様とウナちゃんのお父さんと家臣さんや騎士団長さん達で結婚式の予定の確認とか警備の事とかを話す予定だったはず·····
にしても、しれっとフィーロ君酷い事言ってる·····
ほらぁ、王様もちょっと引いてるじゃん·····
「ま、まぁ良い、これで『なかよし組』は全員そろったな?·····本当にソフィ殿で合っているよな?」
「あっべばぶ·····」
「そ、そうか·····では会議室へ行くぞ」
『『はい!』』
(ソフィちゃんいつまでその状態にしてるの?失礼に当たるから早く戻して)
(はーい····· やったのそっちじゃん·····)
私はブツブツ文句を言いながら、踏まれて汚れた服を魔法で綺麗にしてアザになったり赤くなったところを治癒魔法で治しながら、国王様の後について行った。
◇
城内を歩くこと十数分、ようやく会議室に到着したようで国王様が私たちの方に振り返った。
「さてなかよし組の皆よ、この先は国の機関となっておる故、無礼な態度は厳禁だ、覚悟は良いな?」
『『はいっ!』』
どうやらこの先では既に国のお偉いさんが集まってるみたいだ。
そしてさっきまでは国王様とだいぶ軽い感じで話してたけど、それはあくまでプライベートな場合ってだけで、国王様の孫のウナちゃんの大親友だから許されていただけだ。
この先では国王様を友達のおじいちゃんじゃなくてちゃんと国王様として扱えって事だろう。
悪ふざけも無礼も100%ナシの真面目モードで行く必要があるって事だ。
さてと、私もちょっとふざけすぎてたし真面目にやるとしますかっ!
「そうだ、忘れていたがお主らには花嫁の警護という重大な任務を任せておるからな、是非とも会議に積極的に参加して屈託のない意見を出してくれ」
『『はいっ!』』
「ではゆくぞ」
そう言うと、国王様は巨大な会議室のドアをメイドさんに開けさせて中へと入っていった。
◇
会議室に入ると、国王様は四角い超巨大な長テーブルの端にある、いかにも国王様専用の席という雰囲気を醸し出している豪華な椅子に座った。
そして私たちは多分私たち用に用意してくれたのであろう隅っこの席に座った。
「ではこれより、我が孫のウナ・ウェア・ラ・サークレットの結婚式の準備の進捗報告及び警備についての最終確認を行う!」
『『はっ!』』
国王様が話終わると、皆が一斉に立ち上がって王に忠誠を誓うっぽいポーズをしたから私達も真似した。
そんでしばらくしたらみんな座ったから私達も座った。
そして、その後はしばらく結婚式の準備の進捗報告をやってたから全部カットで。
·····ちなみに準備は今で大体86%くらい終わったそうだ。
◇
·····ってあっさり言ったけど、この結論が出るまで1時間くらい報告をずーっとやってたからね?
途中暇すぎて寝かけたわ。
でも寝たら無礼だからちゃんと起きてた。
私偉いって褒めて。
「では本日メインの議題へと移ろう、これを見てくれ」
国王様の一声でメイドさん達が続々と部屋に入ってくると、机の上に巨大な地図を広げた。
ふんふん?これ王城の前あたりにある広場の地図かな?
そんでこっちが王城近くにあるこの国の国教のメインの教会で?あーこっちが式場でそっちが一般人用で、3つ目の地図が一般人へのお披露目用の広場にある演説台?みたいな場所の地図ね。
とりあえず写真撮らせてもらおっと。
はいチーズっ!
オマケに衛星から撮った衛星写真と、魔法で解析した3D立体地図の3つを照合してっと·····
よし仮想の結婚式会場完成っと。
「ではその地図を見ながら当日の流れと警備について改めて確認を行う、騎士団長、説明を頼む」
「はっ!では国王様に変わり、サークレット王国騎士団長カレナ・スェリヒァルが説明を行わせて頂きます」
「·····スェリヒァル?もしかして·····」
「知り合い?」
「前にチェルの村に行った時に遭遇したエルフの騎士の人と苗字が一緒だったからビックリしただけ」
「へぇ·····」
私たちがボソボソと話をしているのを無視して、金髪美人のエルフのカレナさんは警備体制について説明を始めた。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「でも名前がエルフっぽくないんだよねこの人····· ハーフとかなのかな?」
名前:アルム
ひと言コメント
「久しぶりにソフィちゃんの事蹴った、予告無しの転移はホントにキツいからやめて欲しいんだけど?」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「ソフィちゃんって知り合い多すぎじゃないかな?」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「私が喋ってなかったって?·····王城の中って緊張するのよ、小さい頃に時々来てたけど慣れるものじゃないわよここは·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「じつはわたしは家でサボってゲームやってるよ!そっちに居るのはウェアだよ!」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「やはりソフィを蹴るのは楽しいのじゃ」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「寝たいけど、会議中に寝たら怒られるって、にぃが言ってた、だから寝れない····· かえったら沢山ねる·····」
名前:チェル
ひと言コメント
「わっ!エルフさんだー!」




