大所帯で東京へっ!
3600年、あるいは数ヶ月の間の因縁を晴らしたエビちゃんと勇者一行はなんとか仲直りをして一緒に東京観光に行ける状態まで関係が改善した。
·····まぁそのせいで予定が何個かつぶれたけど、エビちゃんの過去の因縁とか恨みが良くなったと考えたら安いもんだと割り切ろうと思う。
「じゃあ飛ぶよ~、さんにーいちゴー!」
『『うわあああああ!!?』』
という訳で私たちは東京へ向けてぶっ飛んでいった。
ちなみに飛行中めっちゃ文句言われた。
いきなり飛ばすなって言われてもさぁ、だって尺が押してたんだもん·····
◇
という訳で、いつも通りステルス飛行で東京までやってきた私たちは、早速観光を始めた。
「ここが原宿だよ!とりあえず若者の街で·····えっと····· 多分流行の最先端の物が置いてあるはずだよ!そしてこの通りが·····えっと、キノコ上通りだっけ?」
「·····ソフィちゃん、貴女もしかしなくても原宿に来たことないわね?あと竹下通りよ」
「なぜバレた·····」
「ソフィちゃんが嘘つくときは必ず癖が出るのよ」
「あーわかります、アレですよね」
「アレね!たしかに癖出てた!」
「·····マジで?」
癖なんてあったかなぁ·····
まぁ、確かに私は原宿なんか来た事無いし縁もゆかりもない場所だ。
だからぶっちゃけ言うと何があるかもわからんし、若者の流行は一か月あれば変わるから、死後三か月くらいたった今ではもうまるごと入れ替わっててもおかしくない。
たしか私が死ぬ前はあの····· えっと····· カエルの卵みたいなやつが流行ってた。
「仕方ないわね····· 現役JKの私たちが案内するわよ、たまに来てるから多少ならわかるわ」
「ソフィたんお姉ちゃんに任せなさい!私はトレンドには敏感になってたからわかるよん!」
「おおお、心強い味方だ·····」
現役JKと三十路·····ぐえっ!·····殴られた、まぁ、流行に意外と敏感な姉貴の二人が居れば安心だろう。
はぁ、こういう場所に縁のある陽キャかリア充になりたかったよ·····
今リア充だからいいけど。
「じゃあソフィちゃん達、行きたい場所はある?」
「どこでも案内するよん」
「あ!私カエルの卵みたいなヤツ飲みたい!」
「·····タピオカ?それならもう廃れて全店潰れてるわよ?」
「は?えっ、流行終わるの早すぎない?」
「今のトレンドは三郎系ラーメンだよん」
「·····姉貴の嘘はほっといて、郷美さんのおすすめでお願いします!」
「えっ?今のトレンドは三郎系ラーメンよ?ニンニク背油マシマシのが大流行してるわ」
「·····もうヤダこの世界」
もうまぢ無理、ラーメン食べよ·····
◇
その後、ギリギリ生き残ってたタピオカ屋の残党を見つけ、全員でタピオカを飲みながら原宿の観光をしていると·····
「あっ!ソフィちゃん次はこっち!みんなも来て!!」
「ちょっ!早い!まっておいてかれるから!」
アルムちゃんが見たこともない服や化粧品や下着なんかに大興奮して、次から次へ店を渡り歩いていて、めっちゃ高速移動するから追いかけまくっていた。
あんまりにも勝手に行動しまくるから、私とアルムちゃんだけ別行動状態になってしまっていた。
一応スマホでみんなに連絡して落ち着いたら原宿駅かどこかで集合ということにしたけど、アルムちゃんは依然として大暴走中だ。
「あれ!?みんなは!?」
「おいてかれちゃったよ····· アルムちゃんはこっちの世界はわからないだろうから私だけついてきた感じだよ」
「ありゃりゃ、ごめん·····」
「それに、原宿は若者が多いから悪質なナンパとか痴漢とかそういう事が·····
「そこのお嬢さんたち、ちょっといいかな?」
ほらぁ·····
アルムちゃん胸大きいからさっきからバルンバルンしてめちゃくちゃ目立ってたからぁ·····
もう早速悪い男がつれちゃったじゃないの·····
「ワタシですか?」
「そうです、それと横の子も」
「何ですか?」
「俺はこういうものでして·····」
振り返ると、なんかオシャレなダンディなおじさんがいて、ジャケットの内ポケットから名刺を取り出してきた。
·····あー、悪質なスカウトとかアダルトなお店の勧誘的なヤツか。
とりあえず名刺だけ受け取って断って、あとで店の悪質な金を全部奪って騙されて働かされてる女の子に分配してやるわ。
ってことでとりあえず名刺を受け取ってみてみると·····
「·····へ?えっ、はぁっ!?」
「お嬢さんたち、モデルに興味はありませんか?」
·····やべ、これマジの奴だ。
私でさえ知ってる超大御所モデル雑誌の事務所だ。
というかこの人見たことあるわ、すんげぇ有名な人だ。
私は即座にアカシックレコードを起動して、演算を開始した。
私とアルムちゃんは確かに見た目がいい、·····性格に関してはひとまず置いといて、かなりの美人と自称してもぶりっ子呼ばわりされないくらいには。
んで次の問題は、私がモデルになれるかどうかなんだけど、正直水着グラビアとかは無理だ。
こんな貧相な体を人前には晒したくない、晒すのは誰もいない夜空に向けてで十分だ。
·····しれっと露出癖を暴露した事を後悔しつつ、アカシックレコード経由でインターネットでモデルの給料を検索してみた。
そしたら目ん玉飛び出かけたから必死で抑えつつ、天秤に給料を置いた。
私の脳内の天秤は、それでも今のところ拒否の方に傾いている。
·····上振れとはいえ、サラリーマン時代の月給の数倍の値段を突き付けられたら流石に少し可決側に傾いているが。
そんでもって·····
「·····ちなみに、出るとしたらどの雑誌レベルになります?」
「そうだな、俺の直感だと····· このあたりなら間違いなく出れるな、俺も編集部にコネがあるしな」
「·····イヒッ」
超有名雑誌を言われた私は、変な笑い声が出てしまった。
·····いっそ詐欺なら良かった、嘘ついてアダルトなビデオに出演されるとかならほんと良かった。
そしたら容赦なく断れるから。
でも、私には魔法がある。
魔法を使えば彼が嘘をついてるかわかるのだけれど、なんと全く嘘を付いていない。
心の底から本心でそう思ってるのだから、疑いようがない。
それはつまり、私たちは今、ガチですんげぇ人にスカウトされちゃってるのだ。
·····めっちゃくちゃ面白い事になってるわ!!!
\ガコンッ!/
その瞬間、私の脳内の天秤が可決側に一気に傾いた。
「ちょっと待ってくださいね····· なかよし組ぃぃぃい!全員集合ぅぅぅぅううう!!!」
ソフィ・シュテイン は なかまを よんだ!
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「立てば災厄、座ればドカン!(爆発)、歩く姿は暴走機関車って呼ばれる私でも、写真映りだけはいいって好評なのよ?だって写真は動かないもんね!!」
名前:アルム
ひと言コメント
「モデル!!ワタシ知ってるっていうか超あこがれてた!!雑誌であんな綺麗に写真撮ってもらって羨ましい!ねぇねぇワタシやりたいんだけど!!」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「ちょ、まって!なんであの一件以来、何かある度に僕に女装させようてしてくるの!?やめてよっ!ねぇー!!!!あああああああああっっっ!!」
名前:グラちゃん
ひと言コメント
「はぁ····· またソフィが面倒事に巻き込まれてるわね·····」
名前:ウナちゃん
ひと言コメント
「もでるって何?楽しいの?わたしそれより美味しいものとか可愛い服みたいんだけど·····」
名前:エビちゃん
ひと言コメント
「ふっ、魔王のカリスマを見せてやるのじゃ!ワシの美貌で地球を支配してみせるのじゃ!世界征服するのじゃー!!あっやめて剣を向けないでほしいのじゃ····· これは比喩なのじゃ·····」
名前:ミカちゃん
ひと言コメント
「だるいめんどくさいかえりたい」
名前:チェル
ひと言コメント
「なにかわかんないけどパパとママがやるって言うならチェルもやる!」
名前:仲間外れ組
ラクト
「エヴィリンたち、大丈夫かなぁ·····」
加藤 郷美
「ソフィちゃん達がモデル?·····いやないないないないないない、ありえないわ·····」
七谷 勇
「モデルの勧誘って噂でしか存在しない都市伝説だと思ってたけど、マジであるのかよ」
大和 尊
「モデルより!穂乃花さん手合わせしてほしいっす!もう一発やり合いましょうぜ!!」
芹沢 龍也
「マジかあの人本物じゃねえか!?今テレビで話題のモデル出身のタレントの半分は彼にスカウトされたって噂だし····· やべぇ、本物だ!!」
ガイア
「おーおー、流石は物語の主人公だねぇ、補正が付きまくりじゃん、やっぱソフィちゃん達は見てて飽きないなぁ、人間っておもしろっ!!」




