シュレディンガーの花嫁
前回のあらすじ
ウナちゃんが自分の分身能力を秘密にしてたのに私がバラしてしまって大事になりかけてる。
「ウナ、どういう事だ?ちゃんと言いなさい」
「な、なんでもないよ?ソフィちゃんよく嘘つくから·····」
「んふる····· 私が嘘ついた事ある?」
「星の数くらいあるよ?嘘は良くないよ?」
「むぐぅ·····」
確かに·····
私も元男だったり異世界転生した事だったりを黙ってたわ·····
「ウナ、嘘じゃないんだろう?何を隠してるのかちゃんと言いなさい」
「おじいちゃん····· わかった、実は····· その·····」
ウナちゃんは隠そうとしたっぽいけど、国王様ことおじいちゃんに言われてしまっては抵抗出来なかったのか大人しく喋り始め·····
「わたし、分身できるんです·····」
「こういう感じで·····」
「おおっ、ウナが2人に増えたぞ?」
「凄いわ·····初めて見るスキルね·····」
「2人に·····!?どうやって2人に愛情を注げばいいんだ····· 時間が足りないぞ·····」
「2人になったら結婚式はどうすればいいのでしょう·····」
「·····ウナちゃんは出さないの?」
「しーっ!ひみつ!」
気がつくといつの間にかウナちゃんの隣にウナちゃんが居た。
正確にはウェアちゃんの隣にラーちゃんが現れたと言った方がいいだろう。
·····これウナちゃんはまだサボって家にいるな?
「分身は2人だけか?」
「うん、2人が限界·····」
「·····」
\シュンッ!/
「ひゃあっ!?」
「あっ!」
「ちょっとソフィちゃん!わたし寝てたのに無理やりつれてこないでよ!!」
「「「「ウナが3人·····!!?」」」」
「「「もー!ソフィちゃん秘密にしててって言ったじゃん!!」」」
「だってウナちゃんさっき『嘘は良くないよ』って言ったじゃん?」
「「「あっ·····」」」
ウナちゃんは盛大に自爆してしまったようだった。
◇
その後ウナちゃんは両親の祖父母に言い詰められ、遂に自分の能力を明かしてしまった。
·····終始ウナちゃんズの1人が代わる代わる私のことを涙目で恨みがましく睨んできててちょっと申し訳なく思ったけど、まぁ、うん、隠し事ってよくないし?
「·····それで、どのウナが本当のウナなのだ?」
「えーっと····· 全員わたしで本物です·····」
「うん····· わたしもわたしでウナ・ウェア・ラ・サークレットです·····」
「です·····」
(おいナイアルラトホテップ、お前は違うでしょ?)
(半分くらいこの子になっちゃったんだよ!察しなさいよその程度のこと!!)
(あっ·····)
ちゃっかり混ざっていた黒髪のウナちゃんことラーちゃん(正体はナイアルラトホテップ)の事をこっそり指摘したら、ラーちゃんはもうウナちゃんに取り込まれたからナイアルラトホテップじゃなくなったって察せと言ってきた。
いや、一応外なる神としての力はあるからまだナイアルラトホテップでしょ·····
全くこのお調子者め·····
·····いや、ふぅーん?なるへそね。
元々無貌というだけあって形の無い存在だったのが、デフォルトが『ウナちゃん』に固定されたせいで無貌の存在では無くなっちゃったのね。
なるほど。
·····煽りたい気持ちがめっちゃあるけど、ここでやったら処刑ポイントが一気に加算されて即処刑だから今はやらないでおく。
後でやるけど。
「全部·····?」
「だから、その、全部わたしで·····」
そしてここから、私でさえ理解するのに結構な時間を要したウナちゃんの説明が始まった。
◇
15分後·····
「·····うむ、大体理解出来た、つまり儂の孫が3人に増えたという事だな?」
「うんうん、そういうこと!」
何とか国王様が理解してくれたみたいで、ようやく話が終わりを迎えた。
「そうか、ならば3人分のウェディングドレスを作らねばな·····」
「あっそれについてなんですけど」
「む?どうしたのだソフィ殿」
「実は·····」
私はウナちゃんがまだ私たちと一緒に居たい事を伝えて、彼氏と一緒に住むウナちゃんと私たちと一緒に住むウナちゃんの二手に分かれて生活したいと考えていると国王様に伝えた。
そして·····
「国王様、ウナちゃんたち全員が城に住むのでは無く、1人は私たちと一緒に住む事を認めてくれませんか?」
「うーむ····· ウナ、そうなのか?」
「うん、わたしはイルミアと一緒に居たいけど、みんなとも一緒に居たい、だから、片方の私はソフィちゃん達と一緒に過ごすわたしに、もう片方はお姫様としてのわたしの2人になって過ごしたい」
国王様は暫く悩んだ後、口を開いた。
「·····そうか、ウナが判断したのであれば儂はウナの意見を尊重し許可する」
「ですが!しきたりでは王族は·····」
「インディ、確かにこの国のしきたりでは『学業を修めた王族は卒業後再び王城に戻り王族として過ごす』とあるが、どこにも『分裂した場合両方とも』とは書いてないではないか」
「確かにそうですが·····」
「それにウナは貴重なAランク冒険者であり、Sランク冒険者パーティー『なかよし組』のメンバーだ、そちらで名声を集めるのも悪くないだろう」
「·····分かりました」
「じゃあっ!」
「ウナよ、片方はここに住むと誓うのであれば一般市民及び冒険者としてソフィ殿と共に暮らす事を認める、これで良いか?」
「うんっ!おじいちゃん!おばあちゃん!おとーさん!おかーさん!」
国王様の判断は、ウナちゃんとウェアちゃんのどちらかがここで王女として過ごすのであれば私たちと一緒に住むのを許可するというものであった。
よかったよかった、もしダメだったら『泡沫ムゲンの眠り姫』で事実を改変して連れ帰るつもりだったからねっ☆
あんまり改変するのは好きじゃないから使わないで済むのは私としてもありがたい。
·····それにラーちゃんが近くに居る時に使うと、ウザい顔でニヤニヤしながら煽ってくるから使うの嫌なのよ。
「んじゃウナちゃん、これからもよろしくね?」
「うんっ!よろしくねソフィちゃんっ!」
こうして、ウナちゃんは引き続き私たちと一緒に過ごす事が決定した。
◇
その後、ウナちゃん達は両親と学校出会った話とかの積もる話をし始めてしまい、また暇になってしまった。
·····そろそろ私は帰ろっかな。
「国王様、私はそろそろお暇させていただけないでしょうか·····?」
「もうそんな時間か?すまないな、長話に付き合わせてしまって」
「いえいえ!お話出来て光栄でした!」
ちなみに現在時刻は11時ちょっと過ぎだから、そろそろみんなのお昼ご飯を作りたい時間だ。
「そうか、ところでウナはどうするのだ?」
「あっ!じゃあわたしは帰る!」
「それじゃわたしは残る!」
「はぁ····· わたしは元に戻るわ」
ウナちゃんは帰る、ウェアちゃんはここに残る、ラーちゃんは虚空へと消えるという判断をした。
「わかった、ではソフィ殿、これからもウナの事を頼む」
「はい、お任せ下さい!それでは私はこの辺りで失礼いたします、本日はありがとうございました」
「うむ、ウナもソフィ殿も何時でも来い、歓迎するぞ」
「はいっ!ではウナちゃんの結婚式の時にお会いした時はよろしくお願いします」
「またねおじいちゃん!」
そう言うと、私はウナちゃんを引き連れて部屋から出ていって、魔法学校街の自宅に帰って行った。
◇
5分後·····
「す、すいませーん····· 転移で帰りたいんですけど、どこからやったら良いですか·····?」
暫く城内を歩き回ったけど、帰還用の転移魔法を使っていい場所がわからなかった私たちは再び国王様達の元へと戻ってきてしまった。
そして熟練のメイドさんに丁寧に案内されて、転移部屋から自宅へと帰って行った。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「お城の中が広すぎて迷った····· それにそこら辺の廊下から転移するのも良くないから転移魔法専用の部屋を探したらもっと迷った····· さすがに私も疲れた·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「わたしも花嫁でウェアも花嫁でラーちゃんも花嫁·····じゃあ1人に合体した時は誰が花嫁で分裂した時は誰が花嫁になるんだろ?·····やってみないとわかんないかな?」




