心配してたのは家族だけじゃないよ
その後、家族に私の冒険譚を語ったり、姉貴にウザ絡みされたり、姉貴が推しが死んだ時暴れて開けた穴を魔法で直したりと、色々やっていたらあっという間に時間が過ぎてしまった。
という訳で現在時刻はもう22時過ぎだ。
「ぬわぁぁあ!時間が足りないいいっ!」
「賢人、大丈夫か?」
「ちょっと大丈夫じゃないかも·····」
とりあえずクソ忙しい、まず数ヶ月もログインしていなかったゲームの数々のデータを復旧してログボを貰ったり、仲が良かったネット仲間に挨拶をしたり、仲良くしてた従弟に生存報告をしたりしただけであっという間に数時間も経ってしまった。
改めて思うけど、ネットって怖っ·····
永遠に時間潰せるじゃん·····
もうマヂ無理····· ネトゲしよ·····
プルルルルルッ
プルルルルルッ
「はひゃぁあんっ!?えっ!?鳴らない電話が鳴った·····!? 」
「電話?ええと····· 確か電気の力でやる念話みたいなのだっけ」
「うんうん、私のスマホって特に誰にも連絡先教えてないはずなんだけど·····」
まぁ出てみるか、魔力で逆探知もできるし。
「はいもしもスィ⤴︎ (裏声)」
『おい兄貴!?生きてるってどういう事だ!?』
「ん?兄貴?·····誰だっけ」
『なんだと!?あんなによく山に鉱物採取····· ってあれ女の子?·····すみません掛け間違えました』
なんだコイツ、初対面の私に向かって軽口叩きやがって·····
しかも他人って分かった途端、急に声色変えやがったな?
·····いやまてよ?
兄貴生きてたのか?とか聞いてきてたよね?
それによく鉱山に行ってた?
あっ!
「もしかして辰砂か!?」
『·····もしかして兄貴なのか?じゃあいつからTSしたんだ?』
「ちょっといい加減にしろてめぇらぁぁあ!!」
『「うわっ!?」』
私があげた貴金属類に夢中になっていた姉貴が突然怒り始めた。
「最近はファンタジー的な性転換はTSじゃなくてTSFだ!Trans Sexual Fiction or Fantasy(すっごいネイティブ発音)の略だ間違えんな!!いいな!?」
『「わかりました·····」』
んじゃこの作品は『TSF賢者は今日も逝くっ!』になるのかな?
いやなんか語呂が悪いからこのままでいいや。
「·····姉貴に邪魔されたけど、辰砂で合ってる?」
『あぁ、そっちは兄貴····· 賢人で合ってるか?』
「一応ね、今は別の名前だけど」
『ちょっとよくわかんないですね』
「なんでだ!?·····いや分かんなくて当然か」
どうやら電話の相手は私の前世の方の従弟、藤石 辰砂だったようだ。
コイツ突然出てきて何者だ?って思うかもだけど、私の前世の従弟で趣味がほぼ同じだったからよく一緒に山へ遊びに行っていた相手だ。
ちなみに私が死んだ時に集めてたコレクションを全部引き取ってくれたのもコイツね。
『ちょっとまだ信じられないわ、超能力より信じられないわ····· よし、兄貴ならこれに答えられるよな?』
「ほいほい?ん?超能力?」
『ジェレメジェバイトの別名は?』
「何個言えばいい?エレミヤ石、エレメエファイト、エレメジェバイト·····」
『次、スコロダイトの和名と由来は?』
「葱臭石、叩き潰すと含まれるヒ素の影響でニンニク臭がすることが由来」
『五水灰硼石』
「ペンタハイドロボライト」
『最近見つかった逸見石と共生』
「千代子石、布賀鉱山攻めは止めてくれ、流石にキツい」
『·····兄貴っ!!』
「よぅ、久しぶりだな辰砂」
どうやら私が賢人であると信じてくれたようだ。
「·····お義父さん、今ソフィちゃんが言っていたのって詠唱か何かですか?」
「魔法の詠唱ってあんな感じなのか?」
「いや、もっと簡単です····· 日本語だと『○○よ我が元に集い○○の球となりて撃ち出されよ』みたいな感じです·····」
「そうか····· アイツらかなり末期のオタク\呼んだ?/穂乃花は呼んでないぞ、あー····· 賢人はかなりなオタクだったからな····· 分からないのも仕方ない、苦労させて済まないな」
「いえいえ、僕も知らない事が知れて楽しいので」
「それなら良いが·····」
なんか父さんとフィーロ君が意気投合してるぅ·····
◇
『·····で、兄貴マジでTS·····Fしたのか?』
「マジマジのマジだよっ☆」
『おえっ····· あの兄貴が女声出してるイメージしかなくて気持ち悪っ·····』
「てめっ今すぐこっち来やがれぶちのめしてやる!」
『おうおう行ってやろうじゃねぇか、今どこにいる!教えやがれ!』
「ちょいまち!·····父さん!辰砂から電話来て居場所教えろって言ってるんだけどいい?」
「まぁいいぞ、というか知ってるはずだぞ?」
「まぁここの住所はね」
とりあえず父さんに許可は得たし教えてやるか、どうせアイツ埼玉に居るんだろ?今日中には来れないし私たちは明日も東京巡りするから会わないだろうからねっ☆
「私の実家よ、来れるもんなら来てみるがいい埼玉県人っ!」
『おいおいチバラギ人が何を言ってるんだ?』
「あぁん?」
『陽暦っ!地図で千葉県市川市ーーーーを調べて見てくれ、兄貴に会いに行くぞ!』
『ほえっ!?あっ、はーい』
『じゃあ兄貴!逃げるんじゃねぇぞ!今すぐ行って女装した姿SNSに晒してやるからな!』
「あー!お前私がTS·····Fしたの信じてないな!?目に物見せてやる!!」
ブツッ!
「あ、あんにゃろ····· 切りやがった·····」
というかさっきなんか女の子の声が聞こえてきてたな····· まさかガールフレンドと同棲してんのかコイツ!?許さん姉貴に言いつけてタコ殴りにしてもらうもん!!
「·····お義父さん、ソフィちゃんというか賢人さんって兄弟姉妹と仲が悪いんですか?喧嘩してばっかりですけど」
「いや、めちゃくちゃ仲が良いぞ、喧嘩するほど仲がいいというヤツだ」
「うん、賢人は穂乃花が海外に行ったりすると目に見えてわかるくらいしょんぼりするから可愛いのよ〜」
「あぁ····· そういう····· まぁたしかにソフィちゃんも友達が出かけてたら寂しそうにしてたし·····」
「そっちでもなのか····· 中身は変わってないんだなアイツ」
「んもうツンデレなんだからぁっ♡ お姉ちゃんともっと夜の関係を築いても良かったのにねぇ」
「それだけは無い、絶対無い」
「えええー」
あぁ、もう忙しいしめんどくさいし色々色々で大変すぎる·····
こりゃ明日だけじゃ足りないわ、来週の土日もこっち来なきゃ対応しきれないわ·····
◇
コンコンッ
ソフィちゃんが電話を終えてプリプリ怒って、それを僕が宥めていると玄関のドアがノックされる音が聞こえてきた。
「おや、こんな時間に誰か来たみたいだ、ちょっと行ってくるね」
「気をつけろよ賢人、お前はもう女の子なんだから自分の体は大切にするべきだ」
「うんうん、ちゃんと気をつけてねソフィちゃん、ソフィちゃんはそこら辺気にしないから」
「大丈夫!私は死んでも代わりはいるから!」
「えっマジで?人造人間になっちゃった?汎用性のある人型の決戦兵器になっちゃった?」
「この体じゃなってないよ、とりあえず大丈夫だから行ってくる!」
「いてら〜····· 待っ!?いまこの身体ではって言ってた!?」
そう言うと、ソフィちゃんは玄関の方へと向かって行ってしまった。
本当に大丈夫かなぁ·····
「·····もう1回聞きたいんですけど、本当にソフィちゃんってこっちにいた頃は性格が違ったんですか?」
「·····あぁ、もっと大人しかった」
「すごく普通の常識人って感じだったかな、穂乃花とかと絡む時だけ喧嘩腰なこと以外」
「なんでだろうなぁ····· もっとイチャイチャしたかったのにねぇ」
それはお義姉さんのせいだと言いかけたが、なんか僕の貞操の危機を感じたから言わないでおいた。
やっぱり僕の危機察知センサーは日本でも通じるような気がする。
ちなみに僕の危険察知センサーは今も結構強めに反応してる。
多分ソフィちゃん関係でなんかあるに違いない。
\にぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!?/
ほら当たった。
名前:ソフィ・シュテイン
ひと言コメント
「うわなにをするやめ(ここでひと言コメントは途絶えている)」
名前:フィーロ
ひと言コメント
「ほら言わんこっちゃない····· はぁ、とりあえず助けに行くかな」




