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TS賢者は今日も逝くっ!  作者: すげぇ女神のそふぃ
第二章 TS賢者は魔法学校へ行くっ!
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超魔力誘導加速砲『マギ・レールガン』


 私が調子に乗って炎色反応で遊んだりしたせいで魔法で遊ぶ事から大きく離れてしまった。


「ねぇみんな、そろそろ魔法で遊ばない?」


「あっ、そうだね!言い出しっぺの僕が関係ない事に夢中になるのも良くないし·····」


「フィーロ君!魔法で遊ぶって何して遊ぶの?」


「えっと、特に決めてない·····」


「じゃあ各自で魔法の練習をするって事でいいのかしら?」


「つまんなーい·····」


「ウナちゃんそれわかる、休み時間にまで魔法の練習する必要····· あるかもだけど、せっかくの休み時間だからねぇ·····」


 他のクラスメイトは追いかけっこしたり、お喋りしたり、土手から転がり落ちて遊んでいる子も居る。

 さて、何しよっかな·····


 あっそうだ、何か変な魔法でも作って遊ぼう。


「各自で練習するなら、私あそこの土手で休んでていい?あったかいから寝転がってたいんだけど·····」


「あーそうだね、じゃあみんな好きにするってことにしない?休み時間が終わったらまたここに集まるってことで」


「「「「さんせーい!」」」」


 という事で、私たちは各自散開して思い思いの時間の使い方をする事にした。



「よいしょっ」


 草の生えた土手に腰掛けると、ワイワイキャッキャと元気よく遊ぶクラスメイトたちの様子がよく見えた。

 ·····やっぱり私も混ざろうかな?

 私の中に芽生えた子供心がウキウキしてるんだけど·····


 いや、でも今はここでのんびりと魔法の開発でもしよう。


「なんかインスピレーションが湧いてくるようなモノ無いかなぁ·····」


 『千里眼』を使ってはるか遠くまで眺めていると、10kmくらい先に何か動くモノを見つけた。


 なんだろアレ·····


「あっ、ゴブリンだ」


 『千里眼』を使って近付いて見てみると、どうやらゴブリンのようだ。

 というか、コイツ道を行く馬車を襲おうと狙ってやがるな?


「そう言えば必殺技みたいな魔法、作ってないな····· よし!やるか!」



 魔法の基礎は『マジックバレット』で良いだろう。


 じゃあ次はどうやって10kmも先の対象に、一撃必殺の超高威力な魔法を当てるかが問題だ。

 現代に存在したスナイパーライフルは射程距離が約2km、私が今やろうとしているのは5倍の10kmだ。


 通常の方法ではまず無理だろう。


「閃いた、さっきの魔力の渦だ」


 そこで閃いたのは、さっき手の中で発生した魔力誘導現象だ。

 アレを使えば、常識を超えた距離と威力の魔法が作れるはずだ。



 さぁ、プログラミングの時間だよっ!



 まず弾丸についてだけれど、私が生み出せる水色の魔結晶が良いだろう。

 あの魔結晶はアレ自体が相当な硬度と靱性を持っていて、私の検証によるとコランダム(サファイア・ルビー)とほぼ同等だ。

 ちなみに込めた魔力が多いと更に性能が上がるらしく、現在確認してるのは硬度9.5以上だ(サファイア以上の硬度を持つアダマンタイトに傷を付けられるため)


 弾丸にするには贅沢だけど、弾丸にするにはこれ以上ない代物だ。



 そこに細工を加え、風の抵抗を減らすためにかなり長細い形状にしてみた。


 次に射出システム、ここはまだ実証実験前だから分からないけど、レールガンと同じレールに電力ではなく魔力を流し、弾丸が既に魔法で構築されてるから飛翔体そのままで魔ローレンツ力で誘導加速する事で、超音速の弾丸を撃ち出せるはずだ。


 レールガンの射程は推定200km、これなら超長距離狙撃にも耐えられるだろう。


「よし、そうときたら早速実証実験っと!」


 空中に魔力誘導効果のある魔力流路を構築した棒状の結界で長さ5mの仮想砲身を作成、2本の柱に魔力を流してやれば、磁力的な何かが生まれてフレミングの法則っぽいので何とかなるでしょ!

 


 詳しい仕組みはしらん!たぶんいける!


 まだ出力調整とか適切な魔力の属性への調整が出来てないけど、試作品が出来た魔導レールガンに『圧縮魔力弾』を入れてみると·····


「おっ!加速したっ!」


 少しだけ弾丸が飛んだ。


 私の予想通り魔法の力で射出できるようだ。


 だけどその初速は音速も超えてない豆鉄砲程度の代物で、かなりな質量を持っている弾丸はすぐに重力に引かれて地面へと落下した。

 これでは何の役にも立たないから、ここから調整が必要だ。


「んー、そういや魔力の属性って種類によって性質自体が変わってる気がするのよね····· 火なら魔力を当てるだけでマイクロウェーブを照射したみたいに加熱されるし、風ならそこに大気が集まってきたり離れたりするし·····」


 そこで私は、魔力の属性が変化すると魔力自体がその属性に適した振る舞いを行うよう変化する、のではないかと推測した。


  ちなみに素の魔力····· 魔力そのものの特性についてなんだけど、光と電磁波の特徴を併せ持つのに加え、量子力学的な『物質として存在しないが、観測すると物質やその他的な振る舞いをする』というよくわかんない変な特徴を併せ持った謎エネルギーという事は判明している。


 たぶん観測者の魔力や空間魔力(エーテル)に思念が伝達して、魔力が観測される事で魔力の性質が変化、魔法へと変換されるというシステムなんだろう。

 ·····詳しいところはワケが分からなすぎて調べきれてないけどね。



 おっと閑話休題っと。


 そしてレールガンに使うべき属性を考察し····· いや、考察するまでもなく答えは出た。


「魔力を雷属性にチューニングする事で電気的性質を増大してレールガンのローレンツ力が向上出来るはず·····」


 元々電気的な性質を備え持つ魔力を雷属性へと変える事で性質を電気へと近づける事で、レールガンの性能は現実の物と同等の威力に出来るはずだ。


「よし、システムの基礎は完成っと、後の細かい調整はおいおいやってくとして····· このレールガンなら、ドラゴン相手でも多少は戦えるはず!」


 ただ、今はそれっぽいシステムの仮組みが済んだだけで、私の記憶だとレールガンは流す電気(魔力)やレールの長さやレールとの摩擦により初速が変化してたはずだから、そこら辺は要調整と言ったところだろう。



「御託はここまでっ!早速あのゴブリンを狙ってみよ!『マギ・レールガン』!システム起動!」


 私の愛用している杖 ラズワルドを弓を持つような姿勢で体の前に構え、魔法を発動した。


 すると、ラズワルドの前に魔力で出来た魔導レールガンの砲身が出現し、私の右目の前にターゲットスコープが展開された。


 ターゲットスコープには射線が表示されてて何処に飛ぶかわかりやすく·····


 ·····うん?アカシックレコードの演算によると、10km先なのにほとんど誤差がないんだけど?

 あっ、もしかしてこの距離だと重力の影響をほぼ受けないのか。


「よしターゲット固定、魔力流入開始」


 次は射出に必要な魔力を砲身に流す。

 とりあえず今回はお試しとして多めに魔力を注いでおこう。

 大体50万くらい魔力を流入したあたりで砲身が輝き出した。

 多分もうOKかな?


「『レールガン用魔結晶弾』生成、砲身に装填」


 魔導レールガン専用の弾丸を生成し、砲身に装填して射撃の準備が完了した。

 ·····今思ったけど、魔結晶ってそれ自体に魔法を組込めたはずだから色々悪用できるかも?


 爆破魔法を組み込んで着弾したら爆発するようにしたり、空中で加速する魔法を組み込んだり、飛翔魔法で加速・制御してみたり·····

 まぁ、それに関しては要検証かな。


 とりあえず今日は消音魔法を組み込んでおこう、たぶん射出時にとんでもない爆音が出るはずだから。


「ふぅ····· とりあえず『マギ・レールガン』、発射!!」


 その瞬間、2本のレールに10万という超高圧の雷属性魔力が充填され、レールの間にある魔導体がレール間を短絡し回路が成立、魔力が一気に流れると電気的特性を発揮し凄まじいローレンツ力が発生し砲弾が加速を開始、5mというこの世界の大砲より長い砲身を音より早く駆け抜け、大気中へと飛び出した。


 ヒュッ


 だがマギ・レールガンの弾丸は風を切るような音だけを残し、遥か彼方のゴブリン目掛けありえない速度で飛んで行った。


 消音魔法を組み込んだお陰のか、下で遊んでいるクラスメイトや先生も気が付いた様子は全く無い。


 そして、的にされた不幸なゴブリンは·····


「うわぁ·····」


 『マギ・レールガン』の弾丸は約3秒後、ゴブリンの胴体に着弾しゴブリンを完全に爆散させてしまった。

 しかし弾丸は止まらず、ゴブリンのちょっと後ろに着弾すると、圧縮していた魔力が一気に放たれた事で魔力爆発を発生させ、地面にそこそこ大きいクレーターを作った。



「·····これ、対魔物用、人に使ったらダメなやつ」


 この世界にまた1つヤバい魔法を生み出してしまったかもしれない。

 ·····ただ、使い道には困るかな?

 ゴブリンとかの雑魚にレールガンは間違いなくやりすきだわ、魔力消費もバカにならないし、これならショットガンとか普通の弾丸の方が効率的だ。



 新たな魔法の威力に戦々恐々としていると、先生の声が聞こえてきた。


「ソフィちゃーん!休み時間は終わりよー!校舎に戻るから早く来なさーい!!」


「あっ!はーいっ!!」


 私は杖を収納し、土手を駆け下りてみんなの所まで走っていった。


名前:ソフィ・シュテイン

年齢:6才

ひと言コメント

「最初は硬貨でやろうと思ったんだけど、お小遣いが減るからボツにしちゃった☆」


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