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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
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アルムちゃんなんか強くない?


 巨大ガエルに飲み込まれた私とエビちゃんは、ヌメヌメだし生暖かいし生臭いしで我慢できず、一旦お風呂にはいって身を清めてきた。



「ただいまぁ····· 酷い目にあった·····」

「ワシもじゃ····· しばらくカエルは見たくないのじゃ·····」


「あっおかえりー、大丈夫だった?」

「カエルの粘液ってすぐに落ちたのかしら?」

「·····まだなんか臭い」

「ん、残り香がドブ」

「うんうん、石鹸の匂いに混ざってカエルさんの臭いがする」


「ひっ、ひどい····· 残り香がドブ·····」

「そんな臭いか·····?すんすん、ノジャオエッ!!」



 ·····ちゃんと洗ったはずなんだけど、どうやらまだ臭いというか臭いが取れてなかったみたいだ。

 全身くまなく洗ったんだけどなぁ·····


 ·····地味にミカちゃんの『残り香がドブ』が酷すぎてすんごい凹むんだけど。


 仕方ない、こうなりゃ魔法でなんとかするしかないっ!



「えーっと、消臭は確か····· これだ、『デオドラント』!!」


「おおおっ!臭いが消えていくのじゃ!」



 私はとっておきの消臭魔法デオドラントで生臭いカエル臭をこの体から消し去ってしまった。

 うーん、やっぱりファ〇リーズより効果てきめん!

 だって前にエサを食いまくってて臭かった鮟鱇にこの魔法を掛けたら身の風味まで全部飛んでひどい目に合ったくらい強力だからねっ☆



「どう?臭い消えた?」


「ん、完全に消えた、でも汗臭い」


「そ、それは仕方ないでしょ?カエル臭だけ消したんだし·····」

「ワシはフレグランスな香りじゃろう?くっくっくっ·····」


「エビちゃんの方が汗臭い」


「ソフィ、汗の臭いも消してほしいのじゃ」


「や~だねっ☆」


「んじゃとゴルァ!!?」


「ああん!?カエル臭だけでも消してやった事感謝しろよこのエビ!!」


「ふんがぁぁあああ!エビというな!このタコっ!」


「誰が生臭いタコじゃいっ!!」



「もー!二人ともケンカはやめて!!」


「「チッ·····」」



 どっちが臭いかでケンカが起きかけていたところで、ウナちゃんが止めに入ってきた。

 ·····あれ?アルムちゃんどこいった?


「ねぇアルムちゃんってどこにいるの?」


「チェリーブラストツリーの収穫してるよ、ひとりで行けるって言うから見てたんだ」


「あっそうなのね」



 大きさ5mほどの小型の桜の方を見てみると、キレイな赤髪のアルムちゃんと美しい桃色の花の木が赤色の実をマシンガンの如く乱射する光景が目に飛び込んできた。


 そしてぶっとびサクランボの攻撃を一点集中で受けたアルムちゃんの背後には、一発も実が通り抜けていなかった。


 ·····全弾命中?いや、違うっ!



「全部収穫してるっ!?」


「みたいだよ?なんか採れそうだから一人で全弾撃ち切るまで回収するってさ」


「すご·····」

「·····あやつってワシらの中では唯一普通のヒトじゃったよな?」

「そのはずだけど····· 私の記憶だと一般人であの動きはできなかったと思うわ」

「んー、じいやが似た動きしてたかな·····?」

「その爺やって何者なのじゃ····· アルム、あんな凄かったか?」

「ん、すごい」

「チェルはあんな動きできない·····」


「すっご·····」



 確かあのサクランボの射出速度は時速300kmは超えてるはずだから、それを傷つけないよう素手で掴んでひとつ残らず収穫するってヤバすぎるって·····

 私でも流石に時間を遅延させないとちょっとキツいよ?


 できるかできないかって言われたらできるけどさぁ·····



 その後、アルムちゃんは一発も当たらずぶっとびサクランボをひとつ残らず収穫し、残段数が0になったぶっとびサクランボは抵抗する気を無くしたのかピクリとも動かなくなってしまった。


 その隙をついて私は根っこを傷つけないよう魔法で周囲の土ごとぶっとびサクランボを回収し、私の力で調教して、アルムちゃんの希望で最近リビングと庭と統合して巨大な郷となった『瑞穂の里』の家の近くに植樹した。



 そして依頼を一つ達成した私たちは、本来の目的である『サワドメガニ』の駆除と『ユキドケウオ』の捕獲に向かった。





 街道をしばらく進むと、依頼にもあった水が枯れてしまった街道沿いの休憩所が見えてきた。



「おーホントに沢が枯れてる」

「完全になくなったって訳じゃないんだ」

「でも少ない····· これじゃ小休止くらいしかできないね」


 休憩所の近くを流れる沢は普段はどんな感じか知らないけど、初めて見る私たちでも明らかにおかしいとわかるレベルで水かさが減っていた。



「さてと、んじゃこっから沢に沿って上流までいくよー!」


『『おーっ!』』



 この沢の上流にカニが居ると推測した私は、皆を引き連れて上流に向かって歩みを進めた。





~15分後~



 沢沿いを歩いていると、何やら突然あるはずのない砂防ダムみたいなのが見えてきた。



「·····まさかとは思うけどさ、もしかしてアレだったりするのかな?」

「でっか!」

「アレしかないんじゃない?」

「そうね、にしても本当に大きいわね·····」

「食べ応えありそう·····」

「ソフィ、アヤツって味はどうなのじゃ?」

「ん、カニ居た」

「おっきい·····」


「えーっと、確か味はサワガニというかモズクガニと似た味だったと思うよ」



 ちなみにこの世界には『モ()()ガニ』と『モ()()ガニ』の二種類の川蟹がいる。

 見た目もよく似てるけど、モズクの方が魔物で身に魔力があってちょっと美味しい感じのカニだ。

 ·····それ以外はモクズガニと何も変わりないんだけどねっ☆


 ちなみにモズクガニは魔物化してる影響なのか寄生虫が居ないお陰で生でも食べれるけど、見分けるのが困難だから生食はオススメしない。


 んでこの『サワドメガニ』は味はモズクガニと似ているけど、とにかく大きいから食べ応えがあるカニで、カニ味噌も結構おいしい。

 あとは甲殻は武具にも加工できるけど例にもれずキチン質で熱に弱い····· まぁ、魔力のあるキチン質の変種だから普通のよりかは熱に強いけど、それでも総合的に見ると熱に弱いから扱いが難しい素材だ。


 ちなみにコイツは完全に生でも食べれる。


「じゃあ倒しちゃう?」


「まって、その前にダムにユキドケウオが居るはずだから先に釣って依頼達成しちゃおう」


「はーい」



 このサワドメガニのこの時期の主食はなんと私たちが狙っている『ユキドケウオ』だ。

 サワドメガニはこうして下流にお尻を向けた状態で沢をせき止めてユキドケウオをダムの中に閉じ込め、ちょいちょいつまみ食いして食料を得ているのだ。


 つまり、サワドメガニがいる場所にはユキドケウオがほぼ確実にいるという訳だ。



 ·····でもこの依頼が難易度が高くて残るのには訳がある。


 サワドメガニは沢をせき止めて魚を独占するくらい欲深いカニだ。

 つまり、横取りなんてしようものなら怒るに決まってる。


 まぁ物陰に隠れてこっそりとか、サワドメガニの目を盗んで採るとかはできるんだけど、もし怒らせてコイツが動くとダムの水が一気に下流に流れて被害が出るし、サワドメガニ自体がかなり強いから上級者向けとなっている。


 あと、実はユキドケウオの捕獲用の人工ダム·····というか養殖場と釣り堀なんてのもあるから態々サワドメガニの居る場所でやる必要もなかったり·····

 まぁ天然の方が美味しいし、ついでに達成しに来たと思えば十分よ!



「んじゃウナちゃん作戦通りに」


「はーい!任せて!『ヴェール・オブ・ダークネス』!」



 作戦開始、まずはウナちゃんが闇魔法でカニの目の周囲の光を完全に消し去る魔法『ヴェール・オブ・ダークネス』で視界を封じ込めた。



「次!グラちゃんお願い!」

「わかったわ、『リフリジェレイト』!」



 次にグラちゃんが冷却魔法『リフリジェレイト』を発動し、サワドメガニの体温を急激に低下させた。

 このサワドメガニは現実には存在しない程超巨大なカニの魔物だけど、弱点はあっちのカニと変わりなくて、低温状態になると活動が鈍ってしまうのだ。


 サワドメカニの場合は冷たい雪解け水をせき止めるから普通のカニより耐性はあるらしいんだけど、ウチのグラちゃんは絶対零度の氷の女王、-270度なんてお茶の子さいさいのお茶さえ凍るレベルで冷気を操ることができるのだ。



 今回はギリギリ活かすくらいの温度にしたかったから、カニの温度を0度ピッタリになるようにしてもらった。


 その結果·····



「よし、動きが目に見えて鈍くなった!よしみんな!ユキドケウオを捕まえるよー!!」


『『おーっ!!』』


「今日は効率を考えて網で掬うね!みんなは釣りでやる?」


「ワタシは網!」

「僕は釣り竿でいいや」

「私は網よ、待ってられないわ」

「つりざおがいいなー」

「ワシは網じゃ!一網打尽なのじゃ!」

「んー·····わたしは、釣り竿」

「ちぇるは弓!·····だめ?じゃあ網!」


「よしOK!じゃあもってって!」



 私はインベントリからこれまた日本で買ってきた魚を捕まえる用の虫網みたいな網と、普通の釣り竿を取り出した。

 ちなみにエサは魔力を込めた練り餌だ。



「さぁ!誰が一番多く捕まえられるか勝負だよーっ!!よーいドンっ!!」


「あっ!ソフィちゃんズルい!!」

「ワシらもソフィに続くのじゃ!アヤツが勝ったら絶対ウザい顔でドヤァしてくるのじゃ!」



 私は合図と同時に巨大で強靭な私専用の魚とり網を取り出し、サワドメガニのダムへと向かって走って行った。

 そして私の後を追うように、網を選んだみんなが追いかけて行った。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「アルムちゃん、明らかに強くなったよなぁ····· なんかあったのかな? 身長も私たちの中で一番高いし胸も大きいし、最近お風呂に入ったとき腹筋割れてたし····· 筋トレ始めたのかな?」


名前:アルム

ひと言コメント

「えっ?いや基本的なストレッチとダンスの練習くらい····· そういえば最近日本の本に体が丈夫になるトレーニングで『腕立て上体起こしスクワットを100回ずつとランニング10km』がいいって書いてあったから、それやってるくらいかなぁ·····」


名前:フィーロ

ひと言コメント

「僕はのんびり釣りでも楽しむよ、そこまで急いでるわけでもないからね、·····ところでチェルはなんで手を合わせてるの?あっ、極寒の真冬に水浴びする前の作法なんだそれ·····」


名前:グラちゃん

ひと言コメント

「釣りなんてのんびりしすぎて暇すぎてつまらないわ、やっぱり網よ!」


名前:ウナちゃん

ひと言コメント

「サクランボでも食べながらのんびり釣りしよっと」


名前:エビちゃん

ひと言コメント

「絶対ソフィなんぞに負けぬのじゃ!!」


名前:ミカちゃん

ひと言コメント

「ん、釣りなら、寝れる····· 春の陽気、湖畔、水の音、快眠にぴったり·····」


名前:チェル

ひと言コメント

「むぅ····· 泳いで取ろうと思ったけど寒すぎる·····」


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