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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第四章 TS賢者は世界を往くっ!
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天才?天災?いやソフィ・シュテインだ!



 私の目の前には、星を滅ぼす碧色のドラゴンの息吹が迫ってきていた。


 もしあれが地球に直撃すれば、確実に全ての生命体が死を迎えるだろう。

 まぁこのままだったら地球には直撃しないし、反射板も耐えきれず蒸発するから問題ない。


 だけど今回はこの息吹を反射して禁忌魔法陣群を消し飛ばす必要がある。



 だから、ここで私が犠牲になってでも威力を減衰させて反射板の許容範囲内にまで調整する必要があるのだ。


 そして使うのは、基本的に自分の近くでしか発動できない『インベントリ』の搬入ゲートだ。

 このインベントリなら一応遠隔でもエネルギーや魔法も格納できるんだけど、直径500mもある巨大な超エネルギー体を遠隔で収納するのは無理だ。


 まずそこまでデカいゲートは私の近くじゃないと発動できない。

 そして遠くなれば遠くなるほどゲートの信頼性が弱くなり、適切な威力に調整できなくなってしまう。



 だから、私は自分の体を敵からの攻撃から無敵にする神の体にして、ブレスに巻き込まれながら威力の減衰をするつもりなのだ。



 大丈夫、もし私が死んでも生き返るから。



「エネルギー格納率99.99993%!残り0.00007%はそのまま透過っ!!須臾解除ッ!いっけええええぇぇぇぇぇえええっ!!!」



 時の流れが元に戻ると、途方もない大きさの光の柱が目の前に展開されたゲートに直撃したが、ゲートはブレスのエネルギーを吸収していった。


 そして威力が弱まり、かなり薄くなったブレスが私を直撃した。



「い゛っ!?」



 だが威力が弱まったとはいえ、直径50kmの範囲を消し飛ばせる咆哮は小さな体の私にとっては逃れようのない大激流だ。


 その証拠に、神の力で守られているはずの私の体が傷つけられてしまっている程だ。


 一応エビちゃんの本気の攻撃が当たっても一切衝撃も来ないはずなんだけどなぁ·····

 というか減衰後だったらエビちゃんの本気より弱いはずなんだけど?


 多分ブレスに貫通属性とかそう言う効果があるんじゃないかと思う。




 でも私の方が強いッ!!




「はぁぁぁぁあああああっ!!!」



 私は賢者の石の出力を向上させると、自分の周囲を守る結界『神域』を強化して身を守った。


 そして減衰したレデイクルスさんのブレスを自分の元へとかき集めると、直径500mから一気に50m程度まで糸を撚るように圧縮していった。


 直径50mというと直径50kmの前では威力不足に感じるかもしれないが、ぶっちゃけこれでもかなり大きい方だ。


 これが直撃すると、計算上では周囲50kmの範囲が着弾と同時に蒸発、更にそこから100km圏内は爆風と衝撃波と高熱で壊滅状態になるだろうと予測している。



 もちろんその範囲には人の住む街が沢山あるけど、神様の都合にそんなことは関係ない。

 むしろ輪廻転生の輪から外れる最悪の死に方をするよりずっとマシだろう。


 不幸中の幸いだったのは、禁忌魔法陣群の街にはまだ生贄がほとんど移住·····いや()()が終わっていない事だろう。

 それでも1.5万人近くいるけど、元々死が確定した命だから先に神の力で安心安全な成仏をさせてあげるのが私の役目だ。



 これから死を迎える人々にも家族が居て恋人が居て友達が居るだろうけど、私は彼らを犠牲に、サークレット王国に住まう1000万弱の人々の命を選んだ。


 まさかリアルでトロッコ問題をやらされるとは思わなかったけど、私は躊躇なく暴走トロッコの行き先を人数の少ない方へと向けてしまった。



 私は私の大切な知り合いたちを、大切な友達を、大切な家族を、大好きな彼氏を守れるのなら、修羅にでも悪魔にでも天使にでも神にでもなってみせる。



 それに今回は、私が望んで殺すのではない。

 天がやれと私に指示を出してきたからやるだけで、私はあくまで代行者だ。


 つまり·····


 私は思い切り息を吸い込むと、天に浮かぶ衛星目掛けて腹の底から龍の咆哮の如き叫び声をあげた。



「月に代わって·····お仕置だべぇ〜っ!!!」



 その言葉と同時に、私は天高く聳える龍の息吹と共に天へ落ちる彗星の如き勢いで宇宙へと、空に漫然と輝く月へと飛び上がって行った。





 ブレスの先頭となった私は、あっという間に高度1000kmの宇宙空間に達してしまった。

 そして目の前には空間が湾曲して90度先が見えている賢者の杖と反射板が見えていた。


 あそこに突っ込めばきれいに狙った角度にターンできるはずだ。


 ちなみに今の私はブレスと同じ超高密度の魔力でできた状態、いわば魔力の塊みたいな状態になってるから反射板にぶつかるとブレスと一緒できれいに90度に曲げてくれるはずだ。


 だからアレに突っ込めばいいんだけど·····



「やっぱこわいいいいいいいいいいい!!!」



 いやね?

 私は神さまになったとはいえ、中身はまだまだ人間だから·····というか神でも普通に超音速で壁にぶつかりに行くのは怖いわ!!


 いやああああああああっ!!!


 めっちゃこわいいいいいいいいい!!!



 私は怖すぎてちょっと漏らしたが、私の体は容赦なく反射板へと近づき·····



「びゃんっ!!?」



 ばいんっ



 普通に跳ね返された。



「こ、こわかった····· い、いや!怖がってなんかないし!こんなのへっちゃらよ!!ふへへっ!反射板なんか怖くねぇ!!」



 ここでソフィちゃんに悲報。


 まだあと反射板は1枚あるし、その次は大本命の地球とのキッスよ。



「やっぱいやあああああああああああああああ!!!」



 今度こそ私はお漏らしどころか体中からいろんな汁を漏らしながら、悲鳴をあげて高度1000kmを飛んで行った。





 その後、泣きわめく私を無視して破壊光線は空を駆け、ほぼ減衰することなく第二の反射板に激突して地上へと角度を変えた。


「あああああああああああああああ!!!死ぬ死ぬ死ぬしぬしぬぅっ!!!!だずげでえええええええええええッッ!!!」



 ·····さてと、ふざけるのはここくらいにして、ちゃんと私の仕事をこなすとしますか。


 いやふざけてたわけじゃないのよ?ガチでこわかったのよ?

 でもちゃんとやることはやらなきゃいけない、私は強い子だからこの程度の恐怖なんて抑えられるっ!


 まぁまだ足がふるふる震えてるけど、浮いてるから関係ないしそれも我慢して私は地上へ真っ逆さまに落ちていた。


 

「魔導光学式望遠魔法陣展開っ!!」



 私は魔法を唱えると右目の前に5重の魔法陣が展開され、魔法陣の中に光の魔力が集まりレンズとなって遠方の景色を拡大した。


「目標地点を光学的に確認っ!誤差北北西方向に+1.21度!修正ッ!」



 そして目標地点である魔法陣群が肉眼でも確認でき、照準器とアカシックレコードによる計算で距離と誤差を測定した。


 その結果、僅かにズレが生じていたので修正を行う必要が出てきてしまった。



「煌翼展開!大気圏突入前に修正するっ!!」



 軌道修正はブレスの行き先を決める案内人である私がやる必要がある。

 逆に言えば、私が動けばブレスの軌道も帰ることができるという事だ。


 そこで私は背中に展開された光の翼から魔力を噴射して軌道をちょっとだけ曲げ、目標地点にピッタリ着弾するように調整をした。


 ん?なんで大気圏突入前かって?

 それは大気と真空空間での屈折率が云々で·····

 まぁ大気と真空空間の屈折率はほぼ1で変わりないんだけど、大気圏内は水蒸気やら何やらがあって1っじゃないだろうし、魔力量の差で屈折が起きやすいのよ!


 でも屈折という現象はとある一点に限り偏角が絶対にゼロになる場所があるのだ!


 そう、その角度は入射角0°!!

 直角に入射する光は全反射でもない限り絶対に角度を変えずそのまま貫き通す絶対不変の角度!!



 だから僅かな誤差も許さず正確に直角に突っ込むのだ!!



 そして地表に対して直角になった私とブレスは、そのまま地表から高度100km地点、一般的に大気圏と定義されるエリアへと直進した。



「いっけええええええええ!!!大気圏突入まであと3!2!1!大気圏突入っ!!」



 そして大気圏に生身で突っ込んだ私に容赦なく断熱圧縮熱が発生して·····いるが、何の影響もない。


 なにせ私の周囲は世界最強クラスのドラゴンが放った数億度のブレスが包み込んでいる!!

 断熱圧縮熱くらいなんてことない!!


 それよりも!着弾の方がヤバい!!


 100kmなんてたった数秒よ!!



「あっ!結界張ってやがる!」



 だが私の目の前に見える禁忌魔法陣群の中枢都市は結界を展開していた。

 どうやら宇宙空間を飛んでいる光線の行き先がここと勘づいて身を守る術を考えて展開したようだ。


 でもコイツらは大きな誤ちをおかしていた。


 バリアを天に向けて地面と平行に展開していたのだ。


 でもそれじゃ軽々貫いちゃうのよね、せめて球形にしておけば一瞬だけ威力を逃せたかもしれないし、その板の角度をちょーっとズラせば何パーセントかは反射したり受け流して威力を減衰できたかもしれないのにねぇ。


 まったく、その強度じゃ火砕流を紙一枚で止めようとしてるようなもんだよ?


 え?やるまでわかんないって?



 んじゃ実践してみよう!



「弾着·····今っ!!」



 地上から打ち上げられた彗星は、再び母なる大地へと落ちた。


 そして彗星となった私は結界に頭を強かに打ち付け、パリンッ!という結界が砕ける音を耳にした瞬間、敵国の優秀な魔術師たちが集められていた都市の中心に5cmと4.09mmの誤差で衝突、そのまま有り余る威力によって、周囲100kmもの範囲が数ミリ秒以下の誤差で同時に消滅した。



名前:ソフィ・シュテイン

ひと言コメント

「Look up in the sky!(空を見上げろ!)

It’s a bird!?(アレは鳥か!?)

It’s a plane!?(アレは飛行機か!?)

It’s a meteor!?(アレは隕石か!?)

It’s a Comet!?(アレは彗星か!?)

No!! It’s Sophy Stein!!!(いや!!ソフィちゃんだ!!!)」


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