人生初の国外旅行っ!
朝5時·····
まだ日が顔を見せない薄暗い時間帯に、私は戦闘用の服に着替えて自宅の庭に立っていた。
「ソフィちゃん、本当に行くの?」
「うん、チェルの家族たちからのお願いだからね」
私の傍らにはフィーロ君が居て、私の見送りにやってきていた。
今日はチェルの家族からお願いされた、遺品の回収などを行うつもりだ。
あとは向こうにゲートを設置したいのと、お気楽な空の旅を楽しみたいから飛んでいくことにした。
今日の飛行距離はなんと過去最長の約5000km、流石に遠いとは思うけどマッハ10で飛べば大体30分で到着する程度の距離だ。
ん?生身でマッハ10で飛ぶのはお気楽な空の旅じゃないって?
·····えっ?違うの?
「死んでも大丈夫だけど、気を付けて行ってね?」
「わかってるよ、風よけに強力な結界を張るからワイバーンにぶつかっても大丈夫だよ!」
「ならいいけど····· 必ず帰ってきてね」
「へいへい、心配しなくても帰ってくるから安心してね」
「わかった、それじゃ、いってらっしゃい」
「うん、いってきます!」
私はフィーロ君にキスをして、まだ寝てる人も多い時間帯なのでその場では飛ばないで、転移で空の上に向かった。
◇
転移先は酸素のない宇宙空間だった。
正確には、私の所有する人工攻撃衛星『賢者の杖』の外殻に立って地上を見上げていた。
私の体は神になったことで有害な宇宙線をはじき返すようになったし、酸素が無くても0気圧でも肉体に異常が発生することなく船外活動が可能となったからできる荒業で、ついでに重力魔法で衛星の中心に引かれてるから立つこともできるのだ。
ちなみに見上げた先には私たちが住む国で、日本とよく似た形をしたサークレット王国が見えている。
(さーてと、エルンフェン密林国は·····あったあった、見事な島国だなぁ)
そして目的地のエルンフェン密林国は、現代でいうところの東南アジア周辺にある国土の90%以上が広大な密林で覆われた巨大な島国だ。
ちなみにちなみに、島の配置とかは現世とは全く違くて、真ん中にでっかい島、エルンフェン密林国の島が広がってて、周辺にはそんなに大きくない島が点在しているような感じだ。
小さめな島は同心円状に広がってるから、多分エルンフェン密林国が中心の巨大なカルデラなんじゃないかと思う。
(そうだ!むこうの南国っぽい魚も食べたいから買おっかな!あとは····· 海エルフとかも会ってみたいから、端の島国も回ってみよっと)
エルンフェン密林国は本当にエルフの聖地みたいな場所で、島の中央には超巨大な、それこそ私のディメンションルームにある世界樹にも負けないような超巨大な世界樹が生えており、その周辺にはエルフの中でも最も祖先である精霊に近く高い能力を持つ『ハイエルフ』が住んでいる。
ちなみにハイエルフは人間より記憶速度も記憶力も高くて、そんじょそこらのポンコツエルフとは比べ物にならない存在だったりする。
ほかにも、島の東側にある唯一森が存在しな側火口周辺の火山地帯には森の精霊ではなく地の精霊と契約を交わした『ダークエルフ』なんかが住んでたり、島周辺の島には海で暮らして海の精霊と契約を交わした『海エルフ』が住んでいたりする。
あっ、ちなみにエルフは基本的に全員貧乳でスレンダーな体型なんだけど、ダークエルフだけはなぜかめっちゃデカい、アルムちゃんサイズが平均ってくらいデカい。
(·····見つけた、多分あのあたりかな)
チェルの居た村の位置を探しながらエルフの種族の事を考えてたら、あっという間にチェルの村があったであろう場所を発見した。
って訳で、エルフの種類を語るのもこの辺りにして早速チェルの村へと出発するとしよう。
そして、私がわざわざ宇宙にやってきた理由をここで見せよう。
(よいしょっと、ソフィちゃん砲装填完了!発射まであと10,9,はいドーン!!!)
私は衛星の下、常に地上を向いた面にある穴に入り、飛行魔法や風よけの魔法を展開した。
そしてカウントし始めたけど2秒で飽きたので即発射した。
すると私は射出速度+重力加速度によって一瞬で音の何十倍もの速度まで加速し、地上にむけて頭から流星の如き速度で落下していった。
◇
(大気圏突入まであと3、2、1·····うぐっ!?)
流れ星となった私は、あっという間に惑星を覆う大気の層へと突っ込んだ。
すると真空から気体の中に突っ込んだことで衝撃波が発生し、とんでもない爆音が鳴り響いた。
更に流線形に尖らせたはいえ、大気圏突入時に発生する断熱圧縮による発熱はバカにできず、結界周辺が超高温になってしまう。
だが、結界のお陰で私にはほとんど熱は伝わっておらず、体が焼けこげるようなこともない。
そして大気の存在する領域に突入したことで、結界内部にも酸素を取り込めるようになり、声を発せられるようになった。
「ぷはっ!角度変更ッ!安定翼展開ッ!!」
そして垂直落下している私は体の左右に結界でできた巨大な翼を展開すると、体の向きを少し斜めにして目的地へ向かうよう軌道修正を開始した。
ちなみに、大気圏突入と同時にやらないとそのまま地上に落っこちて死ぬから気を付けてねっ☆
とりあえず今回は大丈夫だったようで、速度をほぼ維持したまま私の体は地面に対して並行になりながら、超音速飛行を開始した。
「ぷはぁ····· あとはお気楽っと、推力上昇、このまま速度を維持して飛行せよ」
もうここまでくれば後はもう楽々よ、滑空しながら魔改造した飛行魔法と、まだ秘密の推進力を使って私は南西方向へ彗星の如き勢いで飛んで行った。
◇
「あーいい眺め····· サイコー·····」
この飛行方法のいいところは、私が地上を見ながら飛べることにある。
結界の色は透明なので、高高度を飛んでいる私でも地上を気軽に眺めながら快適な空の旅を楽しめちゃう優れものなのだ!
あと慣性もかなり軽減してくれるから、急制動をやってもプチッてならない安全設計なのもあってのんびりお茶でもしながら地上を眺めちゃったりできる。
·····とかいってるけど、なるべく空気抵抗を減らしたいから常にうつ伏せで飛ぶから動く余裕とか無いんだけどね、あぁお尻がめっちゃ痒い。
「あー、もうすぐかな?そろそろ高速飛行はやめてのんびり飛ぶかなっと」
なんてやってるうちにあっという間にエルンフェン密林国に到着してしまった。
·····道中のほとんどが海でつまんなかった。
まぁ過ぎてしまったモノは仕方ないと気持ちを切り替え、私は推進力を逆方向に発生させて減速をして、丁度島の端っこあたりにきたあたりで速度がゼロになり、空にぷかぷかと浮かんでしまった。
「よし、高速飛行モード解除!さむっ!?」
自分の体を守っていた結界を解除すると、超上空にいたため極寒の薄い大気に私は襲われてしまった。
「寒い寒い寒いっ!早く降りよっと!!!」
という訳で、私は熱帯気候で温かいであろうエルンフェン密林国へとなる早で降下を開始した。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「明日からは学校だから早く終わらせないと····· よーし!手早く丁寧にやっちゃうかな!!そしたら後は観光して帰る!!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「あっ流れ星·····じゃないね、絶対ソフィちゃんだ、·····はぁ、彼女と流れ星を間違える男なんて世界に僕ぐらいしかいないだろうなぁ、ほんと規格外すぎるよ、ソフィちゃんは·····」




