モデルデビューは突然に
場所は代わり、私たちは近くのカフェへとやって来ていた。
「それでまずは····· いきなり聞くのは失礼かもしれないが、君たちの名前と国籍は?見た感じ日本語も達者だし日本在住だとは思うが」
「えっと····· うーんと·····」
「はいはい!ワタシはアルムっていいます!サーク」「ルK thx!!」
「えっちょ、ソフィちゃん?」
「こう見えて私たち実は日本国籍なんです、まぁハーフも居ますし私とかは両親が外国人なんで見た目はこんなんですけどね、んで他のみんなも日本人ですけど日本人とは人種が違うって事で友達になったグループなんですよ〜、なんで日本語もぺらっぺらなんですよ!あっちなみに私はソフィ・シュテインって名前です、一応日本人の通名もありますけど·····」
「そりゃ良かった、訪日客だったらスカウトは諦めなきゃだからな」
あっっっっぶねぇえええ·····
アルムちゃんがサークレット王国って言いかけたのなんとかごまかせたわ·····
存在しない国の名前言ったら断られる以前に頭おかしい子だって思われちゃうわ。
「ていうか、実質外国人でも大丈夫なんですか?私とか日本人の血入ってないですけど」
「もちろん大丈夫だ!今この時代に人種の壁なんて存在しないからな!」
わぁお、これが多様性と平等ってやつ?
私よく分かんなくてゲームで日本人も外国人も等しくボコボコにして煽り散らかすくらいしか平等に扱ったことないけど大丈夫かな?
「ちなみにウチにはハーフのモデルも外国人モデルも多数在籍してるからな、そこは安心してもらって構わないぞ」
「お、おおぉ·····」
「·····で、どうだい?ウチでモデルやるの興味あるかい?」
いやまぁ知ってるけどね。
そういうの興味無かった私でさえ知ってるレベルの超有名な人めちゃくちゃ沢山いるし·····
·····っていうか、知ってるも何もこのスカウトマンこと事務所の社長さん、ぶっちゃけ言うと顔見知りなのよね。
「·····むっちゃくちゃあるんですけど」
\ちょーっと待ったァ!!/
「ん?その声は·····!!?まさか、まさかっ!!?」
「よぅ、久しぶり」
「出たよ····· 出てくると思ったわ·····」
「穂乃花ちゃんか!?」
「そうだとも!アレは····· オリンピック前の話だっけ?それともBL作家デビュー前だっけ?あーアレか世界一周ヨットレースの前か!原宿にタピオカ買いに来てたら話し掛けてきたんだっけか」
「いやぁ良かった、音信不通で心配してたんだぞ····· 何してたんだ?巷の噂じゃ重い病気になってたとか聞いたが」
「んまぁそんなとこ、今は治っちまったけどね!」
「そうか、治る病気で良かった·····」
·····この人の事務所、元々姉貴が所属してたモデル事務所なのよね。
だから私も一応顔は知ってるって訳よ。
まぁ今の顔見てもわかんないだろうけどね。
「そんでぇ?さてはキミぃ私のかわいいかわいい妹ちゃんもスカウトする気かなぁ?」
「妹!?この子がか!?いやでも穂乃花ちゃんは純日本人のはずだが·····」
「義理よ義理、大切な義理の妹よん」
「だよな、·····うん?それはそれで色々疑問もあるが」
「あー、まぁちょっと色々事情がありまして····· ていうか姉貴!姉貴が乱入してきて話がカオス化してるんだけど!!」
「おっとっと、めんごめんご〜☆ まぁこの子の可愛さは私のお墨付きよん、丁度私が抜けた枠も余ってるはずだし積極的にスカウトしてもいいんじゃなーい?」
「ほほぉ」
「よ、余計な事言いやがってこいつ·····!」
「ふひひ、そんじゃお邪魔しました〜っと、あっそうだ私の復帰に関しては後でメール送るからねん」
どうやら我が姉上は私をモデルにする気満々らしい。
·····まぁ面白そうだからいいけどね。
どうせ卒業したら暇になるんだし、今がいちばん若くてハリがある時期なんだから色々やってみたいしね!!
「·····まぁなんていうか、姉貴の件は一旦置いとくとして、今のところ私は乗り気なんですが、そっち方面で進めるとしてこの後の流れはどうなる感じですか?流石に今日ここでいきなり採用して撮影って事は無いと思うんですが」
「お、おぉ····· しっかりした子だな····· その通りだ、今日は基本的にスカウトの話をするだけのつもりだ、まぁ君たちが乗り気で時間があるならもう少し踏み込んで面談をしてもいいとは思うが·····」
ふんふん·····
悪徳スカウトなら即ヌード撮影とかなんだろうけど、そこんとこしっかりしてるわ。
こりゃただのスカウトじゃなくて、大企業の人事採用担当と話してる想定にすべきかな。
·····\カチリ/
「何か聞きたい事はあるかな?なんでもいいぜ」
「はいはーい!もしモデル」
「·····まず1つ目、私たちはまだ学生で15歳なのですが、私を除くみんなは諸事情があって親と連絡が取り合えないので入社にあたり親が必要な手続きが出来ないんですが、そこに関する手続きはどうなりますか」
「2つ目ですが、モデルの雇用形態については詳しくないんですが、私たちがモデルになるとして正社員、フリーランス、アルバイトのどの形態が1番近くなりますか?正社員の場合、私たちの中に家業を継ぐ必要がある子が居るんで副業をする形になるのですが、そのあたりの規約も詳細に知っておきたいです」
「給与や報酬に関しては今は置いておくとして、他には····· 所属するとした場合の雇用保険や各種の手続き、勤務時間、時間外労働の場合の給与は出るか否か、交通費の支給額と有無、それと扶養
「ちょちょちょ!!ちょっと待ってくれ····· すまんそこまでガチでやるとは思ってなかったんだ·····」
「へ?あっ!すみませんつい癖で·····」
やべ、就活モードのスロットルが全開になってたわ。
危うくドン引き····· されてるね、うん。
「癖·····?ま、まぁいいか、それでこの後の流れなんだが、君の様子から察するに俺の事務所については詳しく知ってそうだから説明は割愛するとして、一旦話を持ち帰って親御さんに話をして欲しい、もし許可が出て君たちがなりたいと判断したなら、ここに連絡してくれ」
そう言うと、彼は名刺を差し出しててきた。
それを私は腰を低くして両手で丁寧に受け取った。
「あっどうも····· すみませんこっちは名刺持ってなくて····· 連絡先につきましてはまた後ほど送りますので·····」
「·····受け取り方が板に着きすぎてるな、君、中身30代くらいのサラリーマンなんじゃないか?」
「うぇっ!?い、いやーそんな訳ナイデスヨ」
大当たり!!
なんでバレたし、·····いや人を見る目のある人だからこそわかったんだろうけどさ。
「ふんふん····· 了解です、どうするか決まったらどちらの選択でもこのアドレスに連絡します」
「あぁ頼む、·····それじゃ俺は次の予定もあるし行かせてもらうぜ、最後に·····君たち全員、ウチのモデルになる日を楽しみにしてるぜ」
「はー·····ァッ!?えっ!?みんな!?」
そうして、テレビ番組にも本人が出るほど有名なモデル事務所社長との対談は終わりを迎え、私の人生はまた面白い事になり始めたのだった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「参ったな····· めっちゃ面白そうなんだけど····· あっれぇおかしいな、未来予知の結果だとアイドルグループにスカウトされるはずだったのに····· なんかバタフライ効果起きたのかな」
名前:アルム
ひと言コメント
「モデルかぁ、·····ピキーンッ!!って来たぁ!!これワタシの商売にも使えないかな!アパレル系やる時にワタシがモデルやって雑誌とか売れば大儲けできるかも!!製本に関してはソフィちゃんを頼ればいいし!!ワッタシてんさーい!!!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「あの、僕、男····· 女装してるけど·····」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「知らない間になんか巻き込まれてるわ····· というかまだこの世界の文化もほぼ分かってないのに·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「うーん····· いまだったらまだ大丈夫だけど、女王の仕事やりながらモデルの仕事できるかな·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「ふむ····· アルムなら分かるのじゃが、ソフィのような貧相な体で本当にこの仕事務まるのかのぅ····· む?なんじゃソフィ?その手に持ってるのは·····エスプレッソのトール?ま、待て、ノジャゲバラッ!!?!??!?オェェエエエエ゛ッ!?!?!!!」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「んー····· わたしパスで、めんどくさい」
名前:チェル
ひと言コメント
「そもそももでるってなーに?」
名前:藤石 穂乃花
ひと言コメント
「ふっふっふっ····· こう見えて拙者、ファンレターが山ほど届くレベルのモデルだったのよん、·····久しぶりにそれ聞いたなぁ、賢人の『写真なら黙ってるから美人に見えるだけ』って言葉、·····で?辞世の句は賢人の断末魔3点セットでいいよね?」




